2017 DTM Round8 Spielberg
GT6のスタンダードカー用みたいな速度計と回転計とギア表示が付属。
Red Bull Ring 4.326km
Race 1 winner:Mattias Ekström
(Red Bull Audi RS 5 DTM/Audi Sport Team Abt Sportsline)
Race 2 winner:René Rast
(AUTO BILD MOTORSPORT Audi RS 5 DTM/Audi Sport Team Rosberg)
DTMも残すところあと2ラウンド/4戦となりました。
第8ラウンドの舞台はオーストリア、ルーカス アウアーにとっては地元です。
しかしメルセデス-AMGにとっては厳しい週末となり、なんとこの週末の2戦は
表彰台が全てアウディーとなりました。
まずこの週末を前に、パフォーマンス ウエイト制度が撤廃という
大きなニュースがありました。DTMはメーカー単位でのハンデ制を導入しており、
レースの順位に応じたものは恣意的な順位操作を招くので、2016年から
『予選での各ブランドのセクター最速をつなげた理論上最速ラップの相対的タイム差』
に基づいてウエイトの増減を決めることにしましたが、オートスポーツ誌によると
やはりそれでも予選でのタイム調整が発生した模様。
そこで今度は、今年のモスクワ戦の前に、
『決勝ベスト ラップの15~30位の中から3ブランドのものをランダムに拾い上げる』
という、恣意的な要素が入りづらい制度を提案したものの却下されたとのこと。
で、今年運営団体の新代表になったゲルハルト ベルガーは元々
ウエイト反対派だったので、ここに来て3メーカーをまとめ上げ、即時撤廃という
大ナタを振ることに成功したようです。
個人的には、アウディーは特に恣意的に予選タイムを調整して、仮にレースで
勝てなくても、年間を通じて軽い車で常に上位に付ける作戦を徹底しているのでは?
と疑っていたので、予選での『足かせ』を外したら、レースを圧倒するんじゃないかと
思っていました。
で、蓋を開けてみれば、まず土曜日のレースは選手権リーダーの
マティアス エクストロームが優勝してさらに点差を広げました。
PPはジェイミー グリーン、2位ニコ ミュラー、3位エクストロームと
私の想像通りアウディーが予選から上位を独占。
この3人は順位通りのスタートでしたが、ミュラーはさっさとエクストロームに
道を譲ります。グリーンはまだ勝っていけばチャンピオン争いの
目があるので、心情としては譲りたくないと思っているでしょう。
トップ争いに何も起きそうにない単調なレースは、残り5分を切ったところで
とうとう八百長発動、エクストロームがグリーンを抜いてトップに。
抜かれたグリーンは一応後ろで右に左に動いて俺の方が速いぞアピールか
八百長じゃないぞアピールか分かりませんが、一応雰囲気だけ出します。
動画のコメント欄にも
「最後の2周、笑える実況だね。グリーンが襲い掛かっていくぞ~、って
DRSも使わずにか?」と揶揄するコメントが。
確かにあの実況は八百長に加担しているようにすら思える凡実況だったw
えっとドイツ国外のレースで実況担当してることが多い人、名前は、、、(検索中)
クリス ハートレーだ。クリスは数字の単位間違えたりとか、
私はあんまり聞きやすい実況じゃないですね。
解説はリー オゴーマンというジャーナリストの人、今年2度目の登場。
彼のtwitterを見たら、オートスポーツ誌に寄稿しているジャーナリスト・
ルネ デ ブールのツイートをリツイートしているようで、なんか
モータースポーツ界って狭いなあと思ったりします。
エクストローム、選手権リーダーですが実は今季初勝利、
しかし表彰台は最多の6度目で、アウディーのほどほど予選作戦が
的中している証と言えます。
エクストロームを追いたいライバル勢では、BMWのマルコ ビットマンは
スタートから1つ落とした5位フィニッシュが精一杯、アウアーは
12位から8位フィニッシュと、こちらも苦戦。
オゴーマンの解説を、私の英語力では理解し損ねたんですが、どうも
「アウディーとBMWは完全な新車だけどC 63 DTMはそうじゃない」的な
事を言っていたような気がしました。
あくまで新規則にあわせた”16型改”中二病ホンダで言うとスペック16.7とか
そういう感じなんでしょうか。もしそうならそりゃあ撤退する気満々だわな、
と思いますが、聞き間違いかもしれないので話半分で。
インタビューに3位のミュラーは
「アウディーにとってふさわしい結果。マティアスが勝ってチームとっても良かったし
チーム マネージャーのトーマスは今日誕生日で、すごく良いプレゼントになった。
とっても満足しているけど、もう明日のことを考えているよ」
とまあ満足そう。
一方勝たせてはもらえなかったグリーンは、いきなり0.5秒も遅くなって
エクストロームは抜いたけどあれはトラブルか何かか?と聞かれ
「終盤にマティアスが追い付いてきて、僕はこの路面に対してタイヤ面で
やや不安があった。それでスティント終盤は慎重に行っていたんだけど、
マティアスが来たから僕は争わなかった。チームとしてはこの結果は
良いことだし、僕は彼と激しく争いたくなかった。チームワークを優先したんだ」
さらに、「ニュルブルクリンクでは2点、ここでも7点譲って厳しくないか?」
と重ねて聞かれると
「うーんと、僕はレーサーだから当然勝つことが好きだ、でも同時に
チーム プレイヤーでもあるから、そういう点では僕は正しいことを
しようと務めているんだ」
と、言える範囲でレースをさせてもらえない不満を口にしていました。
アウディーはDTM内でも特にオーダーが顕著で、やりすぎと思うことは多いです。
そして日曜日のレース、またもアウディーが上位を独占し、
グリーンにはまさかの悲劇、レネ ラストが今季3勝目を挙げました。
3勝はアウアーと並んで最多タイです。
本日もPPはグリーン、2位にラスト、4・5位もアウディー勢で、
挟まった3位にビットマンが孤軍奮闘。
エクストロームは8位スタートで、グリーンは今日なら勝たせてもらえそうです。
アウアーは17位スタートで既に脱落感^^;
上位勢は無難なスタートですが、すぐにビットマンの無線で
「ジェイミーがグリッドを外れていた」との訴え。
なんかここでやったF1でも似た話題を耳にした気がするぞ。
リプレイを見ると、確かにグリーンは描かれた箱から右にタイヤ数本分
ズレて停車していましたが、判定はお咎めなし。
このグリッド位置に関してはF1でも中国GPでセバスチャン ベッテルが
同じことをやり、規則上曖昧である点が問題視、来季からの規則改定が
予定されているので、おそらくDTMでも同じ流れになるでしょう。
ベッテルは濡れた部分を避けるためでしたが、グリーンはなぜに??
抗議がダメなら実力で追いたいビットマンですが上位2台にはついて行けず、
逆に後ろからマイク ロッケンフェラーが猛攻撃。
その後方ではミュラーとゲイリー パフェッツが争っています。
どうもミュラーはほどほどのペースで走って集団を抑え込み、
1周目にピットに入ったエクストロームが、後々自分の前=実質5位近辺で
レースに戻れるように仕向けているフシがあります。
ペースが上がらないビットマン、見ていて
「これはもう入った方が良いな」と私がつぶやいたところ、
9周目にとうとうロッケンフェラーがビットマンを抜いてアウディーが上位独占。
この周でやはりビットマンはピットへ。厳しくなってきました。
ピット サイクルが終了すると、グリーン、ラスト、ビットマン、
エクストローム、ロッケンフェラーの並びで気付けばエクストロームが4位。
1周目でピットに入ったのでタイヤは古いですが、仮にビットマンを抜けば
また八百長で優勝できてしまいます。
しかしやはりペースが上がらずそこまでは行きそうもありません。
逆にロッケンフェラーがエクストロームを抜いて俺の方が速いぞアピール。
良いのか?w
と、残りが15周あまりとなった28周目、アウアーがブルーノ スペングラーに
押されてスピン、勾配でいわゆるカメの子状態となったためSCが入ります。
正直スロー ゾーンでも解決できた気がしますが、運営は面白さを
優先したんでしょうか。
悪名高い2列リスタートで残り9分弱でレース再開、ビットマンは
ターン1でロッケンフェラーにやられると、続くターン3(事実上のターン2)で
エクストロームもインに入り、ビットマンをやや押し出しながら5位へ浮上。
「押し出された!」と当然怒るビットマン。
はみ出た勢いでゲイリーさんにも抜かれてさらに順位が落ちてしまいます。
ところが、翌周エクストロームもゲイリーさんに抜かれて後退、
やはりタイヤが厳しいのか?と思っていたら、その2周後には
ビットマンにもあっさり抜かれます。
エクストロームは今回別画面で車載を見れるので、カメラをぽちっと
切り替えてみたら、チーム側から無線で
「ビットマンに順位を譲れ」と指示されていたことが分かりました。
ペナルティーでポイントを全部失うよりは、という安全策と思われます。
そしてカメラを切り替えてビックリ、今回の車載映像にはなんと

やべえ、この動画で一日中楽しめてしまうじゃないか。
もし私がMVNOじゃなくて大手キャリアのスマホだったらこれで通勤中に
通信量を全消費するところだぜ^^;
SUPER GTにはこういうの無いからマジでうらやましい。。。
しかも無線がある時はちょっと車両側の音が小さくなるんですよね、
聞き取りづらいし、チームからの無線は禁止だからあんまりいい情報
ないだろうけど。
ただ結局エクストロームはまたビットマンを抜き返し、このレースを
5位でフィニッシュ。
一方のトップ争いにも大異変、残り1分30秒あまり、あと3周というところで
ラストがグリーンを抜いてリーダーが替わります。
あれ?また八百長?と思ったら、なんとグリーンは駆動系トラブル。
恐らく低速ギアに落ちなくなったようで、低速からの立ち上がりで失速。
そして、
最後には煙を吹いて失速。DTMはこういう言い方もあれですが、
使い古しの道具を使っていて信頼性は抜群なのでめったにこういう場面は
ありません。今日は八百長しなくてよかったのにまさかの結末。
本当に気の毒なレースでした。
これで思わぬ形で前に出たラストがそのまま優勝、
選手権で2位に浮上です。

1~4位がアウディーということで、事実上の2位は38点差のビットマン。
25点が2レースと、予選でも1~3点もらえるので最大56点取れますが、
エクストロームは2戦で19点以上取れば自力でチャンピオン獲得。
ラストは万一エクストロームが後方に沈んだりリタイアでチャンピオンが
危うくなった際にチャンピオンの権利を与えてもらえる予備選手という
立ち位置になりそうです。
いきなりのウエイト撤廃が逆にアウディー独走に拍車をかけてしまった感が
あった週末でした。ちょっとオーダーが露骨すぎますが、それも
ライバルが全く間に入れていないことが生んだとも言えるので、
やはり対抗馬がいないとダメですね。
いよいよ次戦は10月13日から最終戦ホッケンハイムです。