FORMULA 1 GRAN PREMIO HEINEKEN D'ITALIA 2017 Monza
AUTODROMO NAZIONALE MONZA 5.793×53Laps=306.72km
winner:Lewis Hamilton(Mercedes AMG Petronas Motorsport/
                                                                  Mercedes W08 EQ Power+)

 F1は早くもヨーロッパ最後の1戦、イタリアに来ました。まだ第13戦なんで
まだまだレース数はあるんですが、ヨーロッパ圏外のレースが増えましたね…
 レースはルイス ハミルトンがポール トゥー ウインで、今季初めての
連勝ドライバー誕生。決勝そのものにはあんまり触れるべきこともないレースでした。
終わるのはええしw


 むしろこのレースで触れる点が多かったのは決勝前までの展開。
土曜日の予選は悪天候。とりあえず時間通りQ1が始まりますが、水煙は多いし
ストレート上で明らかにアクアプレーニング起きてるし、赤旗を出す条件に見えます。
 ロマン グロージャンは
「おいとても危険だよ、自分がどこにいるのか分かんねえ」と
危険性を訴えかけます。
 そんな中、開始5分ほどでそのグロージャンがストレート上でクラッシュ。
ストレートの左のバリアに当たって跳ね返ってコースを横断して右側で停止。
「予選やらすなんてふざけてるよ、ふざけてる」と不満を口にして予選を去ります。

 結局グロージャン号回収後予選は2時間半近く中断。生で見ていた私は
諦めて録画時刻だけ伸ばして寝ることにしました zzz
なんかハミルトンはPS4で遊んでたらしいですねw

 その後再開された予選、結局Q3の最後、また条件が悪化してもう
タイム更新は無理じゃないかと思う状態でハミルトンがぶっちぎりの最速タイム。
通算PP獲得回数でミハエル シューマッハーを超えました。
路面のどこがマシな状態なのかを把握し、そこにきちんと車を乗せて
丁寧に走らせていて、はやり上手いなと感じました。
 2位はマックス フェルスタッペン、3位ダニエル リカルド、やはりPU性能の
影響度が下がればここは車も良いしドライバーも上手いです。
そして4位になんとランス ストロール。ウィリアムズはウイングを立て気味に
していました。さらに5位はエステバン オコンです。


 でもって、このレースはPU関係のグリッド降格が予め大量に決まっており、
レッド ブルをはじめとして大量9台に降格発生。おかげで実際の
スタート順位は全然違うことになります。

イメージ 1

 一度整理してみたかったので書き出してみたところ、ペレスなんて
5グリッド降格なので他の人の方がみんな下に来るから結果1グリッド上げてるし^^;
グリッド決める係の人は夜遅くまでかかったのかな、それともプログラムで
一発で出るのかな?昔は当日ギリギリまでリリースが何回も訂正されたり
してましたけど。。。

 そして、昨日の雨はなんだったんだという快晴の日曜日、
ハミルトン、ストロール、オコンという見慣れない並びでレースが始まりました。
 ハミルトンにとって怖いのはスタートとミサイルだけですが、
予想外に波乱の少ないターン1でハミルトンはこの時点で勝ったも同然になります。
 ハミルトンがストロールを抑えに行った結果、前が空いたオコンが2位に浮上。

 3周目、8位に大幅に上げていたフェルスタッペンがフェリペ マッサと接触。
ターン1で外から仕掛けたらマッサが寄ってきて当たりました。
動きとしてフェルスタッペンが悪い感じでは無いですが、マッサは割と
悪気はなくても判断ミスをする人なので、もう少し確実に行った方が
良かったかもしれません。これでタイヤを傷めて後方へ。
1ストップ確実のレースが2ストップで台無しです。

 想定外グリッドの人はさすがに表彰台を争えるわけでもなく、
8周目にはハミルトン、バルテリ ボッタス、ベッテル、オコン、ストロールの順。
ただ、キミ ライコネンは車に不満があるようでストロールを抜けず。

「車のリアにダメージあんじゃねえのか?ターン インでダウンフォースねえんだよ」

データ上は問題ないとの回答ですが、繊細なライコネンは気に障ることがあると
どうしても集中しづらい、ていうかやる気が途切れやすくなります。
 それを見越してか、オコン陣営の無線には

「速い車が抜いて行くのはこれで終わりだよ」

 つまりライコネンは遅いから来ない、と踏んでいるわけです。
あのー、無線ってライバルも聞き放題なんで、あんま挑発しない方が・・・^^;
 一方ニコ ヒュルケンベルグは無線が入りっぱなし。チームから
「無線入ったままだ」と怒られます。独り言丸聞こえ。

 フェルナンド アロンソは、シケインでジョリオン パーマーが
シケインをカットして順位を守ったと激怒。この後パーマーは
5秒ペナルティーを受けますが、
「5秒?冗談だろ?」と納得いかない様子。
車の競争力が無い上に、今回はシフトに問題が出ている模様で
今日も精神状態荒れ荒れです。

 抜けないライコネンは15周を終えてSS→S。これを受けて16周目にオコン、
17周目にストロールが入り、ライコネンはストロールのアンダーカットに成功。
 オコンはここから粘って行きますが、26周目にようやくライコネンがオコンを
抜きました。

 トップ3はハミルトンが安心のリード、ボッタスが続いてベッテルは
1周あたり0.7秒ぐらい遅い感じで勝負になりません。
ところで今回、フェラーリは70周年スキームが施されていましたが、
イメージ 2
 途中でこれが『フロ』に見えてしまい、以降はお風呂にしか見えませんでした。
次戦は『カネ』その次が『メシ』で日本GPというのはどうでしょう。

 何も起きないレースではありますが、走ってる方はハイテク機器を扱うので大変。
アロンソは「G5にしてくれ」と指示されるも
「ステイト オブ チャージが無い」と反論。
 G5はステアリング上のダイヤルの設定、G5はおそらく最大パワーのモードで、
ピットに入る前に飛ばすための指示だったんでしょう。
メルセデス系だと『ストラット〇』とかいうやつです。単純に1が最低で5が最高、
とかじゃなかったんで意味をメモっとかないと分かんないんですよねこれ。
もちろんメモって無いけどなw

 よく川井 一仁も解説で『ソック』と言いますが、これは別に変な
モビルスーツでもなければ靴下の片方だけでもなく、
State of Chargeの略のSoCのことで、充電状態、要するにバッテリー残量のことです。

 オコンに追いついたストロールにも
「マルチB レッド ブラック フォー」とかなんとか指示が出ますが、
「マルチBレッドって言ったの!?聞こえないんだけど」
モンツァは奥側が森だから無線も届きづらいですね。聞き間違えると
間違った設定で遅くなるかもしれんし、手元気にしてたら危ないし、
今の車が昔より簡単だとOBが口で言うのは簡単ですが、こういう操作を
こなさないと速く走れないんで決して楽ではないです。

 すっかり退屈なレースを最後に盛り上げてくれたのはリカルドで、
S→SSという逆のタイヤ使用で後半勝負。37周を終えてライコネンとオコンの
間で戻ると、追いついたライコネンを一発で抜いて、さらにベッテルを追いかけます。

 アロンソはと言うと、まだパーマーに対して怒っていた模様。
アロンソ「パーマーどこ行った」
エンジニア「パーマーはリタイアしたよ」
アロンソ「ざまあみろ」

片山 右京が言った「本当は好きなんじゃないですか」ってのが良かったですw

 レース終盤にハミルトンがパワーの低下を訴えます。その少し前に
映像を見ていて、ハミルトン車の後部ライトの点滅時期がちょっと早い気が
ちょうどしていたので、何らかの理由でSoCの状態が悪いだけかなと思いましたが、
その後もずっと早い目にアシストが切れていました。
 ただ大勢に影響はなく、ハミルトンは306kmをたった1時間15分で駆け抜け、
ドライバー選手権でトップに立ちました。
ていうか昨日の予選の中断時間で2レースできるじゃねえか^^;
 
 ボッタス、ベッテル、リカルド、の順は変わらず。
ベッテルはコース外に飛び出した後パワーが出たりでなかったり何か
変だったとか言っていたので、このレースはいいんですがICE本体に
損傷があったりするとマズいのでそこだけが気がかりです。

 アロンソは終了間際にリタイア。シフトの不調を訴えていたし、
リタイアすればギアボックスの連続使用義務から外れていわゆる『タダで交換』が
できるはずなので、まあ賢明な判断でしょう。

 フェルスタッペンは終盤にケビン マグヌッセンを抜いた後のバトルで
マグヌッセンをコース外へ追いやっていました。
彼とすれば、抜き切った後ラインに戻っただけだし、その前にブレーキングで
ラインを変えて荒い運転してきたのはあっちだ、と言いたいところなんでしょう。
 しかしフェルスタッペンの動きは完全に無駄な動き。車・タイヤの実力差を
考えればイン側のオフ ラインでもブレーキングで再逆転されることはあり得ないし、
そこでラインに戻れなくてコンマ数秒失ったところで、もう次に捕まえられる
ドライバーは前にいない、事実上最後の追い抜きでしたから、全く無意味です。
 マグヌッセンはタイヤもヘタっていてブレーキングで追突しかけていたので、
下手したら自分が乗りあげられて危険でもありました。


 オコンは後ろにストロール、マッサ、そして憎きセルジオ ペレスを
延々従えたまま6位フィニッシュ。
なんだ、結局みんな同じ位置に収斂するじゃねえか、とちょっと
笑ってしまいましたが、オコンはとにかくミスしないでレースをまとめ上げました。
欲しいと思い始めているチームが増えてきたんじゃないでしょうか。
 ストロールも良く頑張りましたし、立てたウイングではなかなか抜けないのは
ある程度仕方なかったと思います。
 ただ、何度かあったチャンスで思い切ってブレーキング競争できる
技量・見極め・度胸を今後身に付けることができるかが課題になるでしょう。
元々安定感が少ない車ではありますが、ことごとくオコンにブレーキングで
負けていました。


 さて次戦はシンガポール。逆転を許してしまったベッテル、
今後フェラーリが戦えそうなコースは限られてくるだけに、
この低速灼熱市街地でのフェラーリワンツーは絶対必要になってきます。
 いや、できればライコネンに勝たせてあげたいんでベッテルがツーが
良いんですがね。