Monster Energy NASCAR Cup Series
Brantley Gilbert Big Machine Brickyard 400
Indianapolis Motor Speedway 2.5miles×160Laps(50/50/60)=400miles
winner:Kasey Kahne(Hendrick Motorsports/Farmers Insurance Chevrolet SS)

 MENCS at ブリックヤード。えーっと今年の観衆は、、、何か少なく見える。
椅子と同じ色の服を着た人が多いのかな?w
 レースの方は6時間を超える戦いとなって、まあある意味自宅観戦が
良かったかもしれませんが、ブリックヤード400史上最も荒れたかもしれない
激戦をなんとケイシー ケインが制して新たな勝者が誕生、
プレイオフ争いは益々混とんとしてきました。

 PPはカイル ブッシュ、今度こそ今季初勝利、そしてブリックヤード
3連勝を狙います。
 決勝前の雨で20周でコンペティション コーションが予定されますが、
10周目にコリー ラジョーイのクラッシュでコーションとなると、
コーション中に雷雲接近。結局赤旗となって1時間47分の中断となります。
これでコンペティションコーションは30周目にお引越し。

 レース再開後はカイルをマーティン トゥルーエックス ジュニアが追う
おなじみの展開で、ステージ1はカイルが制しました。

 ステージ2もこのトップ2で56周目にリスタート、しかし翌周にすぐ
3台が絡むアクシデントでコーションが出ます。
 71周目には先ほど一度クラッシュしたJ J イェリーが単独アクシデントで
5回目のコーション、ここで上位勢はピットへ、一方4回目のコーションで
ピットに入った組はステイ アウトしてここで作戦が分かれます。

 76周目にエリック ジョーンズをリーダーにリスタート、しかし
中団でデイル アーンハート ジュニアが追突からラジエーター破損。
ジュニアを応援するお客さんはあまりに早い脱落に涙。
なお、ジュニアさんは来年からNBCの放送席に加わることが発表されました。

 リスタート地獄は81周目のリスタートでようやく打ち止め、
一時ライアン ブレイニーがレースをリードしましたが、タイヤの新しい
カイルとトゥルーエックスはコース上で順位を上げていき、結局
このステージも1・2位で終えます。

 ステージ終了後のピットではトゥルーエックスが先行し、初めて
トゥルーエックスにレーン選択権。
 ここまでカイルは外側リスタートを決めていますが、ジョーンズは内側から
綺麗にスタートしていて鉄板選択が無い様子ですが、トゥルーエックスは
外側選択で106周目にステージ3開始、外から綺麗にリードを守ります。
しかし107周目にリッキー ステンハウス ジュニアがクラッシュ。
またリスタート地獄でしょうか。

 で、どうもこの2台、リスタート前に無線で作戦の確認を行ったようで、
推測ですがカイルはトゥルーエックスに従ってクリーンに2位でレースに入るか、
最初から争うかを聞かれて、そりゃあ争う、と答え、それを伝え聞いた
トゥルーエックス陣営が、だったらイン側で勝負だ、といった感じに
なっていたようです。

 で、111周目のリスタート、今度はインを選択したトゥルーエックス。
惨劇が起こりました。

滑ったトゥルーエックスがカイルに当たって2台まとめて壁の餌食。
まさかのトップ2同士討ちでレースの流れが変わります。
 後にカイルのクルー チーフ・アダム スティーブンスが
トゥルーエックス陣営に物申しに行って口論になった模様。
そうしたあれこれが何か関係あったのかどうか分かりませんが、
この後ジョー ギブス レーシングはファニチャー ロウ レーシングの
タイヤ チェンジャー2名に対し出場停止処分を科すと発表。
FRRのクルーはJGRが雇って派遣されているので、人事権がJGRにあるようです。
ちょっと両チームの関係に亀裂が生じていないか気になるところですね。

 このコーションでもステイアウト組とピット組に作戦が分岐。
残り40周強はギリギリ走り切れるか切れないかという距離です。
 リーダー争いはマット ケンゼスがイン側選択からリスタートを決め
見た目上は先頭に。
 しかしほどなく、レースが残り30周と最終ステージの距離の真ん中付近まで
来たところでピット サイクルがスタート。
 5位前後の人からアンダーカット狙いで動き、それが前に波及していき、
逆にそれを見てコーション狙いで後方にいた人が入らない、というおなじみの
流れになり、ブラッド ケゼロウスキー、ジミー ジョンソン、ケインがトップ3.
ただし彼らはステージ2終了後の102周目に入った組でもう1回のピットが必須。
 一方、4位走行のトレバー ベインは117周に入った組の先頭。
もし燃料が足りるなら彼はもうピットに入らないので、燃費レースで
大逆転勝利の可能性も出てきました。

 149周を終えてこの中からケインがピットに入りますが、この直後、
ターン4出口で多重事故発生。

巻き込まれた1台、カート ブッシュはヘルメットにカメラを付ける日だったので
この事故のドライバーに近い視点が記録されました。
グルグル回ったクリント ボイヤー、無線で「(放送禁止)ダニカ!」と叫んでいます。
確かに1つ前でポール メナードと順位争いをしていたので空力的な
影響とかもあるでしょうし、この前から邪魔だったのかもしれませんが、
直接当たったわけでもなし、ましてやチームメイトにその言い草ってちょっと
問題ありですね。。。

 燃費レースで勝てそうだったベインは「マジかー!」
さあ大変、先ほどのピットから周回が進んでいるので、まだ入っていない組に
加えて既に給油を終えた組もピットへ。
 そしてケインは周回遅れにされておらずここをもちろんステイアウト、
なんといきなりリーダーになります。

 154周目、残り7周でのリスタートはケゼロウスキーが後ろからすごい
プッシュをしてきますがこれを制してケインが逃げます。
このまま逃げ切っても十分おなかいっぱいな波乱のレースですが、
翌周、フロントストレッチでカイル ラーソンがタイ ディロンに壁に追いやられて
クラッシュ。ラーソンもまた車炎上です。
 たぶんブレーキに非常に厳しいので、クラッシュして周囲の構造物と
接触するとすぐ火が点いちゃうんでしょうね。

 残り2周で仕切り直し、インにケイン、外にケゼロウスキー、でケインの
背後にはリスタート前から既に白煙を上げていてなんかヤバそうなジョンソン。
 サイド バイ サイドで競り合うトップ2の間隙をついて、白煙男が
ターン2の出口から車速を伸ばすと、全員意地の張り合いでターン3になんと
3ワイドで進入。当然無事に全員曲がれるはずもなく、
トゥルーエックスの時と同じように、イン側で踏ん張れなかった
ジョンソンがスピン。外の2台は難を逃れますが、これでNASCARオーバータイム。

 今度は外を選んだケイン、インではケゼロウスキーが窓から手を出して、
後ろのベインに「俺を押してくれ」と合図。が、、、
押すな押すな状態で、リスタート即クラッシュ(+_+)
リプレイを見ると、後続はリーダーがリスタート ゾーンに入る前からもう
押し始めているので、加速前に押されたらそりゃあリーダーは姿勢を乱すし、
後続はもうスタートしたと思って踏んでいくから全部詰まるに決まってますね。
 外側でケインを押しにいって、やっぱりちょっと押しすぎ感がある
デニー ハムリン。ベインが要因だと無線で聞くと辛辣な一言。

「あいつらの会社お金無くなっちゃえばいいのに。あいつむちゃくちゃだよ」

 ストレートが車墓場状態。また赤旗になります。
もう普通の日欧のレースだったらこれ以上続けることはあり得ませんが、
オーバータイム不成立なので処理が終わり次第再開します。
さて、レースが長すぎてお客さんも帰っちゃったか少ないなあ、
え?最初からいなかった?いやいやご冗談を。

 オーバータイム2回目、ケゼロウスキーに選択権で外選択ですが、
ケインがちょっとジョンソン的な、下がり気味の位置から助走を付ける感じの
リスタートでターン1で真横に並び、ターン2で完全に前へ。
 するとほどなくその後方でハムリンがクラッシュ。
またリスタート不成立かと思いましたが、審議の結果コーションが出たのは
ケインがオーバータイム ラインを通過した後。これで今度こそケインの
勝利が確定しました。たぶん通過からコーションまで1秒ありませんでした。


 ケインは2014年アトランタ以来約3年ぶりの優勝で通算18勝目。
相次ぐスポンサー離脱で契約を1年前倒しして終了との噂が流れる中で、
来季に繋げる貴重な1勝を挙げました。

 今回の展開の発端はトップ2の同士討ちでしたが、無線のやりとりで
『チームメイト内』でどういった意思決定があったのか分かりませんが、
トゥルーエックスが普通に外を選んでいればこんなことには
ならなかったと思います。
レースが面白くなったので見ている側は構いませんが、
チーム内としてはきちんと整理し、JGR-FRR間でもめ事が無いように
整理しておかないと、今後小さなほころびが大騒動になっていくのは
よくあることなので、きちんとネジを締めなおしてほしいです。

 ケインの勝利でプレイオフ16枠のうち12枠が勝利で埋まりました。
レギュラー シーズンはあと6戦、この後も特殊トラックのポコノ、
ワトキンス グレンと続くので、誰が権利を得るのかまだまだ分かりません。


 なお、終盤の多重クラッシュに巻き込まれてこのレースは残念だった
ブレイニーですが、来季ペンスキーが3台体制に拡張しNo.12をドライブすると
正式にアナウンスされました。
 ケゼロウスキーも契約を延長し、来年はケゼロウスキー、ロガーノ、ブレイニーの
3台体制が決定しました。