Monster Energy NASCAR Cup Series
Overton's 301
New Hampshire Motor Speedway 1.058miles×301Laps(75/75/151)
=318.458miles
winner:Denny Hamlin(Joe Gibbs Racing/FedEx Office Toyota Camry)
MENCS at NH、マジック マイルことニューハンプシャー(ラウドン)が舞台です。
イン側から2レーン目という中途半端な場所が最速ラインの特殊性から
付いた名前のはずなんですが、PF1と呼ばれる特殊なグリップ向上剤を投入。
並んでのバトルを促す狙いですが、マジックマイルの意味が無くなる(^_^;)
まあ、伝統やコース特性よりもとにかく見栄え重視にしたいんですね。
で、ここ2回の開催ではほぼトヨタ車だけがリードしているこのトラックで
今回もトヨタ無双となりデニー ハムリンが今季初勝利、ようやく
ジョー ギブス レーシングにも今季初勝利をもたらしました。
予選最速はカイル ラーソンでしたが、予選後の車検で違反が見つかり
タイム抹消で最後尾に。スティーブ レターテの解説を聞いても英語力不足で
ちゃんと意味を理解できないんですが、

見づらいですがリアにある、スピン時の浮き上がりを防ぐための透明な板。
当然空力に影響するので、チームとしては最大限性能に生かし、邪魔なら
減らしたいと思っている部分です。
これが予選前は合法だったのが、予選後は規定より短くなっていて違法だった、
というような話のように聞こえました。
車体側の赤い部分、取り付け位置にはスロットが切ってあって長さが
簡単に変わるようになっており、これを予選前の車検後にいじった、
ということでしょうか。ブラック ホワイト ルール、とレターテが言ってるので、
解釈が難しい、いわゆるグレーゾーンの部分なんでしょうか。
というわけで、繰り上げPPはマーティン トゥルーエックス ジュニア。
外側はジミー ジョンソンでしたが、スタートでうっかり抜いてしまって
即刻ペナルティー。
ジョンソン「グリーン フラッグで出ただけなんだけど。何が悪いの?」
チャド カナウス「分かんないけど、1つ言えることは、ピットに入って通過して」
オリジナルのスタートとリスタートは規則が違うんですがね。。。
これでリード争いはトゥルーエックスと3位争いのマット ケンゼスに。
今回トゥルーエックスは初めてWIX Filtersがスポンサーで黄色と黒のスキーム、
そしてケンゼスもDeWalt FlexVoltがスポンサーで黄色と黒、


スポンサーがらみでもう1つ付け加えると、法廷闘争で泥沼化していた
スチュワート ハース レーシングとNature’s BakeryはSHR側が訴訟を
取り下げたようで、NB側が4戦でスポンサーをすることで妥結した模様。
今回クリント ボイヤーのスポンサーをしています。
さて、話が脱線しましたが、というかNASCARはスポンサーの
色とか名前とかも楽しみの対象だと思っていますが、レースの方は序盤
ケンゼスが追ったものの、その後はトゥルーエックスが独走。
スタート時は内圧が低めでロングに強い作りにしてあるんでしょうね。
35周でコンペティション コーション、この際のピットでエリック ジョーンズは
接触でタイヤを傷め、それが原因でリスタート後の41周目にクラッシュ。
JGR移籍決定後の初レースはたった40周走っただけの最下位で終えます。
ステージ残り9周、コール ウィットのトラブルでコーションとなり、
これで中団以降はステージ2を睨んでピットに入る一方、上位勢は
ポイント狙いでステイ アウト。トゥルーエックスがステージを制しました。
「ステージ1を終える段階でトップ5にいたい」と言っていた
ラーソンはステージ3位。予選いらねえw
ステージ1終了後には、舗装が剥がれてきたので修復のため
赤旗で10分ほど中断。路面温度も高かったようですし、
グリップ力ドーピングもしたので負担が大きかったんでしょう。
ステージ2でピット組は20位以下のものすごい後ろからスタート、
先頭リスタートのカイル ブッシュがリーダーに。
途中オースティン ディロンのスピンでコーションがあったものの
ステージをカイルが制しました。
トゥルーエックスは一生懸命追いかけたけど6位です。
カイルはバランスが良いと言っていて、ステージ3も期待できるかと
思われましたが、ジャッキが落ちてしまってピット後に4位に後退、
逆にトゥルーエックスは3位まで浮上。
ハムリンがリーダーでステージ3が始まりました。
しかし173周目にトゥルーエックスがハムリンを捕まえ、ああ、
今日もまた何か起きない限り彼には勝てそうにないな、という雰囲気に。
ところが218周目、トゥルーエックスが真っ先にピットへ。
残りが80周強とピット ウインドウには入っており、ダニエル スアレスが
直前にピットに入っていたのでアンダーカットを警戒でもしたのかと
思いましたが、右前輪のパンクが原因でした。
グッドイヤー側は、何かを踏んだのが原因としたようで、
摩耗特性やブレーキが過熱しすぎてビードを溶かしたわけではない模様です。
これでタナボタ的にカイルがリーダーに。
上位勢は残りが65周前後でサイクルが始まりますが、ここでカイルは痛恨の
ピット速度違反。無線によると4700回転を維持しないといけないそうです。
何度も言いますが、NASCARにピットのリミッターは無く、回転数を
予め決めておき、自分の足さばきでそれを維持しないといけません。
サイクルが一巡すると、一応トゥルーエックスがリーダーに戻りますが、
さすがにライバル勢より20周近く古いタイヤではペースが遅く、
同じ色をしたケンゼスが260周目にリーダーに。
するとその直後の262周目にライアン ニューマンがスピンして7度目のコーション。
トゥルーエックスは古いタイヤを捨てて同じ条件に戻れるので
これはラッキー。
このピットでケンゼスはトラック ポジションを重視して2タイヤ。
ところが、ライバルは誰一人として2タイヤを選ばず、結果的に
ただ慌ててピットを出ただけになってしまいます。
4タイヤならたぶん1番ピットのトゥルーエックスが先に出たので
1つだけ順位を守れたとは思いますが、選択ミスでした。
そしてカイルはまた速度違反です。。。
アンダー グリーンでのピットを引っ張っていたデイル アーンハート ジュニアが
ステイ アウトの無謀な戦略に出てリスタート。
ケンゼスはインからあっさりジュニアを抜きハムリンも続きますが、
トゥルーエックスはインに下りすぎてバンプに乗って姿勢を乱し
集団に埋もれてしまいます。
パンクを警戒して内圧を少し上げたのかなあとも思いますし、
グリップドーピング剤が剥げてきてインのグリップが悪化しているという
話もあったので、コース状況自体も合わなくなってきたのかもしれません。
このスティントのトゥルーエックスはそれまでと比べるとやや
勢いを失っていました。
267周目、ハムリンはケンゼスを抜いてリーダーに。
徐々に後退するケンゼスを抜いてハムリンへの挑戦権を得たのはラーソンでした。
ラーソンは毎周じわじわと距離を詰めていき1秒以内に入るまでは
なんとか進んだものの、ハムリンもミスなく走りここからは一進一退。
元々ショート トラックでは結構速いハムリンが逃げ切って
通算30勝目を挙げました。
ニューハンプシャーでは3勝目のハムリン、
「年間10戦ここでやってほしい」と答えてファンを笑わせました。
結局レースを通じてトヨタ以外でリードしたのはジュニアの計10周のみで、
レース周回数の96%はトヨタがリードしました。
ラーソンは単純追い抜き数でレース全体で3番目に多い87を記録して
2位フィニッシュ、前戦でもぶっちぎりで最多の90を記録しており、
この2週間で177回も追い抜きをしています。
今回意外だなと感じたのはダニエル スアレス。自己最上位タイの6位で
フィニッシュ。シーズン序盤は正直エリック ジョーンズの方が明らかに
上手だなという印象で、数字で見ると最初の10戦では平均順位18.4が、
その後の9戦では13.3と向上しています。
いわゆるナチュラルな速さではジョーンズに分がありそうですが、
スアレスも徐々にXfinity王者の力を見せているな、と感じています。
次戦はインディアナポリス、昨年は客が少なすぎてビックリでしたが、
今年はお客さんいるかな?w