FIA Formula e Qualcomm New York City ePrix
1.953km×49Laps=95.697km
winner:Sam Bird(DS Virgin Racing/Virgin DSV-02)
FEニューヨーク2連戦の2戦目。ニューヨークの街中でのレースは
歴史上初だということですが、それなら日本でも慣例を破って
どっかでやることは十分できるんじゃないかと思えてきます。
大阪は万博よりもFEを誘致すべきですよ(^◇^)
レースの方は前日に続いてサム バードが2連勝。ニューヨーカーに
たくさん名前を覚えてもらえそうです。
ちなみに、ニューヨーク州が定めた州の鳥は『ルリツグミ』だそうです。
前日はアレックス リンがデビュー戦PPで沸かせましたが、日曜日は
もう1人の代走・ピエール ガスリーが予選でトップ。スーパー ポールで4位と
デビュー2日目にして実力を発揮。このレベルのドライバーなら一発のタイムを
出すのにはそんなに苦労しないんだなと感じます。
ただ驚くべきはバードのタイムの出し方。最速がフリー走行から順に
1:02.209 1:02.246 1:02.285とブレが全くありません( ゚Д゚)
しかしスタートでは前日同様イン側が有利らしく、ターン1で2位スタートの
フェリックス ローゼンクビストが前に出ます。何で片山 右京はローゼンクビストを
『クビスト』って変に略すんでしょうかw
ミスター最終ラップで壊れる、ことダニエル アプトは今回は1周でトラブル発生。
さらに3位のジャン エリック ベルニューはカウル破損でオレンジ ディスク。
チームは力業でむしり取ってコースへと戻します。
トップ争いはローゼンクビスト、バードにニック ハイドフェルドの3台。
9周目、ミッチ エバンスがオーバーランしたまま止まってしまいFCYに。
ほんの1周ちょっとでリスタートすると、11周目にバードが前日の再現のように
ヘアピンでインを刺してリードを奪い返します。
20周目、今度はリンがコース上でトラブルにより停止。
22周目に2度目のFCYとなります。レース距離の半分には届いていませんが、
ここぞとばかりにマヒンドラの2人がピットへ。
すると逆のことをやるリスクを避けるためか、他のチームも続々と
ここでの乗り換えを決断。後から入った人にとっては、作業中に
FCYが解除されて先に入った組にアンダーカットされるのが唯一のリスクですが
上位陣には影響なし。
24周目にFCY解除、ハイドフェルドはちょうどターン中だったせいか
反応が遅れてしまい、いきなりローゼンクビストに置いて行かれます。
ところがその後ペースが上がらずバードに逃げられるローゼンクビスト、
36周目にはハイドフェルドに道を譲って順位を入れ替えます。
ローゼンクビストはバッテリー残量表示に不具合が発生してしまい、
確実に完走するためにペースを落としての走行。
ハイドフェルドにもバードを追うほどのペースが無く、バードが
独走態勢に入ります。
しかしマヒンドラは最終的にローゼンクビストの問題をなんとか
こなしたようで、残り3周となったところで再びローゼンクビストと
ハイドフェルドを入れ替え。
ハイドフェルドもあまりペースが良くありませんでした。
バードは最後まで完璧な仕事でニューヨーク2連勝。
しかし驚きの事件があったのはその後方でした。
ほんのわずかにエネルギー残量が多かったガスリーが最終周に
猛烈にマヒンドラ2台を追い上げ、最終ターンでハイドフェルドに対して
外から勝負。しかし外側の壁に衝突し、チェッカーがターンを曲がって
すぐなのでその状態でチェッカー。ただガスリーはぶつかった後も
スロットルを踏み込んだらしく、なぜか加速しながら今度は内側の壁に自ら突撃。
頭に血が上ったのか、外にいたら危ないと思ってわざと自滅したのかは
不明です。後者なら大したドライバーだと思います。
後方のドライバーからすると、チェッカーを受けようと思ったらなぜか
黄旗が振られてるわ、バリアが散らかってるわ、青い車が止まってるわ
意味不明だったことでしょう。
ガスリーは「彼と接触して外へ追いやられた」とコメントするも、
さすがに新参者なせいか大物なのか、表情は意外と涼しい顔。
ただ、ルーカス ディ グラッシの前でフィニッシュして、セバスチャン ブエミの
助けになった上に、二コラ プロスト先輩は2つ後ろの6位で、ガスリーは
結局2日連続でプロストを上回る成績でした。
ディグラッシは今日も予選で壁にこすったりして9位スタート。
できればブエミを逆転しておきたかった2連戦を終え、結局10点追う状態で
モントリオールへ向かうことになりました。
バードは2連勝で計算上はチャンピオンの権利を残しています。
途中車載映像が映っていて、ギアの数字が1と3で切り替わってたので
2速はいつ使うんだと思ったら、公表された仕様ではこの車のギアは2速。
表示ミスなのか、あるいは構造上は3つ付いてるのか、まだまだ謎多き車です・・・
それにしても、ブエミがいないとレースは非常に混戦だということが
よく分かりました。モナコあたりからマヒンドラが一気に調子を
上げてきており、今回DSバージンも快調。
ルノーPUのテチーターも含めると、コンペティターが5つある状態に
なりつつあります。
一旦はルノーe.damsとアプト シェフラー アウディーの2強とそれ以外、
に進むと思われた中で、シーズンが進む中でこうして中団グループも
追い上げてきたのは非常に喜ばしい限り。
おかげでディグラッシはブエミが仮に後方に沈んでいても
勝たせてもらえずポイント差が詰まらない現実に直面しているわけですが。
現状では車体側の開発はできず、動力の出力も決勝時170kw、
バッテリー容量28kwh(日産リーフの大容量モデルは30kwhです、参考までに)
と枠があるため、あくまで『いかに効率よく使うか、電力損失を減らすか』
が最大の開発テーマ。開発というかほぼ研究ですかね。
今のところそれがうまく機能しているような感じです。
残すは最終ラウンドのモントリオールのみ。ディグラッシの逆転はあるのか?