2017 DTM Round4 Norisring
Norisring 2.300km
Race 1 winner:Bruno Spengler(BMW Team RBM/BMW Bank M4 DTM)
Race 2 winner:Maxime Martin(BMW Team RBM/SAMSUNG BMW M4 DTM)
DTM第4ラウンドはノリスリンク。ニュルンベルクの町の中にある
半市街地のレース。私がDTMを面白いと思ったのも2003年にたまたま
ノリスリンクのレースを見たためでして、そういう意味で今でも一番
楽しみにしています。
ニュルンベルクはドイツで2番目に規模の大きいバイエルン州の
2番目の大きい都市だそうなので、日本で言うなら大阪府堺市の
大仙古墳の外周路でレースしてる感じかな?wだったら羨ましい・・・
(自転車は古墳近くの公園外周でトライアルやってますが)
土曜日のレースはただでさえ荒れるノリスリンクに雨要素となり、
13年目のベテラン・ブルーノ スペングラーが2013年以来の通算15勝目を挙げました。
レースは雨のため、本来の55周+1周から、
2周のフォーメーション後に52周+1周、に変更されます。
そのフォーメーション中にマロ エンゲルはスピン。なんかスタート前から
カオスな予感・・・
PPはマキシム マルタンでしたが、スタートで全く前に進まず^^;
3位のスペングラーが好スタートで先頭に立ちます。
さらにマティアス エクストロームも隙間をすり抜けて2位へ浮上。
一方そのエクストロームと軽く当たったルーカス アウアーはターン1を
大きくオーバーラン、戻ったところで同じメルセデス勢のロバート ウィケンズと
接触し、ウィケンズは足回りが壊れてカニ走り、アウアーも結局リタイアに。
無線も壊れたようで、ピット内で「エンジンを切ってくれ」と指示されても
「聞こえない」。コース上では無線禁止だから案外分からないのねw
スペングラーはじわじわとリードを広げる一方、大失敗スタートの
マルタンがエクストロームを追い上げ、9周目に2位へ再浮上。
雨は止んでおりコース上はすこしずつ乾いていき、17周目にジェイミー グリーンが
真っ先にドライへ交換。ここから各陣営ドライへの交換が進んでいきます。
アウディーのニコ ミュラーはタイヤを替えたはいいが出口の線を完全無視。
初歩的なミスでペナルティーを受けます。こういうのは一番困りますね。
スペングラーは6秒以上のリードを得ていたため、後ろが入ったのを
確認してからドライへ交換。そのせいでタイヤに熱が入るころには
マルタンが2秒以内まで接近していてリードを吐き出しますが、
これはリードを持った先頭走者としてはお手本のような対応でした。
極端な雨寄りセットでスペングラーがここから失速しないかが注目点でしたが、
彼はドライでも速く本当に調子が良い模様。2位は引き続き
マルタンvsエクストローム。
エクストロームは前に出たかに思われましたが。
抜けない!そうこうしているうちにエクストロームはDRS切れ。
昨年はコースごとに回数を決めたDRSですが、今年は『12周』と周回数を
きちんと切られているので、60周以上するこのレースでは
あっという間に使い切ってしまいます。
結局スペングラーが4秒以上の差を付けて優勝、エクストロームは最後まで
サムスンの後塵を拝する格好に。
スペングラーはBMWのドライバーとしては1992年の
スティーブ ソーパー以来の勝利。
ソーパーは長くBMWで活躍したドライバーで、1987年にニュルブルクリンク、
1995年にスパの各24時間レース、さらに1997年にはマカオのギア レースでも勝利。
日本でも1994年・95年に全日本ツーリングカー選手権に
あの悪名高い?シュニッツァーからエントリーし、1995年にはチャンピオンを
獲得しています。
(シュニッツァーはBMWのツーリング カー活動の事実上のワークスを担い、
この時代に世界の様々なカテゴリーに参戦、それらを圧倒し恐れられた)
スペングラーは昨年からめっきり影が薄くなり、こうして実力でリードする
姿を見ることが無かったので、正直まさか、という展開でした。
一方違う意味でまさかなのはロイック デュバル。日本にいた選手なので
なんとか頑張ってほしいんですが、このレースもダメダメで、終盤には
スペングラーの前で周回遅れなのにターン1で2周連続オーバーランするなど
なんかレースの邪魔になってました・・・
レース2は前日にスタート大失敗のマルタンが雪辱。通算3勝目です。
スタート時の天候は曇りで雨が降る可能性が無いことも無いな、という
日曜日のレース。なんかよく分かりませんがDRSの上限が18回に増えたっぽいですw
PPはまたBMW、トム ブロンクビストでしたが、まるで前日の再現のように
ブロンクビストがスタートに失敗。ウィケンズが2位→1位、スペングラーもまた
4位→2位と2日連続で好発進。
晴れた展開なので、1周を終えると早くも作戦発動、スタートで6位→4位と
上げていたアウアー、逆に6位まで転げ落ちたブロンクビストら5人が早くも
ピット義務消化。ノリスリンクは混雑するから面白いのに・・・
各陣営は順次義務消化に動きます。SC出動率が高いコースなので、引っ張りすぎて
SCが入ると大損です。アウアーは非常にペースが良かったようで、
ほとんどの車がピットを終えると事実上のトップ。
逆に引っ張ったウィケンズは大きく順位を落とし、ピット作業が早かったマルタンが
ピット後も2位の位置。
どうでもいいですが今年のRS5のカラーリング、

何でみんなライト周りを白く縁取ったんでしょう。正直カッコ悪いんですがw
逆にピットを引っ張ったのは下位だったポール ディ レスタ、
エドアルド モルターラ、そしてデュバル。ディレスタとモルターラは
思いっきり引っ張ったのが成功して、ディレスタは1周目13位が実質5位に、
モルターラは同17位が4位になります。
めまぐるしく状況が変わるので、解説のアレックス トレルは思わず
「スタートのリプレイを見る暇がないね」
このコースは混戦になるので、集団で走るとどうしてもタイムが損。
入るのが先か後かよりも、空いた場所でどれだけ走れたかが大きいようです。
しかし、デュバルだけは未だに入らず。ひょっとして奇跡の雨待ち?
てなことを言っていたら、24周目にアクシデント発生。
ウィケンズとレネ ラストが接触してSCが入ってしまいます。
絡んでるのに2人ともアクセル踏みっぱなしw
これでデュバルは引っ張り作戦台無し。そして、ようやくスタートの
リプレイを見ることができましたw
31周目、ここではやらない方がよさそうな2列リスタート。
遅いデュバルがリーダーなので嫌な予感しかしません。
カオス!デュバルはなんとかターン1でインを抑えにかかりますが、
その隙を突いてマルタンがリード、アウアーは後退、さらにデュバルは
全く後ろを見ていなかったのかスペングラーに思いっきりぶつけて
スペングラーはパンク。もう他人のレースまで無茶苦茶です。
隅間を縫うように抜けたマルコ ビットマンがなぜか9位→3位に急浮上。
そしてリスタートからわずか2周後、サーキットが凍り付きます。
制御を失ったゲーリー パフェッツがマイク ロッケンフェラーに真横から衝突。
ゲーリーはなかなか車から出られず、ロッキーは無線に応答がありません。
実際にはロッキーはすぐに車外に出ていたようですが、パフェッツは
時間がかかっていて、無線でも痛いと言っていたのでちょっと心配です。
これでレースは赤旗に。
複数の映像から総合すると、ターンに入る手前で軽くグリーンが寄せ、
パフェッツは一瞬のブレーキの後、ターン1手前に右へキンクした部分で
ステアとバンプに乗るのが重なり、集団による空力的影響もあって
スナップ ルースに。カウンターを当てたものの、すぐに右前がグリーンに接触して
結果的にカウンターにお釣りが来てしまった感じでした。
グリーンの動きは何か悪質なものがあったわけでもない普通の牽制で、
ただレースをやってればこういうことも起きる、としか言えない感じです。
赤旗中に色んなドライバーや首脳陣にインタビュー。
ベリーナさん、あちこちで状況を聞きつつ、必ずと言っていいほど
「しかし同時にDTMの安全性も証明されましたね」と聞くんですが、
そんなに全員に聞かなくていいです。
エクストロームは何を聞かれても
「見てないから何も言えないよ」と鬱陶しそう。
一方えらい順位を上げたビットマンは
「なんかすごいラップだった。9位だったけどターン1で3台抜いて、
ターン4でも3台抜いて。
抜群に良い車だったわけじゃないんだけど、みんなブレーキを慎重に行っていて、
僕の車はなんかスポットに入ってたみたい。」
と本人もビックリ。
一方で当てられて連続表彰台を失ったスペングラーは
「がっかりだ、ロイックはピットに入ってなく順位争いをしていない車だ。
それでいてターン3で僕のドアを閉めてきた」
なんか、ゴメンナサイ。何でデュバルはDTMでこんなにダメなんでしょうか?
オリバー ジャービスの方が遥かに良かった気が・・・
アウアーはDTMの運営団体・ITR代表にして叔父であるゲルハルト ベルガ―と
何か会話中。「家族ミーティング?」と茶化す実況人。
※ちゃんとこの後ベルガ―は他所にも行ってたので、インサイダー取引ではありません
コースの修復もあった長い中断の末に2度目のリスタート。今度は1列で
スタートせよとのこと。そもそも私がAUTOSPORTSwebで見た記事では、
2列リスタートは『安全が確認されているサーキットでは』と但し書きがあった
気がするんですが、ノリスリンクでやっちゃダメでしょう。
マルタン、アウアー、ビットマン、エクストロームの上位4台。
リスタート直後、アウアーがマルタンを抜いてリードを奪い返しますが、
41周目にマルタンが逆襲。
もう時間が長すぎてすっかり忘れかけてましたがアウアーは1周目に入ったので
タイヤが古く、マルタンはそれより6周新しいタイヤ。
ビットマンは1周だけ、エクストロームも3周だけ新しいタイヤです。
終盤にかけてアウアーは明らかにリアが限界。そして大きくスライドして
一気に大ピンチで残り2周。ビットマンに狙われたところを何とかしのぐと、
逆にその隙をエクストロームが衝いて2位に浮上。そのまま団子状態で残り1周へ。
エクストロームとビットマンがやり合ったため、アウアーは先行、逆に
5位のモルターラが接近して3台での3位争いは最終局面へ。
トップでマルタンがチェッカーを受けたその後ろ、DTM史に残るであろう
衝撃のフィニッシュを迎えます。
3メーカーの車がスリー ワイドのままチェッカーを受けるという、
もう来年のプロモーション映像に採用するのが決定!なシーンです。
モルターラ → 0.002秒 → エクストローム → 0.025秒 → ビットマン
コメント欄でそれぞれに暴言吐いてる人たちは私から見れば
DTMを知らないにわかですね。これを楽んで見れる思考がないなら
DTM見ない方が良いと思います。
エクストロームの弱点、熱くなると無用にアタック/ブロックする、
が出てしまいました。
マルタンはこの週末にポイント荒稼ぎで選手権3位に浮上。
エクストロームがリーダーで、それを2点差でアウアー、11点差でマルタンが
追っています。
ですが、選手権とか完全に頭から消え去る2レースでした。