F1第8戦アゼルバイジャン。昨日は富田 真由子、ではなくライコネンの
怒りの無線で終わりましたが、今日はそこから先の話です。
11 リカルドの鬼ブレーキが炸裂
赤旗からレースが再開、ハミルトンはSCだとペースが上がらないから
VSCでスタートできんのかと訴えかけますが、「そういうルール無いから」
とエンジニアからなだめられます。
一方表彰台が見えてきたはずのマッサからは悲しい無線
「なんてこった、車が変だ。振動する。。。いや、違うかも」
マッサが気になる中24周目にリスタート、ハミルトン、ベッテルに続いて、
マッサ、ストロール、リカルド、ニコ ヒュルケンベルグが集団でターン1に突入。
ここでイン側にいたリカルドの超絶ウルトラスーパーレイトブレーキングが炸裂!
ウィリアムズ2台を抜いて5位から3位へ。結果的にこれが勝利を決める
オーバーテイクということになりました。
冷えたタイヤで汚れたインから、相手より遥かに奥でブレーキングに入り、
綺麗にターンを曲がっていきます。リカルドが飛び込む度に、画面の前で
「きたーーーーーー!」と思わず声が出て楽しくなります。
素晴らしいドライバーです。
12 マッサとヒュルケンベルグも脱落
さっき無線で壊れたようなそうでないような事を言っていたマッサは
この後順位を落としていき何か変。
「すごく変だ、車が振動する、運転できないよ」
>「すまない、リア ダンパーが壊れたんだ」
リプレイを見るとマッサの車はフロントが魚みたいにぴちぴち跳ねていました。
これでマッサはリタイア。さらに無線が放送されている間に
ヒュルケンベルグも右前サスペンションを壊してリタイア。
こちらは、ステアリングを切りすぎてイン側の壁に当たるという
ちょっとカッコ悪いクラッシュでした。曲がらないと思ったんだろうねえ。
13 ハミルトンのヘッドレストが浮く
トップのハミルトンにはさすがに何も起きないだろうと思ったら大間違い。
なんとヘッドレストがきちんとはまっていないのか浮き上がり出します。
「ルイス、ヘッドレストが浮き上がってるみたいだ。ストレートで押さえて
元の位置に戻してくれるか」
いやいや無理だろwと思ったら一応やってるハミルトン。
でも、20秒以上の全開区間を片手運転で走るなんて続けれるわけもなく、
明らかに危険なのでピットに入れるべきです。
結局31周を終えてピットへ。
そしてそれと同時に、ベッテルへの10秒のペナルティーが通知されます。
ハミルトンのヘッドレスト交換作業は9.3秒。あらら、ちょうどベッテルの
ペナルティーと同じぐらいだ( ゚Д゚)
14 ベッテル、非を認める気なし
ペナルティーが決まったのでエンジニアのリカルド アダミが無線でベッテルに
伝えますが、、、
アダミ「危険なドライビングで10秒のストップ&ゴー ペナルティーだ。
今から2周以内に消化しないといけないよ」
ベッテル「いつ俺が危険なドライビングをしたって?」
非を認めるつもりはないようですw
ベッテル「俺がいつ危険なドライビングをしたのか説明してくれよ」
アダミ「あ、、あ、、、後で話そう。今は集中して、とりあえずピットに入ってくれ」
レース中で熱くなってるのは分かりますが、これはアダミがかわいそうです。
で、ベッテルがペナを消化すると、ハミルトンの前で復帰。
ピットにいた時間はほぼ同じなんですが、ハミルトンは集団の中に入ったので
結局オーバーカットみたいになってしまいました。
逆転された理由は自陣営のミスではありますが、結果的に違反行為をした人が
目の前でコースに戻ってきたのでハミルトンは当然腹立たしい状況。
「10秒ペナルティーはあんなドライビングには不十分だ。わかるだろ、チャーリー」
ええ、私もそう思います。
上位陣総コケで、順位がリカルド、ストロール、ケビン マグヌッセン、オコン、
という見たことも無い並びにwアロンソですら6位です。
ただ、その間の5位にボッタスが上がってきています。普通にレースしてたら
1周目に周回遅れになってそれで終わりのはずだったのに、インディーカーみたいな
周回遅れからの復活劇です。
15 アロンソ、今日も愚痴る
ベッテル、ハミルトンに抜かれて8位まで落ちたアロンソ。それでも
今季初入賞が見えてきましたが、
「残念だ、勝てるレースだったのに・・・」
アロンソさん話を盛りすぎでは?と思うところですが、彼の最近の言葉づかいから
推理してこの文章を『翻訳』すると
「残念だ、(ホンダのPUさえちゃんとまともな性能があれば)勝てるレースだったのに
(こんなクソPUじゃ抜かれてばかりでレースにならねえ)」
とこういうことになるのかなと思います。
レース後のアロンソは、不得手なこのレースで入賞できたのは望外で
喜ばしいとしつつも、やはり「車にあるべき競争力があれば勝てたはず」と
話していました。
アロンソは結局9位でチームと本人にとっての今季初入賞を挙げました。
後ろからの映像を見ていると、やはり旧型フェラーリ搭載のザウバーと
ホンダのマクラーレンは、ターンとターンの間の短い直線で後部のLEDが
点滅している時間が長いなと思いました。
ここは1周が長くブレーキングは多いので、MGU-Hからの回生が
しっかりしていないことで回生パワー切れを起こすと思いますが、
やはりその部分でホンダは劣っているなと改めて感じます。
16 ボッタス大逆転!
レースはいよいよ大詰め、ボッタスは3位まで浮上し、2位のストロールを
1周1秒以上速いペースで追い上げていきます。
ストロールが焦って自滅しないか心配でしたが、彼も安定してペースで
やれるだけのことをやっていよいよ最終周。
なんとかここまではストロールがボッタスにDRSを使わせずに来ました。
しかし、コーナー要素が多い間にその差がギリギリで1秒以内になり、
最後の最後でボッタスがDRSを獲得。
川井「あ、行けそうですね、ストロール。大丈夫そうですねえ。
。。。。。。。やられるっ!!!」
川井ちゃんの見立ては大外れ、ボッタスが最後の最後で抜いて、0.105秒差で
2位獲得、ストロールは最後の最後にやられてしまいましたが3位で、
新人選手による表彰台としては最年少記録を樹立しました。
タラレバを言えば、最終周のセクター1と2であと0.15秒ほど稼いでいれば
逃げ切れたわけですが、逃げる際中の44周目に自己ベストを出すなど善戦し、
大きなミスをしたわけではなく単にメルセデスが速かったので、
誇ってよい3位でしょう。
ベッテルが4位で、ハミルトンは0.2秒ほど及ばず。ヘッドレストさえ
浮いていなければ選手権リーダーになれたと思うと残念です。
ベッテルとは話すことは何もないそうです。
いよいよF1の争いっぽくなってきました。次はハミルトンが
何かの折にミサイル攻撃ですね。
まあ驚くほど色々起きたレースでしたが、とりあえず全員無事で何よりです。
今回はSCのタイミングだったり、リスタートだったり、ペナルティーだったり、
レースの進行に関して課題が多かったと思います。
規則があって、その下で動いているのは分かるんですが、
明らかに他所とは事情が異なっていて、それが危険を伴う部分だというのは
最初から分かっているわけですから、このレース専用の
SCの基準、マーシャルへの指示、リスタートゾーン等、定めておけば
こんなグダグダにはならなかったと思います。
SC退出→ちょっと速いペースでのVSCへ移行→VSC解除でリスタート、
というリスタート方法についても、議論をしておいて良いのではないでしょうか。
どうしてもこういうコースでは、ウルトラソフトが使えないために
タイヤが固すぎて熱が入らない問題はついて回ります。
そうした環境のレースへの対応というのも、きちんと考慮すべきだと思いました。