まだ6月の終わりではありますが、NASCARでは既に
来季のドライバーの動向について噂が飛び交い始めているようです。

 ESPNの記事によると、チーム ペンスキーのブラッド ケゼロウスキーは
まだ2018年以降の契約をチームと結んでいません。
 ペンスキー側はケゼロウスキー残留に向けて交渉を行い、
クルー チーフのポール ウォルフとは既に来季の契約を行って
外堀から埋めているようですが、どうやら、デイル アーンハート ジュニアの
後釜としてヘンドリック モータースポーツに行く可能性があるのではないかと
言われているようです。ケゼロウスキーはXfinity Seriesで
ジュニアがオーナーを務めるJRモータースポーツのドライバーとして
経験を積んでおり、カップ戦のデビューもヘンドリックのNo.25でした。

 そのジュニアの後任、アレックス ボウマンとウィリアム バイロンの
名前が自陣営からの候補として取り上げられています。
 ヘンドリックに関しては、結果の出ないケイシー ケインについて、
2018年末までの契約を1年早く、契約を買い取る形で終了させることを
検討しているとの話も出ているようです。
ケインはファーマーズ インシュランスとグレート クリップスの2つの
主要スポンサーを相次いで今季一杯で失うことが発表されています。
 そうなった場合、ヘンドリックはボウマンとバイロンの双方がカップ戦に
参戦する可能性もありそうです。

 一方、ジョー ギブス レーシングのマット ケンゼスもまだ2018年が未契約。
本人は残留を望んでいるものの、チーム側がまだ渋っている模様。
ケンゼスにもまた、ジュニアの後釜としてヘンドリック行きの候補であるという
話があるようですが、そのためにはスポンサーが必要と見られます。

 JGRが仮にケンゼスを見切った場合には、エリック ジョーンズが
ファニチャー ロウ レーシングから『引き戻される』可能性があります。
 ただ、ジョーンズは現在FRRの体制で新人ながら結果を出していることと、
スポンサーの5-hour ENERGYが移籍できないことがネックです。
 モンスター エナジーが冠スポンサーでいる間は、同業の企業は
既存の契約を継続するだけで、新規のスポンサー契約を結ぶことができません。
モンスターとNASCARの契約は2年分しか結ばれていないとこの記事に書いてあって
初耳で驚きましたが、少なくとも2018年いっぱいまで5-hour ENERGYは
FRRのNo.77にくっついていることしかできません。
 逆から言えば、ジョーンズが移籍しても、名前のあるドライバーなら
77のスポンサーは継続できる可能性が高いので、例えばケンゼス、ケイン、
といった選手が契約をもらえなかった場合の受け皿となる可能性もあります。

 そのモンスターをスポンサーに持つカート ブッシュも来季の契約がまだ。
デイトナ500で勝ったとはいえその後はトップ5がわずか1度で
結果を残しているとは言えない状況。
FRRに戻る可能性も排除できないとのこと。

 スチュワート-ハース レーシングはクリント ボイヤーとダニカ パトリックが
フルのスポンサーを有しておらず、オーナーのジーン ハースがかなりの額を
持ち出す形になっているようです。
ダニカにもまた、2018年までの契約を1年早く終わらせる噂があります。

 ポール メナードは自身の家族の会社であるメナーズをスポンサーに
リチャード チルドレス レーシングで走り続けていますが、
ライアン ブレイニーがペンスキーへと移った場合に、代わって
ウッド ブラザーズに移籍する可能性がある模様。
 メナーズはインディアナポリス500でペンスキーの車のスポンサーを
していてペンスキーとメナードに繋がりができているのがその噂の根拠だとか。
 RCRとすれば、シートを空けるとチルドレスのもう1人の孫であるタイ ディロンに
シートを確保でき、WBRはブレイニーが去った後に即有力な生きの良い
若手をあてがえるとは限らないので、メナードの移籍は意外と可能性がある気がします。

 また、仮にこうした流れで、4台体制のSHRやHMSが4台から縮小する、
ということになると、空いたチャーターは使わないとNASCARに没収されるので、
売るなり貸すなりすることになります。
フィールド上にはJTGドーティーのNo.37やWBRのNo.21など、
現在はチャーターを借りているチームがいて、規則ではチームは5年間で
1度しかチャーターを貸してはいけないことになっているので
(車を走らせもせずにレンタル料で稼ぐのを防止するためと思われる)
彼らは来年新たな『貸主』を探す必要があります。とはいえ、貸し手は
かなり減っている状況なので、そうしたチームは、買えるチャーターがあるなら
買収に乗り出す可能性が出てきます。

 また、カール エドワーズがスポンサーの関係でソノマを訪れているとのこと。
彼の引退に関してもいろいろな憶測がありましたが、この話の中に
エドワーズが入ってくるとまた大きく構図が変わります。
果たして来季のシート争いの行方は・・・