FIA Formula e Berlin ePrix
2.277km×44Laps=100.188km
winner:Felix Rosenqvist(Mahindra Racing Foemula E Team/
                         Mahindra M3ELECTRO)

 FE第7戦ベルリン。この週末は土日の連戦、開催地は1年目のシーズンに
使用されていたテンペルホーフ空港跡地の特設コースが使用されます。
 2年前はものすごくタイトな最終区間が記憶にありますが、特設なので
だいぶレイアウトが変わってすっきりした印象に。
でもなんか見たことあんな~と思ったら、ああ、昔タミヤRCカーグランプリで
見ていたラジコンのコースを実物大にしたみたいなんだ、と気づきますw
 そしてもう一つのポイントは、FE史上初めて、レース距離が100kmに
到達したことです。

 また、インディーカーの方でセバスチャン ボーデ―が負傷、
その代役としてエステバン グティエレスがデイル コイン レーシングから
出走するためにテチーターのシートが空き、そこにベンチュリーから
ステファン サラザンが移籍。ベンチュリーには前戦でマロ エンゲルの代走として
スポット参戦だったトム ディルマンが、思いがけず引き続きドライブすることに。
サラザンはベンチュリーのイメージが強いので慣れるのに時間がかかりそうです。

 オートスポーツ誌のジャーナリストの裏話によると、F1でも今年は移籍が多くて、
開幕戦でボッタスに話を聞きたくてウィリアムズのガレージで数人が
待ちぼうけていて、「あ、ここじゃない(*_*)」ってなったり、
タイムを見ながら「あー、またヒュルケンベルグはチームメイトのペレスに
負けてるな~」と勘違いしたり、意外と現場の人も慣れるのが大変だそうですw


 雑談は置いといて、(いや、ここは雑談しかしてないけど)マネージメントが
とっても大事な土曜のレース、なんとマヒンドラ レーシングの
フェリックス ローゼンクビストが優勝。ローゼンクビストはもちろん初優勝で、
マヒンドラにとっても初優勝、FIAの主要なレースでインド国歌が流れるのって
初めてじゃないでしょうか。


 予選では、ルーカス ディ グラッシが0.001秒差でホゼ マリア ロペスを下してPP。
ローゼンクビストは予選ではダントツのトップでしたが、スーパー ポールでは
わずかなミスで0.083秒及ばず3位でした。
 セバスチャン ブエミはなんと大失敗の14位です。

 スタートではロペスが大失敗。ディグラッシは労せずして順位を守り、
ローゼンクビストが2位に、チームメイトのニック ハイドフェルドも3位に浮上。
 大きなアクシデントもなく、2位に2秒程度の差を築いたディグラッシが
あっさり逃げるパターンかなと思いきや、スティント後半になるにつれ、
ローゼンクビストがじわじわと差を詰め、しかもバッテリー残量は
わずかながらも優位な状態を保っています。
 レース後の話では、ディグラッシはバッテリーの熱の問題を抱えていて、
リフトを早くしたり回生を控えないといけない状態に見舞われていたそう。
ペース自体はローゼンクビストを除けば速いもので、極端に性能が落ちたわけでは
なかったわけですが、好調のローゼンクビストは車を乗り換える直前の
22周目のターン1、というかその手前のストレート上でディグラッシを抜きます。
 ディグラッシは回生できない分バッテリー残量もやや厳しく、
画面表示の通りなら、ローゼンクビストよりも3秒近く早いタイミングで
リフトに入っていました。
 FEの追い抜きというのは、ブレーキング競争よりも、その手前での
リフト&コーストを開始する位置が影響することが多いです。
今回あまりにタイミングが違ったのでトラブルに見えるくらいの差でした。

 車を乗り換えてディグラッシの熱害が解消、再びもうプッシュ、となることを
アプト シェフラー アウディー陣営は願ったでしょうが、後半も
前が開けたローゼンクビストは快調そのもの。
 むしろレース終盤は「1台目の車では少し苦しんだが2台目はそれよりも
調子が良くルーカスを捕まえようと激しく攻めた」というハイドフェルドが
差を詰めるぐらい。
 追いつきはしませんでしたが、ローゼンクビストとハイドフェルドで
1-3フィニッシュ。見事な結果を残しました。

 ローゼンクビストは開幕2戦目のマラケシュでいきなりPPを獲るなど
速さは評判通りながら、FE特有のマネージメント要素には発展途上でしたが、
このレースは完璧。
 予選でこそ少し失敗したものの、レースを見ていると、指示されたペースで
走っていたらディグラッシが離れないから、これなら追いつけるんじゃないか、
と非常に冷静に確実に仕事をこなし続けた印象。
逆にディグラッシが逃げれなくてトラブルも抱えてバタバタしてしまい、
タイヤをやたらロックさせたりして落ち着きが無かったです。
 果たしてどういうスタッフさんがどういう仕事を重ねたのかが分かりませんが、
マヒンドラはここ2戦ハイドフェルドが連続で3位という中でベルリンを
迎えており、マネージメント力が確実に向上していて、そこにFEに慣れてきた
ローゼンクビストの速さががっちり噛み合った勝利でした。
 マヒンドラはこのレースを含む3戦だけで見れば、全チーム中
最も多くのポイントを獲得しています。

 しかし一番笑わされたのは、実況アナウンサーの田畑 祐一が表彰式で、
マヒンドラの代表・ディルバク ギルが、ミシュランのマスコット・ビバンダムと
抱擁した瞬間に
「うわ、ギルさんとビバンダムそっくり!」と言った事でした。
わざわざ話を中断してまでね。

Youtubeのハイライトから並んでる場面をちょろっと拝借いたしまして・・・
イメージ 1
 リアル ビバンダム現る!w
 確か中野 信治か誰かもギルさんを見て「かわいい」って言って気に入ってた
記憶がありますが、まあすごく見ていて楽しい気分になるおじさんですよね。
 田畑アナ、この後もしれっと「兄弟」とか言ってボケてましたw

 

 ディグラッシからすると、ブエミが沈んでいる間に大量得点と行きたかっただけに
誤算だったと言えそうです。ブエミは結局5位まで追い上げたので、
大きな損をせずに済みました。

と書こうと思ったら、FE公式サイトにはBuemi DNFの文字。
理由が分からずさっき貼った動画のコメント欄を見たら、タイヤ内圧規定違反だそうで。
これでディグラッシとの差が22点となりました。

 2強とその他、の状況が続いていたFEに新しい風が吹いたのはファンとしては
素晴らしいこと、日曜日のレースではどうなるでしょうか。
日曜はさらに2周距離が長いレースです。あ、ちょうど今
ビバンダム、違ったギルさんがインタビュー受けてる!
 ちなみにビバンダムという名前の由来は、
Wikipedia
ミシュランの項より
4 ビバンダム(ミシュランマン)について

 こちらの話だと元はお酒と繋がりがあるので、表彰台の真ん中で
ギルさんがシャンパンをグビっとやってるのはまさしくビバンダムと言えそうです。