2017 AUTOBACS SUPER GT Round 3 SUPER GT in KYUSHU 300km
オートポリス 4.674km×65Laps=303.81km(GT300 leader:61Laps)
GT300 class winner:VivaC 86 MC 松井 孝允/山下 健太
             (TOYOTA 86 MC/VivaC team TSUCHIYA)

 GT300クラスのオートポリス戦。近年のGTは500が割と固定された面々の
レースが多く、300は出入りが激しい傾向でしたが、このレースに関しては
予選順位通りの比較的動きの少ない優勝争いでした。
 言うなれば『86/BRZレース』となり、昨年のチャンピオン車両、
VivaC 86 MCが今季初優勝を挙げました。
 テレビに映る頻度もやや少な目で、細かいところで何が起きているのかまで
見れる感じではありませんでしたが、そうは言っても結果はたったの0.091秒差。
予選よりも小さいタイム差だよ( ゚Д゚)

 予選ではVivaCが2位のSUBARU BRZ R&D SPORTに0.6秒もの大差を付けてPP獲得。
3位には九州を拠点とするマッハ車検 MC86 GTNETが僅差で続きます。
開幕戦でも、今年のマッハ号は注目だと書きましたが、これはいよいよ
何かやるか!?とひそかに期待。4位はARTA BMW M6 GT3です。
 今回の予選ではJAF-GT300とMCは9台中7台が予選Q2入り。
落ちたのはクラッシュした埼玉トヨペットGreenBraveマークX MCと
日本のレースはまだまだ勉強中なARTO 86 MC 101なので、
戦闘力を持つ人たちは全員残ったことになります。
ここはJAF系車両が有利とされるコースですから、ここでダメだとシーズン通じて
苦しくなります。


 決勝のスタートでは4位のARTA M6がマッハ号を抜いて3位に浮上。
やはり低速からのトルクのモリモリ感が違います。
 一方トップ争いはBRZがVivaCを1秒以内の距離で攻めまくります。
スタート直後に前に出ないと苦しいと感じて攻めていたそうです。
 そんな折、多重クラッシュが発生してSC導入。応援している
TOYOTA PRIUS apr GTの31号車が大破し、さらに決勝では期待できそうだった
UPGARAGE BANDOH 86も巻き添え。この2台は開幕から結果が付いてきません。

 リスタート後も86 vs BRZは継続。2秒以上に差が開くことがありません。
M6はここからやや遅れたペースで、トップ争いはこの2台の一騎打ちムードです。
 マッハ号はかなり早いタイミングでピットに入ったので、何か大胆な作戦で
ピット サイクル後に意表をつくかと思いましたが、タイム表示を見ていると
集団に埋まった様子で特に何もおきませんでした。

 ピット前には決着がつかなかったVivaCとBRZ。ピットでは後から入った
BRZがオーバーカットしますが、冷えたタイヤで順位を守り切るには至らず
再びVivaCが前に出ます。
 給油時間ではBRZの方がたぶん長いと思うんですが、レース後の話では
VivaCは燃料系のトラブルが顔を出していて、吸い上げが悪くなるので
本来必要な量よりも余分に給油を行っていたとのこと。
これで双方の作業時間はおそらく似たような数字になり、ピット後の位置関係も
似たようなことになったのでしょう。

 ところがここで伏兵あらわる、ARTA M6が左2輪交換でこの2台よりも前で
復帰することに成功します。図体はデカいですが、タイヤのサイズ自体が大きいので、
M6は意外と固いタイヤを重い車で発熱させて作動させつつ長い距離を走る、
という耐久走法ができるようです。

 コース上では前戦の勝者であるJMS P.MU LMcorsa RC Fがまたもや引っ張り作戦、
優勝争いには関係ないでしょうが、46㎏のハンデをもらいながら作戦の
幅の広さを見せます。

 VivaCの攻勢をしのいでいたARTA M6も、さすがに旋回性能の低下から
生じる隙を完全に封じることは難しく、とうとうVivaCに抜かれます。
GT500でトップ2がぶつかったのと同じパターンの抜き方ですが、
こっちは抵抗して並走する力が無いので危険性ゼロでした。
 その後M6はBRZにも抜かれて3位。今回はターン1で周回遅れのGT300を
抜こうとしたらあちらさんもバトル中でスリー ワイドになってしまい、
周回遅れにコース外へ押し出されました。これはカワイソウです。

 この時点で4.5秒差だったVivaCとBRZの差はこの後じわじわと詰まります。
タイムを見ながら、追いつくかな~、周回数足りないかな~と、
GT500の映像しか来ないので数字を見てやきもき。
 そして最後の最後、画面に映った2台がテール トゥー ノーズでした。
VivaCは明らかに出力が低下していて、全開でも追いつかれる状態だったとか。
300m後ろから抜かれては大変です。
上り区間でちょっとでも失速することがあったら大変な大逆転でしたが、
なんとか逃げ切った結果が0.091秒差でした。


 相変わらずトラブルが起きるマザーシャシーはなかなかの曲者ですが、
マッハ号も8位入賞。ゼッケン5のこのチームのドライバーが入賞するのは
なんと2011年の第4戦SUGOで
マッハGOGOGO車検RD320R 筒井 克彦/黒澤 治樹
が9位に入って以来約6年ぶりの快挙です。車名から分かる通り当時はVEMACでした。
しかも名前は320Rだけど、オリジナルのNSX用ホンダC32Bエンジンではなく
ポルシェの水平対向エンジンM97/77搭載モデルです。


 4位はGAINER TANAX AMGでしたが、残り2周でまさかの脱輪。
フェンスを越えていったのでかなり危なかったです。ていうかカメラさんの
わりとすぐ近くまで飛びました。脱輪は重罪なので罰金10万円です。
昔アロンソは出場停止を食らった気がするがそれと比べたら甘いか?

 おかげでStudie BMW M6が4位に入り、M6が3・4位。
そこにグッドスマイル 初音ミク AMGが続き、JMS RC Fが6位と、
ハンデをもらった組は確実に加点。
結果、ドライバー選手権では
Vivac 86 MC  松井/山下 29
JMS RC F    中山/坪井 28
初音ミク AMG  谷口/片岡 27
LEON AMG    黒澤/蒲生 23

と、まだ3戦を終えただけではありますが、なかなか僅差になっています。
次戦のSUGOもJAF向けコースですが、既に重い人は楽ではないので、
今度こそプリウスやUPGARAGE、そしてマッハ号にも頑張ってもらいたいです。