FIA Formula e Monaco e prix
1.765km×51Laps=90.015km
winner:Sebastien Buemi(Renault e.DAMS Formula e Team/Renault Z.E. 16)

 FE第5戦はモナコ。1年目は開催、2年目は無かったので、あまりに抜けなさ過ぎて
不評だったのかと思ったら、今年はまた復活しました。
多少はターン1のあたりを工夫するのかと思ったらそんなこともなく、
相変わらず絶対事故るに決まってる&抜けそうもないコース形状です。
 そんな抜けないレースはやっぱりPPスタートが有利で、PPを獲った
セバスチャン ブエミが逃げ切って今季4勝目を挙げました。

予選2位はルーカス ディ グラッシ。選手権で1、2位を争うこの二人ですが、
1列目に並ぶのは珍しい気がします。
 なんとターン1からの狭い場所を20台の車は大きな事故なく通過。
ただ、フォーミュラーのレースでは普通あり得ないぐらいあっちこっちで
ガシャ、ガシャ、とぶつかってる音がしますw

 スタートから逃げるブエミ、ディグラッシを引き離して安全圏へ、一方
3位はネルソン ピケ ジュニアで、こちら2モーターのNEXTEVはこの狭いトラックで
決勝を走るには不向き。ジャン エリック ベルニューを鬼ブロックしています。
 外から内から狙ってもどうしようもないベルニュー、それでもなんとか!
と仕掛けてみた21周目、アクシデント発生!

ネルソンも悪気があったわけではないでしょうが、並ばれて焦って加速を始めたら
滑って、カウンターを当てたらもうベルニューがいる空間は無く、
タイヤ同士が絡んでそのまま壁へ。ベルニューはこれでおしまい、
ピケはとりあえず無事な模様(´・ω・`)

 これでSC導入、51周のうちの21~22周終わりというタイミング、
FEの場合残り距離が多いとガクッとペースを落とさないといけないので、
抜けるコースであればまだここでは入らない、という考えも意外と
正解だったりするんですが、さすがに抜けないモナコだということで
全車即座にピットへ。

 そして26周目にリスタートです。1周が短いからモナコの超速撤収作業でも
結局5周してほぼ予定通りの周回で車を乗り換えたことになったようで。
 前半こそ逃げていたブエミですが、乗り換えた2台目ではそこまでのペースは無く、
逆にスティント中盤以降ディグラッシが追い上げ開始。
残りが5周に迫ろうかというところから完全に背後に迫ってきます。
お互いに、電力をギリギリ最後までもたせるペースを気にしつつ、
ミスなく走って、相手に隙を見せない、見た目以上に高度な戦い。

 しかし、ここは絶対抜けないモナコモンテカルロ!なわけで、
ディグラッシもぶつける以外に手段が無さそう。最終周には
あの1992年のモナコGPでのナイジェル マンセルばりに右から左からラインを変えて、
あらゆるコーナーで車を横に並べようとしたものの入る場所は無し。
たった0.320秒差でブエミがレースをものにしました。
 これで5戦4勝のブエミ、選手権ではディグラッシに15点差のトップですが、
ニューヨークで開催される2レースをWECとの重複で欠場する見込みだそうで、
実質的にはディグラッシが選手権リーダーかもしれません。

 3位にはニック ハイドフェルド、目の前で2台が接触して行き場が無かった
気がしましたがうまくすり抜けれたようです。
クラッシュの主であるピケも結局4位。レース後ははっきりとは言わないものの、
ベルニューの動きに無理がありすぎだ、と言いたげなコメントでした。

 まあ何せ抜けない上にSCで作戦も同じになって、それほど語ることも無い
レースになってしまいました。車の性能を向上させて、F1と同じコースで
是非レースできるレベルになってもらいたいです。
 そして、次週は2週連続開催のパリ、もう明日のことだよ( ゚Д゚)