Monster Energy NASCAR Cup Series
Camping World 500
Phoenix International Raceway 1mile×312Laps(75/75/162)=312miles
winner:Ryan Newman(Richard Childress Racing/Grainger Chevrolet SS)
MENCS第4戦フェニックス。前日のXfSではジャスティン オールガイアーが勝利
BRANDTスキームのカマロはカッコいいですね。ぜひ活躍してもう一度カップに
戻ってきてもらいたいです。
それはさておき、カップ戦の方はカイル ブッシュとジョーイ ロガーノの
怨恨がどうなるかが注目でしたが、結果的に変なところでまた遺恨が再燃。
そしてライアン ニューマンが勝利をかっさらっていきました。
1マイルのレースではステージ1・2の距離は完全にピット無しで走り切れる距離のため、
コーションが出ない限りはじっと耐えて走り切ることを考えないといけません。
PPはジョーイ ロガーノ。秋のフェニックスからの連勝を狙うロガーノは
1度のコーションが出たステージ1の大半をリード、ステージ1を制しました。
しかし、ステージ終盤にかけてペースが鈍り、カイル ラーソン、ブラッド ケゼロウスキー、
チェイス エリオットといったあたりに追われており、ややロングに不安を見せました。
ステージ2開始直後、ロガーノ、ラーソン、エリオットがスリー ワイドに。
これでエリオットがリーダーに。ロガーノは前輪がオーバーヒート気味なようで
次第に順位を落としていきました。逆に時間と共に追い上げて来ていたのは
カイルで、ステージ30周目にロガーノと4位争いに。
さあ、何かやるか!?と思ったら、ロガーノはそれどころではないらしく、
インからあっさりとカイルが抜いて行きました。
この後コーリー ラジョーイのクラッシュ(本日2度目)によってコーションが出るも、
エリオット優位は揺るがずステージ2を制しました。
シボレー車のステージ優勝は初めてのことです。
ロガーノはこのコーションで速度違反、踏んだり蹴ったりです。
この日のフェニックスはトンでもない晴天。スタート時に既に
気温32℃/路温52℃と高く、中盤にはこれが34℃/59℃に。
日本だと鈴鹿1000kmぐらいの状態で、ロガーノはこれに苦しんでいる様子です。
車内温度も60℃を超えており、ドライバーにとっても大変です。
ステージ3はエリオット、ラーソン、カイルの順でスタートし、
エリオットが快走する後方では190周目にカイルがラーソンを抜いて2位に。
するとその2周後にコーション発生。マット ケンゼスが壁にめり込んでいました。
ダレル ウォルトリップはよくこういう時「yikes!(ヤイクス)」と言います。
スラングで、日本語だと、ぐえー、とか、うへー、とかそういう感じです。
ずっと見ていると口癖が映るので、私も画面の前でたまに「ヤイクス」と
口からこぼれます。
ケンゼスは特にこのランでタイトがひどかったそうで、前輪に負荷をかけすぎて
タイヤが壊れた可能性が高そうです。タイヤを替えてから30周ほどしか
してないんですが、路温も高いのでハンドリングが悪い人にとっては
悪条件が重なります。
そしてこのコーションでJGRマジックが炸裂、カイルが先頭でピットを出ます。
エリオット陣営は珍しくフロントのキャリアーに後輪を渡す手順でした。
作業内容によっては頭越し作戦にしないこともあるようです。
201周目、残り112周でリスタート。距離的にもう1ピットは必要なので、
半分の残り60周前後がピットの目安になりそうです。
ここでFOXがリスタートと同時のCrank it upにする粋な計らいをしてくれますが
4周後にクラッシュが発生して終了となります。
ちなみに、画面左下に出るCrank it up!のロゴはG+が追加しているもので
現地の放送にはなく、FOX側で開始されてからちょっと遅れてロゴが出て、
それから放送席が
「爆音をお楽しみいただきましょう、クランク イット アップです」とか言うので、
日本語放送側だとFOXよりかなり時間が短いです。
さすがにリスタートしたばっかりなのでここでは各車ピットに入らず。
リスタート後もカイルの快走は続きます。
257周目、CM明けにカイルがSNSに投稿した写真なんかを紹介する
イメージ映像を入れている裏でコール ウィットがクラッシュ。
タイミング的にそろそろピットを考え始める時期だったはずなので、
ちょうどよくコーションが出た形です。
残り51周でリスタート。カイルとラーソンのカイル&カイルが1列目ですが、
2列目外側にケビン ハービックの姿が。この週末はハンドリングに苦しみ、
23位スタートだったところからアジャストしまくって気づいたらここまで来ています。
最後になって不気味な存在の登場です。
しかしカイルの出足の良さ、ペースの安定性は抜きんでており、ラーソンも
またそこまでではないものの安定したペースで1~3位は無風状態。
もうこのまま終わりかな、と思った残り6周でコーション発生。
ロガーノがクラッシュしていました。
カイルの妻、ずいぶん派手派手で露出の多いサマンサ ブッシュはいつもながら
分かりやすいリアクションでお怒りの様子。
「もう!あの憎たらしいガキ、またうちの人の邪魔してきた!」ってとこでしょうか。
周回数的にオーバータイムは確実ですが上位陣はピットへ飛び込み右2本交換。
ところがここでカイルにもう1つ思わぬ壁が。素早くタイヤを替えて出ようとした
目の前に車が交錯して時間を失います。自分の兄貴、カート ブッシュでした( ゚Д゚)
これが響いてピットをラーソンが先に出ます。
そしてさらにステイ アウトが3人。ニューマン、リッキー ステンハウス ジュニア、
マーティン トゥルーエックス ジュニアでした。
ステンハウスはこのレース後半に向けて意外と好調、トゥルーエックスは
最初のピットで作業ミス、そこから挽回したら今度はペナルティーで
埋もれていて、速いのに苦しい展開が続いていました。
オーバータイム開始、イン側のステンハウスは蹴り出しが悪く、
インに並んでいる人は開始5秒で「ハイ、消えた」な状態。
カイルもこちらの組になりました、どこまでも運がありません。
ラーソンは外側でニューマンの背後に付け、ましたが、ターン1で
インに下りてステンハウスに後ろを小突かれてしまいます。
これでニューマンに逃げ切る時間を与えてしまいました。
ニューマンはブレーキも早く、旋回も遅いはずなので、真後ろにとどまって
引っかかるよりラインを変えてさっさと抜きたいと思ったんでしょうが、
ちょっと軽率なライン取りでした。
この2人、2014年の秋のレースでちょっと遺恨があり、
1つ順位を上げればチェイス最終戦に進めるニューマンがターン4で
ラーソンを突き飛ばしてチェッカーを受けていました。
覚えている人間としては、やり返すこともあるかと思いましたが、
それにしてもちょっと距離が遠すぎました。
ニューマンは2013年のインディアナポリス以来の通算18勝目で
RCR移籍後は初勝利。未勝利記録に127戦で終止符を打ちました。
なんか作戦でまぐれで勝ったっぽく見えますが、ニューマンはレース ペースでは
比較的安定していて、コース上で最速の時もあったので、
車のバランス自体がうまく行っていたからこその勝利だったと思います。
また、RCRにとっては通算106勝目で、2013年いっぱいでハービックが
離脱して以降の初勝利です。
またニューマンは2010年も春のフェニックスで未勝利を77戦で止めており、
このように70戦以上続く連続未勝利をフェニックスで止めたドライバーは
2009年以降だけで6度目です。カール エドワーズも2度ここで
止めており、いずれもその数字は70ちょうどでした。
ラーソンはステージ1から全部2位でしたが、そのおかげもあって
ドライバー選手権でトップに浮上。
今年はチームメイトのジェイミー マクマーリーも含めて開幕から好調です。
解説で触れられていましたが、SHRがシボレーから離れたのでHMSから得られる
あれやこれやの優先順位が上がった可能性があるようです。
逆に自前でやることが増えたことがSHRの若干の苦戦に繋がっているかもしれません。
ステンハウスも4位フィニッシュ、1マイルでオーバータイムなら
ピットに入らない選択ははそこそこ使えるはずなんですが、
ここ最近の中古タイヤ遅い病のせいで、みんなちょっと安易にピットに
飛び込みすぎた感はあります。
そしてレース後車検で、5位フィニッシュのケゼロウスキーと
6位のハービックについて車検で違反が見つかったとして
ペナルティーが発表されました。
ケゼロウスキーはクルー チーフのポール ウォルフに対して
$65000の罰金と3試合出場停止、およびドライバーとオーナーの各ポイント
35点減算。
ハービックはロドニー チルダースに対する$25000の罰金と1戦出場停止、
ドライバー、オーナー各ポイント10点減算となっています。
ケゼロウスキーはFOXの番組に出演した際、
・ウォルフがいないことは大きな損失だが代理のブライアン ウィルソンも優秀なのが救い
・今年はポイント上位にプレイオフでのボーナスがあるから35点は大きい
・アトランタでも全く同じ部品で走って勝っていて、レース前車検も
通っていたのにどうしてこうなったのか分からない、
といった話をしています。