2017 FIA World Rally Championshipの第3戦、
31º Rally Guanajuato México。
開幕から2戦続けてパッとしなかったクリス ミーク
(Citroën Total Abu Dhabi WRT/Citroën C3 WRC)が優勝しました。
高地開催は新規則の車両、高出力化したエンジンにとって難しい一戦となり、
各陣営とも初日はエンジンの熱害に苦戦。
初参戦のトヨタは高地対策のデータも少ないので、スウェーデンのような
奇跡を起こせる体制ではありません。
それでも、走り終えたヤリ マティ ラトバラはやけに饒舌で満足気。
自分なりに収穫があったようです。
というかそれ以前に、ラリーの拠点から大きく離れた、首都のメキシコシティーで
木曜の夜にスーパーSSを行った後、夜中に車を運んで翌日からステージを
行う日程を事故渋滞が阻んで金曜日の午前のSSがキャンセルになる憂き目に遭います。
昔アルゼンチンでも似たことをやったら豪雨で飛行機が飛ばなくて
えらい目に遭ったので、もうちょっと競技者の視点を考えないといけません。
ラリーをリードしていたミーク、追いかけるセバスチャン オジェーに対し
30秒以上のリードで最終SSを迎えましたが、最後の最後にドラマが。
うっかり飛び出したミーク。飛び出した先は駐車場。
で、ダカールを思わせるグルグル迷走の末に時間を失ってコース復帰。
辛うじてリードを守り切りました。
ライブ ステージで生放送されているSSなので、見ていたシトロエンのスタッフの
この世の終わりみたいなリアクションが衝撃的、ミークも勝ったのに
全然喜べない感じでした。
外からの映像で見ると、ミークの飛び出たすぐ先に車が止めてあり、
あれにぶつかっていれば優勝うんぬんよりかなり危険でした。
たまたま崖や岩でなく駐車場で助かった、と言える半面、
アウト側に設けるなら、もっと離れた位置だけに駐車許可を出さないと
非常に危険で、何も起こらなくてよかったです。
これで今年のWRCは開幕からオジェー、ラトバラ、ミークと
3戦続けて違う優勝者。開幕から3戦で優勝者が異なるのは2011年以来
(ミッコ ヒルボネン、セバスチャン ロウブ、セバスチャン オジェー)ですが、
この時はロウブとオジェーはいずれもシトロエン。
今回のように3人がいずれも別のメーカーの車両だったのは、
2000年のトミ マキネン(ミツビシ)、マーカス グロンホルム(プジョー)、
リチャード バーンズ(スバル)以来17年ぶりです。
この年のチャンピオンはグロンホルムでした。
仮に4戦続けで別の勝者なら、1998年のカルロス サインツ、マキネン、
バーンズ、コリン マクレー、ディディエ オリオールの5戦連続以来19年ぶり、
仮に4戦すべて別の車だと、1986年
ヘンリ トイボネン(ランチア デルタ S4)
ユハ カンクネン(プジョー 205 ターボ16 E2)
ヨアキム モウティンホ(ルノー 5 ターボ)
ビョルン ワルデガルド(トヨタ セリカ TCT)
と、調べた範囲では31年ぶりです。てか生まれた年だ( ゚Д゚)
次戦はターマックのフランス。開幕2戦で速かったティエリー ヌービルにも
当然勝つ可能性はあるわけで、31年ぶりの珍事の可能性もありそうです。
なお、上記4人のうち、トイボネンとカンクネンはフィンランド人ですが、
今年は開幕からフランス、フィンランド、イギリス、と国籍もばらけており、
ヌービルはベルギー人。
開幕から異なる4人の勝者が出て、その国籍が全て異なるケースは
1997年のピエロ リアッティ、ケネス エリクソン、マクレー、マキネン
以来20年ぶりです。
(最初に1983年以来と書きましたが、見直したら出てきたので訂正しました)
ヌービルでなくても、チームメイトのヘイデン パッドンかダニエル ソルドでも
やはり国籍は重なりませんし、Mスポーツのオット タナックでも化です。
いやあ、WBC見ながらWRCの歴史をついつい調べてしまった。
全部Wikipediaを見ただけなので向こうが間違えてると私も間違えています。