2016 FIA Formula1 World Championship
Driver's Champion:Nico Rosberg
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(Mercedes AMG Petronas Formula One Team)
Constructors Champion:Mercedes AMG Petronas Formula One Team
一年の最後はやはりF1です。
今年はPU時代3年目、メルセデス一強は相変わらずでしたが、
ニコ ロズベルグがルイス ハミルトンを破り悲願の初チャンピオン、
そして即引退というドラマティックなシーズンでした。
双方のザックリした成績比較をすると
さすがにF1ともなると細かい数字をもっと書いてる人がいるので 詳細はそちらにまかせますw
最終的には5点差の決着、ロズベルグの1度のDNFはスペインGPでの同士討ちに
よるもので、自己を要因とするリタイアは無し。
ハミルトンは他にマレーシアGPでのエンジン故障があり、数字だけを見れば
これがなければハミルトンが大差でチャンピオン、ということになるため、
本人は不満たらたら、アンチ ロズベルグの人もそれを根拠に
「本当ならルイスが勝ってる、ロズベルグはまぐれでチャンピオンになって勝ち逃げ」
といった論調を展開しますが、そもそもこの競技はそれも含めた争いだというのが
大前提ですから、それを否定するのはモータースポーツそのものの否定です。
ただ、ハミルトンに運が無かったのは事実で、予選でのトラブルも複数回
ありました。それでいて予選での勝敗では勝っており、相変わらずの
爆発力だった、負けてもチャンピオンとしての力は十二分に見せつけた、
というのは間違いないでしょう。
ただ残念だったのは、数字上は接戦でも、コース上で激しくやりあうような
場面はほとんど見られなかったこと。各レースで双方の仕上がりに常に差があったり、
片方がスタートで失敗したりで、リザルト上は1・2位でも大きく離れていることが
非常に多かったです。もっとぶつかれ、とは言いませんが、そういうスリリングな
争いをコース上で見たかったですし、それがなかったために、数字よりも
単調なシーズンに見えてしまいました。
お客さんが見るのは数字じゃなくてコースでの争いですからね。
開幕前には、PU3年目、技術が先行する側より追うの方が進歩が速い世の常で、
メルセデスの一強体制に変化が生じるかと思われていましたが、結果は
メルセデス王国堅持。
コンストラクターズの獲得点を見れば明らかで、彼らは765点を獲得。
理論上最大(43点×21戦)の903点に対する比率は84.7%。
昨年の86%、一昨年の85.8%とほとんど変わりありません。
非メルセデスの勝利はレッド ブルの2勝のみでここ3年で最少、PPも1度のみでした。
ただ、コンストラクターズ2位と4位の争いはそれぞれ熾烈でこれはこれで
見ごたえがありました。
![]() フォース インディアがウィリアムズに勝って4位になるなんて、開幕前に
誰が予想したでしょう。
希望的観測でここらまで来てほしいと思った方も多いマクラーレンは
ウィリアムズのおよそ半分の得点で6位に終わりました。
正直シャーシ側の性能でもインディアに負けてるんじゃないかと言う気すらしていて、
単にホンダPUが悪いから、とは言い切れない感じです。
バンバン部品をつぎ込んでピークのダウンフォースは出ていても、
安定してそれを引き出せない、という印象で、
逆にフォース インディアはドライバーが扱いやすい車を目指して少ない予算を
効率よく使った印象でした。
ウィリアムズはPU1年目に直線番長が良かったのに、それを他も速くしようとして
穴にはまった感じです。かつてインディアもそうでした。
フェラーリは昨年セバスチャン ベッテルが3勝して期待が大きかっただけに
未勝利でファンもがっかり。キミ ライコネンの後半戦の思った以上の活躍ぶりに
驚く一方でセバスチャン ベッテルの気力の衰退が気がかりでした。
キャラ的に逆だろ・・・
昨年の結果から期待していた、序盤戦で勝てないのはまあ多少は仕方ない、あれ?
なんか勝て無さそう?てかレッド ブル速くね?うちの車速くなんねえんだけど、
なんか首脳陣もめだしたぞ???と、だんだんと現実に引き戻され、期待が失望へと
変わっていき、そのイライラが無線での数々の冷静さを欠いた暴言へと
繋がっていった、と想像できます。しかもブルー フラッグを求める無線の内容が
毎回あんまり変わらないからネタ的にも面白くないというw
レッド ブルはタグ ホイヤーことルノーPUの進歩でまともに走るようになり、
まさかのグループ内トレードで加入したマックス フェルスタッペンが話題の中心に。
彼の存在がダニエル リカルドをより引き立てる、という好循環で、
レースとして最も盛り上げたのは間違いなく彼らでした。
非難されることも多いフェルスタッペンですが、レース感の鋭さは間違いなく一級品で
来年以降も車さえ良ければ話題の中心になるでしょう。
才能という点ではカルロス サインツも非常に速いです。
現状親玉チームの席が埋まっているので、勝てる体制で戦うにはレッド ブルを
出るか誰か抜けてもらうしかないですが、予選でも決勝でも常に速く、
上位チームで走ってほしい存在です。
個人的にはDTMファンとしてパスカル ウェーレインを常に気にして
観戦していましたから、オーストリアでマノーにポイントをもたらし、
予選で幾度かQ2へ進んだので楽しめました。
ちょっと気が短くて何かあると無線で吠えてると思いますが、その割に
意外とドライビングはいい感じのキレ具合で速い、というDTMでの印象は
F1でも変わらなかったように思います。
と思ったらシーズン途中からもう1人、エステバン オコンもDTMからF1へ行って
マノーでチームメイトに。しかも時にはウェーレインよりも速い。
でも浮気はしませんよw
来年は大きく車体側の規則が変わり、PUのトークン制も廃止になります。
車体の変更は勢力図が塗り替わるチャンスで、うまく規則の隙間を見つけたりすれば
1年間安泰でいられます。そしてレッド ブルはそれが得意です。
ダウンフォースの増加が逆にレースを退屈にする、と私は危惧していますが、
たまたま各陣営の戦闘力が似たようなものになりさえすれば、
少なくともここ数年よりは見た目上面白くなる可能性もあります。
(2年、3年と経過するうちにバトルが無いレースへと変わってしまうが・・・)
そしてなんといっても王者不在ですw
そもそもJGTC好きで現NASCAR派の私は「F1がモータースポーツの最高峰」
とは元々思っていないわけですが、やはりF1が盛り上がるか否かは
他のカテゴリーへも波及するので、ぜひ来年も、面白く、安全に、
競争を繰り広げていただきたいです。
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