2016 FORMULA 1 EMIRATES JAPANESE GRAND PRIX
Suzuka International Racing Course 5.807km×53Laps=307.471km
winner:Nico Rosberg(Mercedes AMG Petronas Formula One Team
                             /F1 W07 Hybrid)

 FEよりもGTよりも後にお送りしますF1日本GP。扱いが格下ですw
週末は天気予報がいまいちで、私自身木曜あたりまで
「決勝雨だな・・・」と思っていたんですが、結果的に雨は車が走らない
時間帯に振りました。

 予選はニコ ロズベルグがPP獲得。
メルセデスは前回のエンジン炎上問題を受けて、最大出力を使わないように
供給先を含め通達を出したという噂。
しかしながら、タイヤ3スペック制でソフトが投入されたことも手伝って
PPタイムは1分30秒台に突入。来年速くなるんだったらV8時代のタイムは
あっさり塗り替えられるのか???


 しかし過去2年はロズベルグがPPでありながら、ルイス ハミルトンが
それをひっくり返して優勝しており、ハミルトンは2位から2度あることを3度
起こしたいところでした。
 予選での驚きはハースが2台ともQ3に進んだことで、新型フロント ウイングが
効果てきめんとの情報。逆に、性能を上げてきていたはずのマクラーレンが
昨年よりひどいんじゃないかというぐらいの低迷。
日本のお客さんをがっかりさせました。


 スタートに向けて各車がグリッドに付いた段階で違和感がありました。
通常スタートでは正面を向くか、争い相手に寄せるように内側に向けるのがセオリー。
しかしハミルトンの車は進行方向の右、コース外を向いています。
まさか止めそこなったのかと思いましたがそうではなく、
ちょうどハミルトンの左タイヤのライン上だけアスファルトにわずかに
水がしみ出しており、これを避けるために迂回経路を選んだようです。
 しかし、ハミルトンの蹴り出しはまたも大失敗、ロズベルグを抜くどころか
8位まで後退してしまい、2位まで戻れれば御の字な展開に。
意識しすぎて策士策におぼれた気がしなくもないです。
 ロズベルグからするともうこれでエンジンが燃えなければ勝ちです。
ハミルトンは心の中でリア充爆発しろと叫んでいたことでしょう。

 スタートの混戦でうっかりセルジオ ペレスが3位まで上がっており、
これを手早く抜いたセバスチャン ベッテルとそれ以降に大きな間隔。
ロズベルグ、マックス フェルスタッペン、ベッテル、これでもう表彰台は
決まりでしょうか?眠くなってきました(当時の状況であって今眠いのではありません)

 眠くなったので落ちます、とは言っていられないハミルトンは1回目の
ピットを終えて実質4位まで挽回。
距離的にベッテルを倒せれば上出来、フェルスタッペンまではさすがに
距離が空きすぎた感じです。
さあ、フェラーリの素晴らしい作戦が見られるでしょうか。
 
 中団の争いでは好調フォース インディアが、1ストップ狙いと思われる
ウィリアムズをバッタバッタとなぎ倒し、ニコ ヒュルケンベルグは無線で
「see you later」と余裕のコメント。
これを見て、昔スポーツランドSUGOでのフォーミュラニッポンで、
本山 哲が作戦の違う服部 尚貴を抜いた時に抜き際に手を振っていたのを
思い出しました。
後日、本山が「(古いタイヤで耐えている服部が)大変そうだなあと思ったから」
と言っていたのを覚えています。

 33周を終えてハミルトンが2度目のピットでH→Hの安全策。
前の周の段階でベッテルとはまだ4秒も差があり、川井ちゃんも
「4秒あるから届かないと思いますけどね~」と言っていましたが、
1分30秒後に驚きの光景。
翌周、ベッテルがH→Sと予想外のつなぎ。そして、ピットを出たらハミルトンが
あっさりと前に出ていました。
 ちょうどハミルトンがピットに入る前にはリプレイが入っていて
細かなタイム差が出ていなかったのが見ている側としては悔やまれますが、
ハミルトンは1周1秒以上ベッテルより速かったので、ピット前にはその差が
3秒以下、そして替えたタイヤで3秒以上速いタイムだったんでしょう。
 ハミルトンはピット後に真後ろにいたタイヤ交換済みのキミ ライコネンを1周で
2秒以上ちぎって戻ってきていて、そのライコネンはベッテルより1秒以上は
速いペースだったので、辻褄は合います。

 ベッテルはレース後、この作戦について
他と違う戦略に活路を見出すつもりで、第2スティントを引っ張ってソフトを
最後に使う策を選んだ、自分も納得した作戦で失敗ではない、
ペースを考えればどのみち3位は厳しかったかも、といったコメントを
していました。
 しかし、ベッテルが2回目のピットに入るころ、既にフェルスタッペンも
ロズベルグもライコネンも2セット目のHを履いて最後まで走る気でいました。
鈴鹿は抜きづらく、ましてや格上のメルセデスにアンダーカットされたら
対処のしようもありません。
逆に、後方乱気流の影響でたとえメルセデスであっても前に留まれば
相手はやりづらく、タイヤも痛めます。ハミルトンが入る前にさっさと
Hに替えていればもっと勝負権があったはずです。
 アンダーカットをうっかり許してしまったために、せめて最初の数周だけでも
戦って希望を、という意味でSを選ぶのなら全くダメというわけではないですが、
最初から「違うことをする」ことに固執した結果、普通にやっていた方が良い、
ということを見落として抜かれてしまったという点で、やはり失敗と言うしか
ないと思います。

 さて、半ば3位を譲ってもらえたハミルトンはフェルスタッペンも猛追。
最後にはバトルを仕掛けますが、またもフェルスタッペンの防御に阻まれました。
ラインを変えた!と怒るハミルトン。
 フェルスタッペンの憎いところは、左右に2度動いているわけではなく、
最初は通常のレコード ラインを走るための動きとしてコースを右から左へと
横断し、そこにブロックのための『1回目』の進路変更をしている点です。
直線全開区間での急な進路変更は極めて危険ですが、こうした動きは
テクニックとアンフェアーの境界線ギリギリの部分と言え、それを周囲の
声を気にせず(無視して?)やり続ける彼は大物です。
ただ、やりすぎは禁物であるということは肝に銘じておくべきです。

 結局優勝ロズベルグ、2位フェルスタッペン、3位ハミルトン。
ロズベルグとハミルトンの点差は33まで広がり残りは4戦。
つまり、ハミルトンの自力優勝の可能性が消滅しました。
フェルスタッペンは表彰台でシャンパンに口を付けていたそうで、
日本では法律違反なんですが、モータースポーツ専門サイトでその点に
触れている場所が全くありません。
指摘すべき点はきちんと書くべきなんですが。。。


 そしてマクラーレンはフェルナンド アロンソが16位、ジェンソン バトン18位。
マレーシアやスパでの速さはまぐれだったの!?
雨が降ったら奇跡が起きるよう100%雨セットの賭けをした、外れちゃった、
てへぺろ(^_-)-☆
ぐらいのことを言ってもらえた方がよっぽどマシで、何が悪かったのやら
レース後も歯切れの悪いコメント。
まあ見ていてトラクションはかかってないしダウンフォースもなさそうだし、
セットがむちゃくちゃに見えました。
 スタートで前に出られたマノーをコース上で抜くことすらままならず、
ザウバーやルノーに負けてしまっては期待していたホンダファンもがっかり。
 でも、せっかく好感触だったのにまた11位だったハース、今回は
ロマン グロージャン、も相当がっかりだったに違いありません。
おっそいわりに1ストップでなぜか何とかポイントだけは取れる
ウィリアムズ、でも完全にFインディアに立場を奪われています。