2016 FORMULA 1 RUSSIAN GRAND PRIX
Sochi Autodrom 5.848km×53Laps=309.745km
winner:Nico Rosberg(Mercedes AMG Petronas Formula One Team/
                                                                                         F1 W07 Hybrid)

 今日も優勝者はコピペでおk。F1ロシアGP。
予選ではまたもルイス ハミルトンにトラブル発生でQ3を走れず10位スタート。
ロズベルグに追い風が吹きます。
 2位のタイムを出したのはセバスチャン ベッテルでしたがギアボックス交換で
5グリッド降格により7位からのスタート。で、並んで8位にいるのはロシアン トルピード
ことダニール クビアト。さらに2位にバルテリ ボッタス、3位キミ ライコネン。
F1あるあるで『なぜか同じ組み合わせで何回もぶつかる』というのがありますが、
いやあまさかそんなね、と土曜日の私は思っていました。
しかし事実は小説より奇なりと申しましてね・・・w

公式ハイライト

 スタートではロズベルグが最高のスタート。ここはブレーキング ポイントまで
非常に距離が長いので下手な先行はむしろスリップを拾われて不利になりますが、
後続に十分な差を付けました。
 危ない組み合わせその1、2位争いはライコネンがボッタスを抜いて前に、
そしてその後方で赤い車がぶつけられているのが見えました。
 さらにカメラが切り替わるとまたしても赤い車がぶつけられて今度は壁に
突き刺さるのが見えました。ベッテルのレースはこれで終了。
 ライブではぶつけた相手まで判別する余裕はありませんでしたが、
リプレイを見れば一目瞭然、2回ともクビアトでした。
ピー音連発でNASCARの無線みたいな状態で怒りまくるベッテル。
改めてスタートの様子を↓
 
 前戦でのベッテルのクビアト批判については咎めた私ですが
(余談ですがオーツスポーツ誌での今宮 雅子のリポートで私とほとんど同じ見解を
示していてちょっと嬉しかったです)
今回は少なくとも1回目の接触は250%クビアトが悪いです。2回目はベッテルが
グリップ不足で急にアクセルを抜いた感じがしないでもないので難しいところですが、
そもそもぶつけていなければこうなっていません。
かくしてF1あるあるは生きていました。

 かくしてSC導入、後方でも数台の接触があり、ニコ ヒュルケンベルグにいたっては
昨年とほぼおなじ場所でリタイア。ロシアは嫌いなようですw

 このSCで得したのはハミルトン。割と近所で事故がありましたが、うまく
回避して5位に浮上していました。
 他にも何台か思いがけず順位を上げた人たちがいて、特にルノーは
9・10位と自力では到底いれなさそうな位置に浮上。これが最後まで効いてきます。

 4周目に早くもリスタートになりますが、せっかく2位に上がっていたライコネンは
明らかに前輪が熱入れ不足でボッタスの逆襲に遭い3位に逆戻り、
方やハミルトンは厄介なフェリペ マッサをすんなり仕留めて4位。
あるある第2弾がないかヒヤヒヤしますが、フィンランド対決は無事故のまま
レースが進みました。ほっ。

 ハミルトンは7周目、ボッタスを狙いすぎて失速したライコネンを見逃さず
一発で抜いて3位まで順位を回復。その間にもロズベルグは離れていきます。
このレースはほぼ1ストップしか作戦が無く、もう勝ったも同然ですね。

 2位争いはアンダーカットを恐れたボッタスが16周を終えて先にピットへ。
ハミルトンはオーバーカットを狙うかと思ったら翌周にすぐピットに入って
戻ったところはボッタスの後ろ。
ただコース上で割と簡単にボッタスを抜いてしまいます。
 ライコネンの方はオーバーカット狙いで、20周を終えてピットへ。
これでボッタスを抜いて3位に。前を追う速さはなく、追われるほど遅くないので
ひたすら一人旅、よく私が陥るやつですw

 諦めるわけに行かないハミルトンはここからじわじわとロズベルグに対して
距離を詰めていきます。ピット後13秒以上あった差が、29周目辺りから
少しずつ詰まり始めます。
 周回遅れにロズベルグが捕まりだしたことも要因でしょうが、それなら
ある程度近づいたあと逆にハミルトンが捕まって離れるはず。
しかしほとんど一方的に距離が詰まっていくので、見ていて
「ひょっとして本当に追いついてる!?」とほんのり期待を抱きます。
 ただコース上はひどいタイヤカスで、車2台分ないぐらいのラインを残して
あとは全部ゴミだらけ。スロー映像では時折、カスに乗って完全に横方向に
車が動いている映像が出てきます。うーん、これは周回遅れすら抜きたくないし、
ライバルを抜きにいったら止まりそうもない・・・

 37周目、とうとう2台の差は7秒にまで縮まってきたので、詰まり具合と
残り周回数から追いつける可能性があるか暗算しよう、と思った瞬間
ハミルトンの無線。水圧に問題あり・・・(~_~)
 車を壊すわけに行かないのでハミルトンがペースをガクッと落とし、
せっかくの楽しみ消失。
おいしそうな料理を頼んだら、しばらく待ってから品切れだと
言われたような、そんな心境。選手権を面白くするためにも頑張って
完走して!と念じる私。

 上位争いがもうネタ切れになる中でずっと争ったのは7位争い。
タナボタでこの位置にいたルノーのケビン マグヌッセンが後続の蓋をしていました。
レース後に「蓋してすいません~」と書いてしまうレベルの遅いペース。
だってQ2に出れない、下手したらマノーに負ける車ですから。
 それが、ハースのロマン グロージャン、フォース インディアのセルジオ ペレスを
ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと抑えています。
ペレスは3台の中で一番タイヤが新しく、しかもこのコースは得意なんですが、
いかんせん集団の3番目はDRSトレインで自分からは何もできません。
 前述したようにライン以外はゴミだらけ、ずっと後ろを走るとブレーキも
加熱して徐々に切れるカードが減っていき、下手に突っ込めばチームにとって
貴重な点を失いかねない・・・
 グロージャンが手詰まりになったため、ペレスは付き合うほかなし。
ペレス自身ブレーキが相当厳しそうで、吐き出したダスト量ナンバー1に見えました。

 結局ハミルトンは走りきり、トラブルはショックだったでしょうが、2位は
スタート位置を思えば望外の結果だったことでしょう。
 こういうことが続くとすぐに
「ドイツチームがとうとう黒人差別をしだした」みたいなことを書く人が
出てくるわけですが、あまりに浅はかです。
 犯人はシリーズを面白くするため、スタッフに小銭を渡してハミルトン車に
細工をさせているバーニーですw
(万一名誉毀損で法的手段に出られては困りますのではっきりと『冗談です』と
書いておきます)
 
 やたらと同じ人の車が壊れるのはモタスポあるある。だいたいこういう年に
克服して勝った人はいないわけですが、NASCARに近いほどレース数のある
長いシーズンなのでまだ諦めるには早いというのはほんとうの話です。
ただ、ロズベルグが窮屈な精神状態から開放されつつあり、それが好結果を
呼んでいるのもまた事実でしょう。

 マクラーレンはフェルナンド アロンソが6位、ジェンソン バトンも10位。
アロンソもまた事故回避組の1人ですが、2台完走すらできなかった昨年よりは
はるかな進歩。ただ、前戦も含め、小型PUで、多少パワーで劣っても
コーナーで活路を見出す思想でありながら、残念ながら車体性能もそこまで
高くない『トップ10の車』でしかないのは変わりません。
 メカニカル グリップはそこそこ高いけどダウンフォースはあまりないのかな、
という昨年からの印象がそのままです。

 一部海外メディアは来年とうとうサイズ ゼロ思想を諦める、と書いています。
そう書けば読んでくれるし、事実であってもなくてもホンダの返答は同じ内容
(=今季の開発に集中している、そういった事実はない)なので
書いたもん勝ちな報道であるということは頭にいれるべき。
 ただ考え方として、残念ながらマクラーレンにレッド ブルを上回る車体開発力が
ないのであれば、
『他社より小型にしてコーナーで勝つ』よりは
『他社と同じサイズでありながら、一歩上回る出力が出る』方が理にかなっていると
感じます。単純な理屈では同じはず。
さらに言えば、かつてV12で力押ししたように
『コーナーでは勝てっこないけど、年に数回の高速コースで誰も太刀打ち出来ない
巨大パワーのPUにする』という方が優勝には近いかもしれません。
 できないことに挑戦することは良いことですし、複雑な機構をより小さく、軽く、
は市販車に通じる技術なので歓迎すべきことです。
ただ、ホンダはそれでよくてもマクラーレンはそうではない。
でも、そもそも小型にしてくれと言ったのもマクラーレン。
 さあ、このあたりの矛盾、どう解決してくれるのか。次戦はスペイン。
いわゆる『第2の開幕』です。