FIA Formula E Faraday Future Long Beach ePrix
2.131km × 41Laps=87.371km
winner:Lucas di Grassi (ABT Schaeffler Audi Sport/ABT Schaeffler FE01)

 FE第6戦ロングビーチ。アメリカでは自動車の環境規制が一段と厳しくなり、
カリフォルニア州ではもうプリウスのような普通のハイブリッド車両は
環境対応車両の対象外に。そしてそうした車の販売台数が足りないメーカーは、
目標を達成したメーカーからいわば『排出権を買う』形でお金を払わないと
いけなくなり、テスラはそれだけで儲けることができ、大手メーカーは
車本体の利幅がなくても売らないといけない、というなかなかにすごいことに
なり始めています。少なくとも大排気量の10km/Lしか走らないハイブリッド車に
大量の補助金が降りる日本より健全な気がしますが。
 まあそれはさておき、前戦で失格を食らったルーカス ディ グラッシが
失ったものを取り返す1戦となりました。
 PPを獲得したのはなんとアントニオ フェリックス ダ コスタでしたが、
タイヤの内圧違反で予選後に記録抹消。前戦でのディ グラッシの最低重量違反といい
これといい、FEもギリギリを攻めた戦いになり始めたことを感じます。
ダ コスタ、決勝でも速さがありガンガン前に出ていましたが、結局トラブルで
リタイアと散々なレースになりました。

 代わってPPはサム バード、2位にディ グラッシ、選手権首位の
セバスチャン ブエミは予選8位(スタートは繰り上がって7位)でスーパー ポールに
すら進めず。SP圏の5位との差はわずか0.053秒でしたが、この位置が彼の
今日の運命を左右することになります。

 スタートは、最初のコーナーが明らかに2台並ぶと事故るシケインなために
皆さん学習したようで無事故無違反。大きな変動なく進みます。
 選手権大量リードのため、勝つ必要は無いとはいえ順位を上げたいブエミ、
前でニック ハイドフェルドがミスしたり、ダニエル アプトが相変わらず
押さえ込み役として機能してくれずにあっさり抜けたので5位まで追い上げますが、
11周目、前を行くロビン フラインスに最終ターンで追突、ていうか乗り上げます。
フラインスが変な動きをしたわけでもなく、明らかにブエミのミスです。
 これでウイングの左半分が無くなったブエミは、意外と普通に走れていましたが
オレンジ ディスクで強制ピット、さらに追突に関するペナルティーも受けて
入賞は不可能に。ファステスト ラップの2点だけを得てこの週末を終えました。

 一方ディ グラッシはちょうどブエミがぶつかった翌周にバードを抜いてトップに。
相手の弱い部分を見極めて手早く仕留めました。
抜かれたバードは2台目に乗り換えた後、攻めすぎたのかタイヤ バリアに刺さって
大きく順位を失い6位に終わっています。
 レース終盤の34周目には昨年の勝者、ネルソン ピケ ジュニアがシケインで
縁石に乗りすぎて壁に向かってダイビング、SCが入り、残り3周からの
短距離走になります。しかしディ グラッシの盤石なレースが揺らぐことはなく
そのままチェッカー。これで選手権でブエミを逆転して1点差の首位となりました。

 チーム選手権でも、今回1、3位で40点を取った
アプト シェフラー アウディー スポートに対し、ルノー e.DAMSはたったの2点に
とどまりDAMSのリードはわずか6点に。
 DAMSはニコラ プロストがピットで規定時間を0.1秒だけ下回ってしまうミスで
ペナルティーを受けて自らポイントの機会を逃していました。

 次戦はパリです。