今日はオリックス バファローズの話、をするわけではありません。

 新車が多い今年のSUPER GT GT300クラス。その中で、
テストで好タイムを記録して注目を集めている、らしい、のが
ランボルギーニ ウラカンGT3です。
個人的な意見ですが、後ろから見たデザインがダサい!wまあそれはいいとして、
今年はお馴染みのJLOCの2台だけでなく、team DIRECTIONからも
2台がエントリーし合計4台。

 JLOCはJGTC創世記からランボルギーニの車両でレース活動し続け、
実は彼らの活動が、それまでGTレース活動を行っていなかったランボルギーニ本社に
活動をさせるきっかけになったと言われる、ある種世界一のランボ集団。
2006年の開幕戦でムルシエラゴが勝利した際は
『ムルシエラゴの世界初勝利』と言われました。
 方や今年新たにランボルギーニとなるDIRECTIONも、どうやら
ランボルギーニのワークス活動に繋がる体制な模様で、ドライバーのうちの1人、
エイドリアン ザウグはファクトリー ドライバーとして昨年海外でウラカンGT3を
既に経験しています。
つまり、メーカーの息がかかった車が4台もいるような状態です(゜ε゜)

 昨年までのSUPER GTにおけるガヤルドGT3
(車両名としては前期型がLP600+、後期型がLP600FL2だったと思いますが)は、
2012年から参戦し、優勝は2014年の第4戦SUGOでの1勝のみ。
 割と頻繁に解説で

由良「調子が良さそうなので今日の優勝候補の1台ですよね~」

とか言われながら、予選でなぜか遅い、決勝でペースが上がらない、
速いんだけどもっと速い人がいて付いていけない、といった展開が多かった印象です。
 確かに性能面では、直線・コーナー・タイヤ ライフ・燃費、どれをとっても
平均点でした。あの低い車高はどう見ても足回りのセッティング範囲狭そうですねw
 どうやらコストが比較的安い車だったそうで、恐らくランボルギーニ社としても、
広く多くのユーザーに使用してもらう、というGT3の理念に沿って制作され、
『市販モデルに近い』車だったのではないかと思います。
 海外のGT3レースでも、R8やSLSが各国のでかいレースで、年によっては
ほとんど全部勝利を持って行ったりして名を挙げていたのと比べると、
ガヤルドの名前は聞いた記憶がありません。活躍してたらごめんなさい。

 それに比べると、今度のウラカンはかなり気合が入っていると推察されます。
車両の設計・制作は、ガヤルドはライター エンジニアリングという会社に委託して
いたのですが、ウラカンはランボルギーニ自らが、ダラーラの協力を得て
制作しました。ダラーラといえばフォーミュラーのシャーシでは名門です。
何せインディーカーもスーパーフォーミュラもダラーラ、F3もたいていダラーラです。
 ウラカンの高速コーナーはかなり速いという情報なので、
空力面で手を加えてきた、と考えるのが妥当でしょう。

 GT3車両は、一昨年辺りまでの車両は、従来の『ジェントルマン向け』
というテイストで作られた面が強い、言うなれば『第1世代』でしたが、
昨年から続々現れた新車たちは、ベース車自体からGT3をある程度念頭に置き、
レース車の設計もより高いレベルでのレースを考えたものになった『第2世代』
と言えると思います。ランボルギーニも大きく舵を切り、時流に乗ってきたんだろうと
想像しています。

 ドライバー面でも経験のあるドライバーが名を連ねているので、
車がしっかり機能すれば、直線でプリウスに抜かれて歯ぎしりをしていた
ランボルギーニ好きにとって、今年のGT300は見応えがあるかもしれません。
 なお、市販車で兄弟車のR8ですが、やはりレース車も皮以外はほとんど
同じだそうですw

 余談ですが、長年たくさんのガヤルドを作ってきたライター エンジニアリング。
新車になっていわば仕事を奪われた立場になってしまい、これに
『委託契約切れた、ランボ死ね』と思ったのかどうか走りませんが、
2015年にウラカンがデビューしたのに、彼らは彼らでガヤルドの新車
『ガヤルド エクステンソ R-EX』を発表。
 ウラカンよりこっちのほうが速いんじゃ!!と言いたげにかなり手を加えて
『究極のガヤルド』を作り上げました。
 昨年のタイ戦にスポットで参戦し、フリー走行で異様に速いタイムを記録した
ガヤルドがこれでした。
R-EXもフル参戦で見たかったんですけどねえ。