テストが終わっていよいよ開幕が近づいてくる2016年のF1。
テストではみなさん隠してるものがあり、逆に苦しいチームは
スポンサー獲得へのアピールのため、一発のタイムを出して
「ウチのチームは○○より速いですよ!」というのが欲しかったりするので
これだけでは何も分かりません。分かったのはホンダPUは去年よりちゃんと
動いていることだけですw

 そんな中、開幕前になって急に変更の話になりだしたのが予選方式。2月の末には
概ね決定し、3月4日の世界モータースポーツ評議会で採択されました。

 現行のノックアウト方式を手直しした新予選は『順次ノックアウト』が特徴で、
Q1=22台で16分 Q2=15台で15分 Q3=8台で14分 のセッション。
いずれも残り9分になった段階から90秒毎に最もタイムの遅いドライバーが脱落
するというもの。
 Q3の最後の90秒は2台の一騎打ち、ということになります。

 この制度の導入目的は主に、グリッドに偶発性を持たせる=
PPのドライバーがそのまま勝って終わり、というレースを作りたくない、
ということです。
 リバース グリッドなどの案もあったようですがチームは当然反対なので、
協議の結果落ち着いたのがこれだった模様。
 ミスター思いつき、バーニー エクレストンはこれには不満だそうで、
彼は『前のレースで勝った人がポールなら、タイム加算をして強制グリッド降格させ、
抜くレースを強制させる』という制度を推していたそうです。
そして、せっかくアイデアを持ってきてやってるのに反対ばかりする
チームを批判しています。アホですかw

 それは置いといて、新制度で起こることについて推察すると、狙いである
うっかりノックアウトが増えることは考えられます。
特に混雑するモナコなんかは、今までのようにトップの連中が、Q1は
硬いタイヤで連続周回走行で、クリア ラップが取れるまでアタックと
間隔取りを繰り返すやり方をしているとやらかす可能性があります。
また、路面が濡れてはいるがじきに乾くから最初は出ない、というやり方も
得策でなくなります。
 全般的に、セッション開始直後に誰も出てこない、ということも無くなるでしょう。

 ただ、見ていてわかりづらくなる可能性は高くなります。
伝える側の技術も重要です。
また、Q3の終わりになってくると台数が減るのでとても寂しい絵面に
なってくることも考えられます。
あと、これは実際の実力差次第ということになってきますが、
Q3の1回目のランと並び方によっては、さっさと落ちると困るので
2回目のランが順位の低いドライバーから玉突き式に起こってしまい、
いざ『一騎打ち』になっても、もうタイヤを使った後でピットに帰ってしまうんじゃ
ないのかという気がします。
セッションの最後が役立たずにならないか心配です。

 個人的には、やってみたら案外おもしろい可能性もありますから、現時点で
この案への賛否をはっきりということはできないんですが、
あまりに急な変更であったことに問題を感じました。
開幕前の2月になっていきなり出てきたような話で、しかも当初は
開幕からと言っていて、それが、システムが間に合わんから途中からだな、と
話が変わり、最終的に開幕から行ける、と二転三転。相変わらずの体制です。
 最低限オフの間に決めておいて、テストを利用して運用試験して、
さらにそれを動画で公開してファンの反応も見るぐらいの対応は最低でも
必要だったんじゃないかと思います。

 ただ、制度で予選順位に介入してやろうという発想そのものが
根本的にどうなんでしょう。