2016年のAUTOBACS SUPER GTエントリー リストが発表されました。

 GT500は各メーカーが既にそれぞれ発表の場を設けているので
特に新しく何か、ということはなく、トヨタの発表会で車名が未発表だった
トムスの36号車はここでもまだ発表されず。
 2016年の注目はやはり非ハイブリッドとなったホンダの力量でしょう。
オートスポーツ誌によると、そもそもNSX CONCEPT-GTの性能調整は
ハイブリッドのアシスト21kw=重量29kg、MRレイアウト=28kg、という設定に
なっていたはずで、その通りだとNSXの最低重量は1049kgになるはず、
だけどGTAがまだ検討中、というような内容。まずはここが最初のポイントになりそう。
 また、今季は空力、足回りの開発が凍結ということで、元々ハイブリッドありき、
重たい車ありき、で設計されたこの車は、非搭載でもそれをそのまま使用せざるを
得ない状況。冷却面で不安を抱え、かなりそこに力点を置いた空力だったであろうと
考えると、今季に対しては無駄な形状となっている可能性がある、と
いう話が見られるので、これを限られた駒の中でどう合わせてくるかが
ホンダにとっての開発のポイントと思われます。
 エンジン単体で考えれば、ハイブリッドであるがゆえにスーパーフォーミュラと
だいぶ仕様違いだった、らしいものがある程度情報共有できるはずなので、
それを活かしたいところです。
 事情は違いますが、トヨタも今季からSFとSGTの開発をTRDに一本化しています。

 過去2年日産優勢のGT500ですが、基本的に年を追うごとに先行者は
伸びシロがなくなって、真似て追いついていける後発との差が縮まる傾向にありますが、
彼らが空力的にアドバンテージを持っていたとするならば、
その部分をライバルは大幅に詰めることができません。
凍結が接戦を演出するか、大きな壁となるかも興味深いところです。


 GT300は新車が多く、新しいもの好きには楽しみなシーズン。
昨年はGT-Rだけが速すぎてちょっと優勝争いがつまらなかった・・・という人も、
今年は、どの車が速いのか、どういう特性があるのか、というところを見るだけで
楽しむことができそうです。
 今年現れる新車は、
ランボルギーニ ウラカン GT3
メルセデス ベンツ AMG GT3
  (ベース車は『AMG GT』という名称ですが、
   GT3車両は『AMG GT GT3』ではなく『AMG GT3』と呼ぶそうです)
フェラーリ 488 GT3
ポルシェ 911 GT3R
BMW M6 GT3
アウディー R8 LMS
トヨタ プリウス GT

 旧車ではSLSとZ4は頑張ったものの、ほかはなんだかガッカリ感があり、
空気になっていた時もあったので、新車では優勝争いに絡んで欲しいです。

 面白いところでは、ARTAがCR-Zの引退によってM6に変更したものの、
タイヤは引き続きブリヂストン装備。
これまでBSはGT300ではCR-ZとプリウスのJAF GT車にしか供給していなかったので、
初のGT3+BSになります(記憶が間違いでなければ)
 CR-Zの使用とGT500の活動からがっつりホンダのイメージのARTA。
ホンダはNSXのGT3を作るんじゃないか、という話もあったりなかったり、
ていうかそろそろさすがに商品出せよ、な感じですが、もしそうだとしたら、
ARTAとしては他メーカーでもとりあえずGT3のノウハウを得ておいて、タイヤも
そっちで慣れておいて、NSX GT3に備えている、なんていう見方はどうでしょう。
出るか知りませんが。
 プリウスの方も初の2台体制で、タイヤが2メーカーに分かれているのでこちらも
面白い存在と言えそうです。
CR-Zの引退でJAF GTはプリウスとBRZの2台だけとなったのはちと寂しいですね。

 その分マザーシャシーに頑張ってほしいところ。エヴォーラの
高橋 一穂は63歳の今季もオーナー兼ドライバーとして名を連ねています。

 GT300がどう考えても新しい車で速くなる一方、GT500は限られた
開発であることを考えると、タイム差は縮まることが予想されます。
そうすると、せっかく速くなって多少ましになった『抜けないGT300』が
また復活するかもしれません。
そうすると、GT300の争いはGT500のドライバーにも他人事ではありません。