日テレG+のデイトナ500放送では、視聴者からのtwitterでの質問の中で
「今回初めてNASCARを見ます」というものがありました。
昨年トヨタ車のドライバーが初めてチャンピオンとなり、
きっと全国で5人ぐらいは日本での新規ファンを開拓できたんじゃないでしょうかw
そんなわけで、NASCAR中継をこれから見る、という方がもし万一偶然
天文学的確率でこのサイトを訪れたならばおすすめしたい中継の見方を紹介します。
NASCARはアメリカのレースなわけで、放送しているのは当然アメリカの放送局。
現在は第16戦までをFOX、17戦から最終戦まではNBCが放送しています。
海外に配信されているのは、恐らくですがNASCAR側がそれらの映像を使用しながら、
リプレイの際などのアイキャッチ部分を『NASCAR on FOX』などの放送局仕様のものから
『NASCAR Sprint Cup Series』というものに変更、
画面上部に出てくる企業スポンサー名はNASCARロゴで隠し、
一部スポンサー関係コーナーでは別映像化などを施し再配信したものだと思います。
(たまに位置がずれてスポンサー企業のロゴが半分だけ顔を出してたりする)
両放送局とも独自に趣向を凝らしたものが取り入れられており、テロップの
感じなんかも違い、コメンタリー陣も違ってきます。
と、能書きをたれましたがまあそんあことはあまり関係ありませんw
NASCAR中継は日本とは比較にならないほどピットからの情報が充実しており、
これを聞くことでレースの面白さが5割増しになります(※個人の感想です)
リポーターがどのレースも3~4人配置されており、それぞれが担当を受け持って
新しい情報を持ってきます。クルー チーフから話を聞いていることも多いようなので、
チーム側も『魅せるレース』に協力的であると考えられます。
このあたり、F1はともかくとして、日本のレースでもちょっと秘密主義すぎる
ところがあるので見習うべきかと感じます。
でも日本人の我々に英語は分からん!となってしまいますが、
リポートではいくつかの単語さえ最低限理解できれば、他はチンプンカンプンでも
ある程度内容を把握できると思います。中学~高校レベルでじゅうぶんです。
例えばこんな感じです
Kevin Harvick loose in and loose off.Go to be four tire and air pressure
adjustment.Also wedge adjustment and SUNOKO fuel,Jamie.
(ケビン ハービック、入り口も出口もルース。タイヤ4本交換と内圧調整、
そしてウエッジ調整とスノコの燃料です。ジェイミー。)
Most famous driver Dale Earnhardt.Jr,his crew chief Greg Ives said
car is so tight.he took four tire,chassis adjustment and SUNOKO fuel,matt.
(最も人気のあるドライバー、デール アーンハート ジュニア。
クルー チーフのグレッグ アイブスによると車はすごくタイト。
タイヤ4本交換、チャシー調整とスノコの燃料です。マット。)
Race leader Brad Keselowski,he said I'm OK on this short run.
But the car loose and loose up off on the long run.
They made an air pressure change in the right front.
Going to put four tire on it.Completely full of SUNOKO fuel.
And he will be the first off the pit road.
(レース リーダーのブラッド ケゼロウスキー。このショート ランはOK。
でもロングだとどんどんルースになっていく。右前の内圧調整を行い、
タイヤは4本交換。スノコの燃料を満タンにして、最初にピットを出たようです。)
実際のレースを基にしつつテキトーに作ってみましたが、
こんな感じに伝えてきます。
ネイティブの英語はものすごく速くてなかなか聞き取れませんが、
先程も書いたように、いくつか聞き取ればOKです。
基本的には、ドライバー、ハンドリング、何をするのか、の3つだけおさえておけば
いいのです。
ハンドリングは主に
ルース=日欧で言うオーバー ステア。リアが先に出て行ってしまう
タイト= 〃 アンダー ステア。ステアリングを切っても曲がっていかない
フリー=正直私も正確なところはわかっていませんが、全体的に
接地感がない状態と思われます
ニュートラル=文字通りどれでもない
のどれかで表現され、誇張したいならveryやtooやso much,さらに強調すると
extremelyといった言葉が、逆に少しだけならlittle bitあたりが前に付きます。
例えば最初のリポートでは、ハービック、ルース、4タイヤ、エアー プレッシャー
アジャスト、ウエッジ アジャスト、
ぐらいなら何回か聞いていればすぐに耳に入ります。
他の部分は無視しても、ああ、ルースだから直すんだな、となんとなく
分かります。とりあえずこれでいいわけですw
次のピットでまたハービックの情報が来た時に
『car is better than last run』とでも情報があれば、直ってきたんだなあ、
これから追い上げてくるんかなあと分かりますし、
逆に『car is still tight』とか言ってたら直ってない、『car is extremely loose』
とか言ってたら、ますます悪化してるなあ、今日ダメだなと分かります。
ドライバーのリポートは時々
「クルー チーフの○○によると」といった形で説明されるので、
彼らの名前もセットで頭に入れておくとなお分かりやすくなります。
ケゼロウスキーはロングがダメだと言っているので、この後のレースでは
立ち上がりに逃げた彼がその後落ちてくるかを見るとよいことが分かります。
そして読んでいただくと分かりますが、燃料はスポンサーの名前を入れて、よく
『SUNOKO fuel』と言います。タイヤも同様に
『four GOODYEAR tire』と呼ぶことがあります。
また、最後に「ジェイミー」とか言ってるのは、次にリポートする人への
呼びかけみたいなものです。
じゃあリポートはいつ入るのか、リポートは主に
・コーションでのピット
・アンダー グリーンでのピット
・フィールド カバー
・それ以外
の4つに分けることができます。
コーションは一斉ピットに入ってくるので、概ね3~4人の上位陣の情報を
立て続けに伝えてきます。喋るのも見るのも聞くのも忙しいですが。
グリーンではもう少しタイミングがバラけるので、注目すべき選手が入ってきては
伝えて、を繰り返します。バラける分コーション時には伝えない選手の情報も
入ってきます。
ピットでの情報は一番重要度が高いですし、入るタイミングもはっきり分かります。
この時だけ副音声を入れて情報を仕入れると、それだけで全然面白さが違います。
フィールド カバーと便宜的に名づけましたが、これはFOXだと『up to speed』
NBCだと『through the field』と称されているもので、先頭走者から順番に
15~20位あたりまでのドライバーや、あるいは全チェイスドライバーの現時点での
状況を順番に伝えるもので、レースの中盤あたりに出てくることがあります。
ずっとトップな人、さっきからだんだん落ちてる人、気づいたら追い上げてる人、
それぞれの状況が分かるのでこれを聞き取れると後半のレースを見る際の
参考になります。
そして、その他何か情報があれば随時情報が入ります。また、FOXの
中継だけだったと思いますが、
Nationwide performance updateというのがあり、これは番組スポンサーであり、
かつデール アーンハート ジュニアのスポンサーであるネイションワイドの冠の
言うなればスポンサー コーナーで、ジュニアの最新のリポートが上がってきます。
私がいつも見ているやり方は、まず2重音声で録画。イヤホンをテレビに
挿しておいて、2重音声のまま再生して右耳(英語)側を、リポートが入るときに
なったら耳に入れてそちらの声を重視、それ以外は外しておいて日本語解説重視。
リポートが入る前には必ずスタジオ側から『マイク?』とか呼びかけるので、
それを聞いていればほぼ漏らさず聞くことができます。
ちなみに日テレG+の解説陣では、
桃田 健史…現地リポートをかなり翻訳して拾う。ただしそれ故に
こちらの放送の話の流れをバッサリ切り落とす時もある
天野 雅彦…リポートを時々拾ってくれる
石見 周…たまーに拾ってくれるが、中途半端に聞いて間違ってる時がある
福山 英朗…ほぼ拾わない
となっており、桃田さんの時に私のやり方で視聴しておくと、
自分で聞いた内容と、桃田さんが訳してくれた内容で答え合わせができるので
聞く能力を試すことができます。とはいえ桃田さんもしゃべりながらなので
時々対象となるドライバーを間違えてたりするので注意ですが(・o・)
NASCARは戦略と、レース中の車の調整が大きな特徴のレースであり、
それゆえちょっと単語を拾ってやるだけであっても、知らないよりは
本当にレースを見る楽しみが増えます。
副産物として英語のリスニング能力も強制的に強化されていきますw
ぜひ、NASCAR中継は英語をおともにして見てみてください。