いよいよ日本時間で明日の早朝、2016年のNASCAR スプリント カップ シリーズが
Daytona 500で開幕します。が、日テレG+は今年
前哨戦のSprint Unlimitedの放送が今夜といつもよりも遅く、まだ
アンリミテッドすら見れていない状況。ということで明日以降のお楽しみ。
今日は落ちた落ちたと言われてもやはり多くの日本人の注目コンテンツ、
プロ野球から、以前から言いたかったこの話題を1つ。

 北海道日本ハムファイターズの大谷 翔平。野球をあまり見ない人ですら
聞いたことがあるかもしれないプロ4年目の21歳は、投手と野手の双方で試合に
出場する、いわゆる”二刀流”が最大の特徴です。実況パワフルプロ野球でも
想定外の存在といえますw

 ただそんな大谷については、評論家によっては「片方に専念すべき」という
論調を展開。特に、TBS系列の日曜朝の番組『サンデーモーニング』の
スポーツ コーナーで『喝だ!』と言って色々なことに喝を入れることで
人気の張本 勲は、何度も何度もこの話題を口に出し、今日もまた
「他の野手に失礼」といった発言をしたそうです。

 評論家の声を聞くと
「投手に専念すれば◯◯勝できる」
「あれだけのボールを投げれる選手はいない」
「MLBに行くなら投手一本しかない」
と、投手として推す声が多数。他方で打者としての能力を推す声もあり、
先日覚醒剤取締法違反で逮捕された清原 和博も、評論家として大谷を見た際
「野手で出れば俺の新人記録を超える」といったことを言っていました。
中には理解を示し、
「やれるだけやって、おいおい自ら選べば」という意見もありますが、
やはり投手専念論が目立つのは確かです。
 ちなみに、プロ入り前の段階では野手の完成度のほうが高く、投手は球は速いけど
未知数、という見方も多かったと記憶しています。

 しかし、何勝できるだの、誰の記録を超えるだの、MLBだのというのは
外から勝手に押し付けた期待であって、大谷には関係ないはず。
「他の野手に失礼」といった内容も、大谷が1本のヒットも打っていないのに
試合に出続けているならまだしも、結果を出しているなら関係ないはずです。
実際、昨年あまり成績が振るわかなった彼は出場機会が減りました。
元々9つしかポジションがないわけで、多少結果が出なくても能力を信じて
起用するのは当たり前の話で、大谷だけがえこひいきではなく、育成方針による
えこひいきなんてどこでもやっていることですから、これも当てはまりません。

 彼はプロ入りに際して、チームから提案された二刀流プランに賛同して
MLBではなくファイターズを選び、本人の望みで継続しています。
限られた練習時間の中で自らの能力を上げ、結果を出し続ける努力は相当なもので、
失礼などという言動が失礼にすら感じます。
二刀流→過去に成功例なんかない→無理→一本化しろ、というのは
悪い言い方をすれば『片方しかやる能力がなかった』人の陳腐な発想で
あるとすら言えます。
 これは日本のスポーツ界全体としても感じる部分ではありますが、日本は
あまりに早い段階でやる競技なり、そのなかでの担当なりを決めすぎて、
可能性を狭めているように思えます。
 水泳の萩野 公介を見ていても
「何で早くから1つの競技に絞る必要あるの?やったら全部できるだろ?」
という雰囲気を感じます。
 何度も引き合いに出して恐縮ですが、張本は
「周りの大人が説得してやらないと。まだ子どもだから。やりたい、やりたい、
わがままに聞こえる」と発言したそう。でも、子供のわがままを許容して
うまく活用して育てるのもまた大人の役割ではないでしょうか?
自分の常識と違うことを全否定するのが大人なんでしょうか?

 私は、大谷が全力で取り組んで、自分で何かしらの引き際を悟った時に
自らが一本化を考えればいいだけの話で、それに対してまわりがどうのこうのと
言うべきではないと思います。
 彼は二刀流について、
「投手として結果が出なければそこから1週間引きずることになるが、
僕は野手として数日後にそれを取り返せるからそこはメリット」と
言っていました。
 また、ファンとして見ていると、やはり彼は両方で試合に出て、常に
野球の中にいることが最もリズムに適しており、下手に片方取り上げると
うまくいかないのでは、という印象を持ちます。
 
 ひょっとすると、明日、走塁練習でアキレス腱を断裂し2度と160km/hが
出なくなるかもしれません。しかし、彼が望んでやっていることですから
リスクも承知のはず。仮にそれで現役を引退したって、彼がここ2年で
残した功績が消えるわけでもありません。
 ベテラン会員の方は誇りに思っているんでしょうが、大谷は別に名球会に
入りたいから野球をしているわけではないでしょう。
 ひょっとすると、『失礼を受けている』チームメイトたちも、
もちろん出場機会を奪われれば悔しいでしょうが、反面、恐らく誰も見たこと無い
規格外の仲間がどんな常識破りをしてくれるのか、という点で
面白みを感じている部分もあるんじゃないでしょうか。

 もちろんそれぞれ意見があるのは当然ですが、この件に関してはあまりに
モノの見方が一面的で、理屈ではなく単なる自己主張になっている感じがします。
実際のフォームだとか、癖だとか、そういった指摘ならまだしも、
自分がやりたくて、チームともその方針をしっかりと確認し、
それなりに結果を出している自負もあって、真摯に取り組んでいることにたいして、
OBの人から頭ごなしにダメだダメだと言われたらどう思うか、
もう少し想像力を働かせてほしいと感じます。
それができない人には喝を2つです。