お恥ずかしながら、、、ボボ逃げ切る

2位ヒマに11秒の大差を付けて勝利を挙げたボボがレース後の
記者会見で発したのは意外な言葉だった。
「さすがにこれで勝つのは申し訳ないと思って、ピットに入るつもりだったんだけど、
おもしろくなっちゃって(苦笑)」
彼のR32ツーリングカーは性能面でアドバンテージを有しており、
本当は先頭を走るだけ走って最後は譲るつもりだったという。
R32型スカイラインGT-Rによるレース、板金王選手権。
ボボ優勢という状況の中、PPはRBが奪い去る。ボボは0.045秒及ばず
「カッコ悪い予選」と振り返った。
予選は残る順位も接戦となり、3位ヒマと4位シリウスは0.009秒差、
5位マッキーと6位SCも0.015秒差と、1周60秒の短いコースとはいえ、
驚きべき接戦となった。
39周の決勝。マッキーは指の故障のため1ピットを宣言、一方ボボは
全力で攻め続けた場合燃料が足りないことが確実視されており
逃げを打つか、燃費走行がが注目された。
スタートでイン側のボボが好発進から1コーナーを奪う。
最後尾のSCは圧倒的な加速力だったが、残念ながら後方の車が入り込む場所は
このコースに存在しなかった。
レースは上位4台が接近したまま進行。しかし7周目、4位シリウスが
最終コーナーで飛び出してこの争いからは脱落してしまう。
ボボ、RB、ヒマは引き続き接近戦。ボボはリフト&コーストで燃料を
節約しながら後方との距離をコントロールする。
レースが15周を過ぎる頃から、やはり車両性能の差かRBが徐々に離され始める。
そして18周目、RBは80R~第2ヘアピンでアンダーを出して芝にタイヤを落としてしまい、
ここでヒマが2位に浮上する。RBは見事な動きでロスを最小限に留めた。
しかし既にヒマの視界からボボは遠くなり始めており、トップ争いは
ボボにとって楽な展開となる。
ただ、前述のとおり、実はボボは本来この状態から最後にピットに飛び込む
つもりでいた。しかし彼は燃費走行でギリギリ走りきれるかどうか、という
状況に面白さを見い出し、一転最後まで走る方針へと転換したのだった。
「最後は燃料が危なくて、ペースを落とした」ものの、彼のレース=
スタートで前に出て、後続とのギャップを維持しながら燃料をセーブし、
ライバルのタイムが落ち始めたところで逃げを打ち、そして最後に燃料を合わせる、
はほとんど完璧だった。
一方最後尾に落ちたシリウスはその後SCの車の近くでほとんどの時間を過ごした。
一度は追いついたものの再び最終コーナー出口で飛び出して差が広がり、
そこからまた接近すると、抜けそうで抜けないバトルが延々と続き、
SCをようやく捕まえたのは31周目の1コーナー。
その後は引き離すはずがわずか3周後に1コーナーの出口でミスを犯したことで
再びSCが接近してしまい、またもやサイド バイ サイドのバトルに。
これが1ピットのマッキーには大きなプレゼントとなり、レース残り2周、
マッキーがSCを捕まえ5位に。
「あと2周あればシリウスを抜けた」と悔しそうに話したが、
ピット後は単独走行で終えると思われたレースに目標ができたことで
一定の満足感が得られたようだ。