今年週末2レース制を復活させたDTM。
8つのラウンドを消化し、いよいよ来週のホッケンハイムが
最後の2レースとなります。
 今年はパフォーマンス ウエイトの上限/下限の幅を広げ、
しかもウエイトは「ラウンド毎」に反映するため、各ラウンドの
2戦で同じメーカーの車ばかりが上位を固めるシーンが見られるなど
課題も見られ(DTMのウエイトは基本的にメーカー毎に計算される)、
シュピールベルクではアウディーによる故意接触事件も発生。
 まあそんなことがありながらも概ね盛り上がっての最終戦。

 現在のポイント首位はパスカル ベアライン(gooix Mercedes-AMG C 63 DTM)
2位のエドアルド モルターラ(Castro! EDGE Audi RS 5 DTM)に
37点の差をつけています。
さらにその1点差で3位にマティアス エクストローム(Red Bull Audi RS 5 DTM)

 DTMのポイント制はF1等と同じFIA式で1位=25点でこれは2レース共通。
つまりベアラインはあと2戦で14点取れば自力でチャンピオンを獲得。
モルターラは少なくとも1戦を勝利し、もう1戦でも3位以上でないと
いけませんからかなり厳しい条件と言えます。

 ウエイトではベアラインが全車中最も重い1130kg、モルターラと
エクストロームはいずれも1127.5kgとわずか2.5kgの差。
DTMはシーズン中盤辺りから露骨にメーカー内の最多得点者を前に出す
カテゴリーなので、メーカーがまるごと大失敗していないかぎり、
「どうぞどうぞ」で最低限のポイント獲得は可能です。

 ベアラインは現在20歳。調べたらどうやら最終戦の行われる10月18日は
21歳の誕生日のようで、ひょっとすると21歳の誕生日に
DTM史上最年少王者というプレゼントが手に入るかもしれません。
とはいえホッケンハイムはスタート~ヘアピンまでかなり車が交錯する
レイアウト、かつヘアピンに向けてはミサイルも多いコースなので、
思わぬダメージを被ることも考えられます。
 20歳のような21歳のような若者は、前戦ニュルブルクリンクで
ピット作業で順位を落とすと「シット!!!(くそったれ!!!)」と無線で
激怒し、チームからなだめられてもしばらくピットについて
順位を3つ落としただのなんだのと文句を言い続け、若さが見えました。
そのわりにレースはきっちり仕事したんですが(・o・)。
 「獲ったも同然」な重圧の中、最後まで冷静に戦うことが出来るか注目です。


※オートスポーツ誌、webでは「ウェーレイン」と表記されていますが、
DTMの英語放送や動画での自己紹介で「ヴェアライン」と言っているので、
簡素な表記の「ベアライン」としています。