F1 第13戦 SINGAPORE AIRLINES SINGAPORE GRAND PRIX。
すっかりお馴染み、時間長すぎ(;一_一)な夜間レースです。
 メルセデスがひと足遅い夏休みに入ったようでスタート順は
セバスチャン ベッテル、ダニエル リカルド、キミ ライコネン、ダニール クビアトと
フェラーリとレッド ブルが交錯。
 シンガポール大得意なベッテル vs タイヤ長持ちリカルドの戦いが
どうなるか楽しみなレースでしたが、SCの導入がなんとこの見所を
見事にぶち壊してしまい、ベッテルが今季3勝目を挙げました。

 ベッテルは1周目にいきなり3秒差をつけると、2周目には4.4秒と大逃げモード。
5.5秒程度まで差を広げたところで維持に移りますが、10周目に入ったあたりから
この差が縮小へと反転。やはりベッテルの落ち幅が大きい!
 レースは基本2ストップ、最初の交換時期は17周前後。長持ちリカルドは
当然ちょっと距離が残ることを覚悟で思い切ってアンダー カットに出るはずで、
さあいつ動く!?な期待が高まり始めた13周目。
 ピットを出たフェリペ マッサとニコ ヒュルケンベルグが合流点の
ターン3で接触。VSCが導入され、このタイミングでみんな同時にピットへ。
この時点で3.7秒差まで詰めていたリカルド。あと数周走ればもう少し
詰めれていたはずで、『最大の抜きどころ』を失いました。
さらにVSC前に真っ先に動いていたクビアトは『ひとり負け』みたいな
立場になってしまい、メルセデス勢より後ろの6位に後退。リカルドは
フェラーリ包囲網にさらされます。

 それにしてもヒュルケンベルグ、「こっちはラインを走っていて
マッサより前にいたのにロックさせながら当たってきた。あれは
自分のコーナー」とレース後話していますが、マッサがもう少し手前で減速して
いたとしてもあれだけインに被せたら絶対当たりますし、
車載を見ているとロックした原因の何%かは自分が寄せたためにマッサが
ステアリングを余分に切ったせいにも見えます。少なくともあのライン取りでは
言い訳できません。マッサが引かない人なことぐらい理解しないといつまでたっても
『才能"は"ある』ドライバーのままです。ル マンで勝ったのに、接触しない能力の
重要性を学ばなかったんでしょうか?

 第2スティントもまたベッテルが逃げ、、、ると思ったら今度はエライ
遅いペース。第1スティントでの反省+ライコネンにリカルドを追わせて
あわよくば抜かせてしまう作戦に見えます。遅いために後ろで、しかも
プライムを履いているルイス ハミルトンがほとんど変わらないペースで追走。
これをやり続けたらひょっとしてハミルトンにチャンスあるんじゃないの?と
思わせる展開になってしまいます。
 しかしハミルトンにまさかのトラブル発生。あれこれ試しながら
走りつつの修復を試みますが結局リタイアに。
昨年はニコ ロズベルグにステアリング故障が発生してリタイアの憂き目に
遭いましたが、どうも壊れやすいようです。やはり高圧線の影響ありでしょうか。

 18周目のリスタート以来抑えこみ作戦だったベッテルですが、テレビが
ちょっと他のバトルに気を取られていた27周目辺りにいきなり加速。
チームから「行け」と言われたか、あっという間に3秒以上の差を付け、
今度は4.2秒辺りで維持に転じます。そして今度は周回を重ねても
差が詰まりません。
 次のピットの目安は38周前後、さあ先に動くか、あるいは伸ばすだけ伸ばして
終盤に賭けるか、それとも既に打つ手なしか、、、と思ったらまたSC導入。
まさかの人間のコース内立ち入り。端っこを歩いているだけなので
結果論とすればVSCにして確保してすぐ再開できたんですが、何があるか
分かったもんじゃないので仕方ないところ。
 JRも結構線路内立ち入りで緊急停止→確認による遅延があります。
故意の妨害はもちろんのこと、撮影の際の立ち入りも多くあるようです。
往来危険罪は懲役2年以下の罰則です。最近だと認知症による徘徊も
あるでしょうか。

 まあそれは置いといて、これで結局2度目のピットもSC下での同時に。
レースのポイントはことごとく消えてしまいました。
 41周目のリスタート以降はベッテルは3秒程度の差でコントロール。
最後はやや引き離す形となり、結局盤石の形で勝利を手にしました。
 SCがなければリカルドが前に出れたかは分かりませんが、
その機会すら訪れなかったという点では彼にとっては非常に不運でした。

 今回2度目のSCからの再開時に軽く混乱を招いてくれたのが
このレースがデビュー戦だったアレクサンダー ロッシ。久々の
アメリカ人ドライバーです。本当に直前に決まったらしい彼のレース。
リスタート前には間に挟まった周回遅れはウエーブ アラウンドを受けることが
できますが、彼はなぜかラップ バックしようとしません。
しかも彼のいる位置、2位リカルドと3位ライコネンの間なんです。
ライコネンは「こいつ邪魔ヽ(`Д´)ノ」と思ったに違いありません。
実は無線の故障で指示が伝わらなかったようです。不可抗力ですかね。
 実際ビミョーに邪魔になっており、1台譲るとみんな入ってくるので
すごく危ない様子。で、この後パストール マルドナードとジェンソン バトンによる
接触が起こってバトンはレース後も大変お怒りだったんですが、
この問題も、その手前でロッシに引っかかったことが遠因となっていて、
完全新人ドライバー、お騒がせになってしまいました。
でも結果だけ見ればチームメイトの上の14位だったりします。
 バトンはウイングを交換後猛烈に追いかけたものの車が壊れてリタイア、
そして残念なことにマルドナードは来季の残留が決まりましたw