NASCAR スプリント カップ シリーズ 第22戦 Cheez-it 355。
年に2回しか無いロード コース戦の締めくくりです。
チーズ イットはチーズ味のスナック菓子だったと思います。

 オーバルで勝ち目が薄い人がここで勝つかどうかでチェイスに進出する
顔ぶれに影響が出るので重要な1戦。特に昨年ここで勝利している
A J アルメンディンガーはソノマを落としたのでここで勝つしかありません。
最近パッとしないトニー スチュワートも比較的ロードは得意。彼も
狙っている一人でしょう。

 しかしながら勝ったのは既に勝利を上げてチェイスを確定させている
ジョーイ ロガーノ(Team Penske/Shell Pennzoil フォード フュージョン)でした。
なーんだ残念(~o~)ロガーノは前日のXfSでも勝っており、さほどロードが
得意というわけでもないのにロード戦スウィープを達成しました。

 期待された、というか「ここで勝つ以外ないぞ」な重圧のかかる
アルメンディンガーはタイヤの消耗に苦しんで順位を上げられず、そこに
電気系の故障で、コーション中にエンジンが再始動しない問題が発生して
とどめを刺されてしまいました。
 NASCARでは燃料節約のため、コーション中に
「エンジンを切る→惰性で転がす→失速したら再始動→進む→エンジンを切る」
という、我々が日常でやると危険な、他の競技から考えればあり得ない超原始的な
燃料節約術を使いますが、稀にこういう問題に遭遇します。

 90周の決勝は残りが40周に迫るあたりからコーションが集中。
航続距離は32周程度と見られており、各陣営その時の判断で順にピットに
入っていった結果、給油タイミングが51周組、53周組、58周組の3つに分かれ、
ここから燃費レースになります。

 終盤になると51周組のケビン ハービックを58周組のロガーノと
カイル ブッシュが追う展開に。
ハービックはコーションが出ないと燃料が足りるかも怪しい状況ですが、
後の2人は双方とも先週燃費レースでガス欠った顔ぶれ。
 ロガーノは給油の際、少しでもトラック ポジションを優位にするために
タイヤを換えずに出ておりタイヤも厳しい状況、カイルはポイントを
確実に取りたい立場なので、下手に攻めて連続ガス欠は避けたいところです。

 とうとう最終周にもつれ込んだレースは、ターン1でタイヤが厳しかったか
ロガーノがオーバーラン。これで多少楽になったハービックでしたが、
あとコーナー2つまで来たところでとうとうエンジン音が「バラバラバラ・・・」
失速したハービックを最終ターン手前でロガーノが抜き去り、
大逆転での勝利でした。それにしても燃料は2周以上足りないと言われていたのに
ここまでもたせたハービックにも驚きでした。

 勝てはしなかったカイル、「ちょっとクルー チーフが先週のことで臆病に
なっていたかも」とは言うものの、ポイントを取る仕事をきちんとこなし、
これでポイント30位以内でチェイス進出条件を現時点でクリア。
ジミー ジョンソンと並んで最多タイの4勝を挙げているため、圏外から
いきなりチェイス グリッド2位になりました。
 あとは事故って43位、みたいなレースを乱発しないことです。

 このレース、私が勝手に応援しているジャスティン オールガイアーが
自己最上位の予選12位からスタート。途中バトルの映像に対して
G+解説の石見 周から「相手のラインをきちんと残して走っていてうまいと感じる」
と、普段あまり名前が上がらないドライバーに珍しくコメントが付きました。
しかし残念ながらもらい事故もあって結果は19位。
でも案外ロードでは強そうであることが分かりました。
どっか良いチームのシート手に入らないかなあ。