NASCAR スプリント カップ シリーズ 第21戦 Windows 10 400。
レースの2週間ほど前にWindows 10が冠スポンサーになると発表されました。
急に決めたのか、あるいは宣伝効果のためにわざとギリギリにしたのかは
分かりませんが。
Windows 10はソノマのレースでデール アーンハート ジュニアのスポンサーに
付いており、今回もジュニアのスポンサー。人気No.1ドライバーに付く
元IT界の巨人。Windows 10に気合が入っている証拠でしょうか。
ポコノは6月・8月と間隔が短いので「え?また?」感がありますが、
2.5マイルの巨大三角形オーバルは作戦・燃費レースになりがちで、
先週のインディアナポリスもそうだったので、これまた「え?また?」な
感がありますw
「え?また?」と言えば現在カイル ブッシュが3連勝中。4連勝にも
片手が届いていましたが、レースはチェッカーを受けるまでわからないもの。
勝ったのはチームメイトのマット ケンゼス
(Joe Gibbs Racing/Dollar Generalトヨタ カムリ)。
「え?また?」とは言わせない結末でした。
レースはピットが大事なわけですが、序盤は違う意味でピットが注目されます。
4周目、ケイシー ケインがターン3でスピンしてそのままピット内へ滑り込み、
ピット ウォールに激しく激突。
幸い序盤で構えているクルーはいませんでしたが、スポンサー関係のゲストと
思われるラフな格好の人が壁に近くに数人いました。
ぶつかったケインの車はウォールの上においてあったクルーのヘルメットを
ふっ飛ばし、歩いていた人のすぐ脇をかすめたように見えましたが幸いけが人は
いませんでした。練習走行でもジェブ バートンが同じようにぶつかっており、
入り口の壁を伸ばして入りにくくするなど今後対策が必要になるかもしれません。
次に56周目。ブラッド ケゼロウスキーがピット ボックスで止まれず
クルーをはねてしまいます。
クルーはうまく身をよじって衝撃を緩和し怪我はなさそうでしたが、
タイヤはピットをコロコロコロ・・・。
彼は当然ペナルティーなわけですが、タイヤを誰も取りにいけず。
幸いタイヤは車が通らないちょうど影になる部分で止まったものの
コーションが出ると困るので、本来まだピットの時期でない人もピットに。
しかしタイヤは予想外に放置。なーんだ回収は後か、と思ったら61周目になって
やっとコーション。だったら危ないから転がった瞬間に出せよ・・・
結局この騒ぎでずれていた上位陣の作戦が軒並み同じになって、レースが
非常に見やすくなりましたw
レースは92周目に入ったところでコーション発生。残り79周あまり。
航続距離はだいたい34周前後。レース序盤からコーションが多発していた
ことと今からのコーション周回を鑑みると、ここで給油して残り34周あたりで
もう1回入る「2ストップ」にするのが当然の流れでした。
98周目、ジョーイ ロガーノ、カイル ブッシュのトップ2でリスタート。
カイルは一旦3位に落ちたもののすぐに奪い返し、この2台がレースを引っ張ります。
完全に燃費レースに入りました。
予想に反してコーションが出ない中、まだ39周も残っている122周目、4位の
ジミー ジョンソンがピットへ。これを見た上位陣、ここでコーションが出ると
ジョンソンが得してしまうので、川井ちゃん的表現をすると
「フィールドをカバーする」ためにピットに入ります。
ロガーノ、カイルも123周目にピットへ。これが後々問題になりました。
待てど暮らせど出ないコーション。とうとう残り周回数はひと桁台に入ります。
1~2秒差で競い合うトップ2。燃料が足りるか怪しい中、4位ケンゼス陣営の
ピット情報で、燃料がまだ少し足りず、同じタイミングで入ったカイルも
同じ可能性があると伝えられます。メーカーが違うとはいえ、ロガーノにも言えます。
残り3周、ターン1で妙に車をゆするロガーノ。カス欠でした(゚Д゚)ガーン
これでトップに立ったカイル、続いて2位のマーティン トゥルーエックス ジュニアも
ガス欠。カイルの1周前に給油したチームメイトのカール エドワーズは
もう諦めて再給油にピットへ。完全にロシアン ルーレット化しましたw
そして最終周に入ったカイル、、、がもう失速(+_+)完全に1周足りません。
15秒以上後にいたケンゼスがターン2の先で大逆転。そのままチェッカーを受け、
なんとレース後にドーナツ ターンをする燃料も残っていました。
レース後の結果から映像をさかのぼって確認したところ、ガス欠2人と同じ
123周目にピットに入っていたケンゼスとケゼロウスキーが1・2位ですから、
燃費走行すれば十分足りたようです。要は二人はトップを争うあまりちょっと
速すぎたようです。カイルはレース後「ここまで燃料が足りないとは思わなかった」
と話していましたし、ロガーノは切れるのが早過ぎるので、基本的な計算が
合っていなかったのでしょう。
3~5位に入ったのは126~127周に入った人たち。
普通にやったら逆転の目がないのでギリギリ引っ張ってこういう展開を待った面々、
ということになりますが、言い換えれば足りなかった数人は先に動いた
ジョンソンに振り回されすぎた感もあります。
そのジョンソンはといえば、映像がないので分かりませんが、たぶん
さっさと諦めて再給油したようで、一旦上位から名前が消えていたのに
結局は6位で帰ってきています。
レース中の情報では、クルー チーフのチャド カナウスがジョンソンに
「作戦どうすんだい?」と聞いたら「アグレッシブに行こうぜ」と
答えていたそうなので、まさにその通りギャンブル的に先に動いたわけです。
特にポイントが欲しいカイルは、安易にそこに釣られたのは失敗だったような
気もしますが、彼のクルー チーフ、アダム スティーブンスもまた数レース前に
ポイント狙いで堅実に行くのか、という問いに
「とにかく積極的に」と話し、結果3連勝して乗り込んできたので、
責められないかな、という感じです。1位ならポイント30位以内に
入っていよいよチェイス当確が近づくはずでしたが、21位で終えたため
まだ30位に13点足りません。チェイスまで残り5戦。
この調子なら比較的簡単、とはいえ、不慮の故障やもらい事故で落とす可能性も
考慮すると、早めに30位以内を確実なものとしておきたいところです。