ハンガリーGPで最終スティントにプライム タイヤを装着し、
それが結局はセバスチャン ベッテルを抜けない&ダニエル リカルドと
接触する大きな要因となったニコ ロズベルグ。
 メルセデス モータースポーツのボス、トト ウォルフこの出来事について
語りました。要点をまとめると、

『チームは常にいざというときに備えてタイヤをウォーマーに入れて
用意してあるが、VSCが出た残り27~28周の時点では、まだ周回数がオプションで
走り切るには1周足りず、プライムが用意されていた。
VSCが出た瞬間ロズベルグはピット入り口のかなり近いところにいたので、
すぐにピットに呼び込んだが、装着可能なタイヤはプライムしか無かった。
もし1周VSC下で走っていたら間違いなくオプションを選んだ。
ロズベルグがプライムを履きたがっていたが、それとは全く関係ない』

また最後に
「今だから言えることだが、ヒーターに正しいタイヤを用意していたら勝てただろう」
と語ったそうです。

 このメルセデスの説明についてオートスポーツwebでは、
フォース インディアのエンジニアが妥当性のある内容だと推察していることが
書いてありました。

 とすると問題があったとすれば「1周足りない」という見立てがどうであったか、
という点になりそうです。
その18秒後ろにいたリカルドはオプションを装着。リカルドの能力と
賭けに出れる立場で考えたら彼らはより積極的、メルセデスは下手を
打ちたくないのでより慎重な考え方だったということだったでしょう。
 ただ、第2スティントにチームメイトのルイス ハミルトンはオプションを装着。
19周目を終えて交換し、事故が起きた43周目まで走り続けていました。
24周は既に使えているわけです。しかもVSCが出ていなければまだもう数周
走った可能性もあります。
そして最終スティントはより軽い車ですから、仮にSCではなく、
パンクとか他の理由でピットに入る(=VSCと違いピットを出た瞬間から
全力で残りの周回数を走る)ことになったとしても、そこから27周の距離を
「1周足りない」と考えるのはあまりに固すぎないか?と
素人的には思いました。

 VSCに関してはまだ導入されたばかりなせいもあって、どの程度で使用されるのか、
どういう時はVSCのまま解除を迎え、それはだいたいどのぐらいに期間を
要するのか、またどういう時はSCに切り替わるのか、といった経験則が
チームにも少ないので、現状「VSC→ピット飛び込め」になっているでしょう。
 もちろん結果論ですが、今回の場合ロズベルグはタイヤが準備不足なら
もう1周回ってから替えても恐らく順位は失わずに済んでいると思います。
 VSCにしろSCにしろ、基本的にはタイミングのズレで大きく損得が生じないように
作られている制度でもあるので、各チームは今後、どういう時は無条件ピットで、
どういう時は1周流してからにするのか、というような高度な判断が
必要になってくるのかもしれません。
 さてFIGPニュースで川井ちゃんはどう解説してくれるでしょうか。