さてゲームに話を戻しましょう。
ボボさんは十字キーで舵角操作がほぼ無いので、いかにそれできちんと
曲がれるような車にするか、が鍵だと言います。そうならない車、
だらだらと旋回時間の長いコーナーといった類は不得手になります。
ハラキリさんは同じ十字キーでも、パッド補正3という、普通なら操作が
間に合わないようなゆっくり操舵で綺麗に曲がっています。早めに減速し、
ゆっくり操舵で向きを変えて早めに加速する、これがストーキング走法の
源だとマッキーさんは分析します。故に小さなS字は切り返しが間に合わない
ケースもあるそうですが。
R2/L2スロットルによる微妙な調整も絶妙だと私は思います。
マッキーさんは、たぶんいわゆる「日本式」なしっかり止まりますよ、
そうしたらブレーキを離しながら、ここでグリップが最大になりますから
切り込んでいって、なスタイルに近いと思います。
元々スポーツ ハードで部屋主だったというお話なので、タイヤを無理に前後左右に
同時に使わない動きが染み付いていところがあるんじゃないでしょうか。
で私はといえば、一人の時は意図的に低グリップのタイヤばかりだったせいもあり、
基本的には減速と操舵を分けてしまい、加速は親指の微妙な感覚で
多少滑ってもごまかすような走り方をしていると思います。
滑らせると完全に破綻するタイヤなので、とにかく滑る前にそれとは逆の
力を加えてしまって滑らないように収める癖が付いています。
滑らせないので地味ですw
そこに、PP550SSでR35ばかり使ったために染み付いた
「オーバー気味の車を滑った直後にアクセルで止めて無理やり前に進める」と
いう乗り方がさらに癖になって、地味、時々異常にオーバーな車を平気な顔で
コースに留める、というこれはこれでだいぶおかしなスタイルが完成したものと
思われます。
デバイスの違いに起因するところも大きいでしょうが、まあよくこれだけ
違いが出るものです。
よく話題に出るし、私も観察するのはやはりモソさんとRBさんなんですが、
モソさんは、何でもとにかくセットで頭が一瞬で向きを替えるようにしてしまい、
それでいてスピンせずちゃんと立ち上がってしまいます。
ひょっとしたら、進入の直前、切り込む直前に強いブレーキを
ほとんど反射的に一瞬足して、進入の瞬間だけリアの荷重がすっかすっかに
なるような乗り方をしているんじゃないか、という気もするんですが、
まあどうやったらああなるのか謎だらけ。
いうなれば、GT5で一番タイムが出た頃のスペックVのバラスト200kg仕様と
同じ動きに近づけた上で、同じように乗ってしまっているような感じ。
とてもゲーム的といえ、たぶんハンコンでは再現できない挙動だと思うんですが、
頭が入ってくれれば後はいくらでも踏んでいく、なベッテルと、俺を車に
合わせる、なアロンソを足したようななんかすごいやり方だと思っています。
で、RBさんは、動画を作る過程で見る機会が実は多いんですが、
アクセルをオフにした状態での頭の入り方がすごく印象的です。
乗り方としてはすごくプロの実際の乗り方に近いと思っています。
すんごい速くて、タイヤも結構減るのでハミルトン型っぽく思えるんですが、
いわゆるパーシャルの状態ですーーっと入っていって綺麗に立ち上がるのは
ライコネンっぽい乗り方かな、とも思ったりします。
タイヤが減るのは単にペースが速いからで、同じタイムで走ったらむしろ
減らないんじゃないかとも思えます。
かつての鬼のFDとかは明らかに車両限界超えてるんでこの範疇外な気がしますが^^;
以前私のリプレイを見て「せっかく減速からブレーキを離して
旋回モーメントが生まれたのに、その後アクセルをちょこちょこ踏むのが
早すぎて、せっかくのヨーを消していてもったいない」という指摘を
もらったことがあります。たぶんこれも上記スタイルゆえの指摘だと考えています。
ちなみに、私の車は残念ながらあの状態であれ以上アクセルをオフに
していると次の瞬間からインに巻き込みだしてしまう仕様なので、
意図的にヨーを消すためにセナ指を使っているのです。
話を聞いて「あ、そういえばヨーって打ち消すもんじゃねえよな」と
思ったぐらい、私にとってヨーは「打ち消すもの」になっていました。
RBさんのお話に沿う車と運転方法にするには1から学び直さないと相当
難しそうです。
これまたデバイスの差もありますが、同じ物理現象に対して考え方が
180°逆さまなのも、それをこうやってあれこれ探求できるのもGTの面白い
部分だと思う次第です。まあ私がおかしいんですけどw
たまには人の走りを観察してみると、いろいろな発見があって面白いもの。
また「ニュルの変態速すぎて付いていけん」という人も、観戦して
コーナー1つでもやり方を真似るだけですんごい勉強になるので
(結果として『全開で曲がれるかーい!ガチャン』なことにもなるが)
人のテクニックを見て探求することは、あるレベルまで上達するには
結構近道で引き出しも増えて面白いので、試してみるべきだと思います。