NASCAR スプリント カップ シリーズ 第8戦
Food City 500 in Support of Steve Byrnes and Stand Up to Cancer。
本来のイベント名に、FOXのピット リポーターで、癌で闘病中と明らかになった
スティーブ バーンズの支援を込めたタイトルを急遽追加しました。
中継では様々なドライバーがバーンズへの思いを語り、
フォーメーション ラップ中にはピットにいる人達が
「I STAND UP FOR STEVE」のボードを掲げ、車のボンネットにバーンズ親子の
写真を載せるドライバーも(事故ってへしゃげると縁起が悪いので
ボンネットはやめたほうがいい気が・・・)
中継のリポーター1人のためにイベント名まで変えて、レース全体で
支援の姿勢を示すなんて他のレースでは聞いたことがありません。
アメリカではMLBでも名物場内アナウンサーが亡くなるとチームを挙げて
哀悼の意を表したりするので、そういう文化の国なんだなあと改めて実感します。
さてこのコース、ブリストル モーター スピードウェイは1周0.533マイルと
シリーズ2番目の短さながら、最大バンク28°と非常に高いため、予選の平均速度は
200km/hを超え、1周15秒以下というすごいスピード感。
「世界最速のハーフ マイル」と呼ばれ、またその高速で短いコースに43台が
すり鉢状のコースに散らばるためにものすごい音が鳴り響き
「サンダー バレー」という相性も持ちます。
狭いくせに速く、角度が高くて制御を失った車が外へ行ったり内側に
落ちてきたりするので多重事故も起きやすく、非常に荒れるトラックの1つです。
決勝はここを500周。バカみたいにぐるぐる回り続けますw
ところが今回はなんとも奇妙なことが連発。まず雨で1時間順延。
22周目にブラッド ケゼロウスキーがスピンしてそこに僚友の
ジョーイ ロガーノが突っ込んでペンスキーの2台が同士討ち。
この後雨で赤旗中断し、これがなんと4時間の中断になります。
幸いここは照明設備があるので、もうナイト レース突入確定です。
日本ではありえません。
さらにコーション中にはデニー ハムリンが体調不良を訴えて、ドライバーが
エリック ジョーンズに交代。彼は前週にXfinity Seriesで優勝した18歳の
「秘蔵っ子」ですが、カップ戦は1度も出たことがなく、とんでもない
ぶっつけ本番です。ハムリンは首に違和感を感じたそうですが、
彼は2年前に大クラッシュで首を傷めたので後遺症でないか心配です。
NASCARでは怪我からの復帰過程の人などが、最初だけ乗って交代することがあり、
2年前のハムリンもまさしく最初はそうでした。これも他国ではまずありえません。
この後レースは再開されますが、さらにカート ブッシュのクルー チーフ、
トニー ギブソンがこれまた体調不良。いきなりジョン クラウスマイヤーに
交代する珍事まで発生。何なんでしょうか^^;
そして311周目には、今回ももちろんトップを争っていたケビン ハービックが
もらい事故で車を大破。
開幕から全戦で10位以内に入っていたのはロガーノ、ハービック、
マーティン トゥルーエックス ジュニアの3人だけでしたが、今回3人とも車を壊して
全滅しました。
キャリア2年目のカイル ラーソンが初勝利を目指して、コーションが
出ても出てもピットに入らず雨→中断→そのまま終了、による勝利を狙った
賭けに出るも不発。
レース残り8周、上位陣で唯一タイヤを4本替え、ブリストルで通算5勝と
ここが元々得意なブッシュが6位リスタートから4位に上がり、さあ追いかけるぞ!
と思った直後、2位のカール エドワーズがスピンしたところに
まっすぐ追突して大破してここでおしまいです。
このコーション中にまた雨が来てまた赤旗となり、もうさすがにやらんだろうと
思った私は甘かったようで、またレース再開。グリーン ホワイト チェッカーが
宣言された上にコーション ラップもかなり重ねたので完全に500周を超えて
リスタートしたのは509周目。
ここで先頭でリスタートしたマット ケンゼスがジミー ジョンソンの
攻撃をしのぎ、52戦ぶりの勝利を手にしました。
レースが8時間にも及び、お客さんもすっかり忘れていたでしょうが、ケンゼスは
ポール トゥ ウインでした。
なんかどう見てもふらふらして邪魔そうだったのに、私の勝手なイチオシ
ジャスティン オールガイアーはなんと8位。自身初の10位以内です。
これなんかいい流れ来たんじゃない?w
なんともアメリカらしいこと満載だったこのレース。
これだからNASCARファンはやめられないんですよね~。