2014年も残りわずか。私も昨日で仕事納めでした。というわけで
ありきたりですが2014年を振り返ります。まずは大変革のF1を規則面から。
◎パワーユニット
今年はなんといってもエンジン改めパワーユニット大変革。チャンピオン争いの話も
◎パワーユニット
今年はなんといってもエンジン改めパワーユニット大変革。チャンピオン争いの話も
これを抜きには成立しません。
個人的にはV6ターボを好感しています。非常に挑戦的であり、以前読んだ記事では、
個人的にはV6ターボを好感しています。非常に挑戦的であり、以前読んだ記事では、
辞めるつもりだったルノーの日本人エンジニアがこの規則に好奇心を掻き立てられて
とどまったそうですし、ホンダは再参入、アウディの参入も確実視されています。
「環境系の技術はルマンに任せればいい」という声も多く聞きますが、車屋さんなら
「環境系の技術はルマンに任せればいい」という声も多く聞きますが、車屋さんなら
やっぱり「エンジンがすごい」と言われたいでしょうし、そのエンジンを何らかの
プロモーションに使いたいですから、今は「音が小さい」「コストが高い」と言っても、
長い目で見ればこの方向性で正しいと私は思います。
開幕前のテストではまともに周回できず
「回収クレーンのほうがたくさん周回した」と揶揄されましたが、
開幕すると驚くほど完走率が上がったのにも驚きでした。
かつてのF1は誰でも故障で消えるのが面白みでもあったので、そういう
波乱要素を期待した人からするとがっかりだったかもしれませんが、
現代のF1の技術力の高さを思い知らされました。
メルセデスがほぼ無敵だったことが批判に拍車をかけた感がありますが、
そういうことがありながら技術は熟成するものです。
ただ、今は昔と違って開発凍結条約にけっこう縛られています。正直開発凍結しても
変えれる部分に予算が集中投下されるだけでそこまでコストは下がらない気がするので、
新技術時代に入ったなら相応に縛りを減らしてはどうかとも思いました。
◎車体規則
一方でさすがに不評に賛同するのは醜いノーズ。まあ既に慣れた私がいるわけですがw
一方でさすがに不評に賛同するのは醜いノーズ。まあ既に慣れた私がいるわけですがw
実際あれで安全かもよくわからず、来季はまた一部規則変更でとりあえずロータスの
「前ならえ」みたいなやつは消えるそうですが、どこまで解決するのやら。
FRICの禁止もけっこう唐突で明らかにメルセデス落としでしたが、
ほとんど目に見える変化は起きず、FRICがうまく使えていなかったマクラーレンが
なぜか得をしたのが印象的でした。
◎トータルパッケージ
ダウンフォース削減と重量増加でタイムレベルが落ちましたが、最高速自体は
ダウンフォース削減と重量増加でタイムレベルが落ちましたが、最高速自体は
かなり上がったので、ある意味万人に「速さ」が伝わりやすい規則になったとも
言えそうです。
だいたいF1って未だに一般メディアでは「300km/h出るから速い」
みたいなイメージで書かれていて、実際には鬼のダウンフォースがメインで
むしろその抵抗のせいで300km/h出ないコースもありましたからね。
それでもコースによっては昨年にかなり近い水準までタイムが上がっている
ところもありますし、セナプロの時代と比べれば遥かに速いわけです。
下位カテゴリーがえらい速くなったことで「F1が大して速くない」みたいな
いわれ方になってしまいますが、そもそもラップタイム=面白さというわけでも
ありません。じっくり煮詰めていけばいいだけの話でしょう。
◎レースのやり方
エネルギー回生システムが刷新されたために、従来のKERSのように目に見えて
◎レースのやり方
エネルギー回生システムが刷新されたために、従来のKERSのように目に見えて
「ここでブースト!」というのがなくなり、見ている側としては
「裏をかいてここにKERSパワー温存するとはさすがバトン!」みたいな
ことが無くなって少々分かりづらくなりました。
国際映像のテロップもレースを進めるごとに色々用意されましたが、やはり
分かりにくい部分も多く、この辺は制度・見せ方、両面で手を加える余地が
あるように感じました。
燃費が非常に大事になり、仮に燃費に余裕が見込まれる場合には
じゃあ100kg積んでフルパワーがいいのか、あるいは軽くスタートして
タイヤを守るのか、というせめぎあいもありました。
こちらもテロップでは、シーズン当初は「燃料使用量/kg」だったのが、
時々「燃料使用量/litres」とあまり意味の無いリッター表記になったり
(規則は「1レースで100kg」なので、比重を計算して体積を重さに換算しないと
数字が意味を持たない)あるいは「1周あたり燃料使用量/kg」になったり、
統一感がありませんでした。
また、テレメトリーデータによってリアルタイムで数字が変動していましたが、
こっちでそれを元に電卓で計算しているうちに数字が変化してしまって
かえって分かりづらいので「○周終了時点での燃料使用量/kg」と、固定した
数字のほうが計算しやすいと思いました。FOMさん来年はもっと工夫をお願いします。
来期はホンダがパワー ユニット供給を開始。
参入決定時、解説の今宮 純は
「横並びで2014年から、あるいはライバルが実際に戦っているのを見て
情報収集してから開発してじっくり2016年から、の2通りが考えられる中
どちらでもない2015年というのがちょっと気になる」と、出足で勝負するでもなく、
他社の良いとこ取りをするには時間が少ない点を指摘していました。
アウディは恐らくその意図で2016年(と言われている)なのでしょう。
しかしながらホンダの活躍度は日本だけでなくF1全体の盛り上がりに
影響してくると思われるので、ぜひ良い結果を出してもらいたいものです。