予測不能のサバイバル ボボが生き残る!

GT3車両を使って行われたニュルブルクリンク2時間耐久レース。
レースは想定外の事態が発生して大混乱。
そんな中、周到に準備を進めたベテランは冷静にレースを走りきった。
予選ではヤスが前回のアバルト500ワンメイクに続くポールポジションを獲得。
2位には0.7秒差でボボ。BMW Z4を駆る2人のタイムは頭一つ抜けており、
この2台が優勝争いの筆頭と見られた。
決勝、スタートを決めたヤスに対し、ボボはターン1のブレーキが浅く
後続の集団に飲み込まれる。完全に行き場を失った彼は一気に7位まで転落。
いきなり大きなハンデを背負いことになる。
周辺では序盤激しい順位争いからアクシデントが多発。慣れないGT3車両で
各ドライバーともコース幅ギリギリでのわずかな操作感覚がうまく決まらず、
シリウス、ボボ、ジャック、SCと次々と片輪をダートに落としてコースオフを
喫することとなる。
ボボは数度のコースオフをものともせず前方の車両を抜いていき、
レース開始ちょうど30分というところでマッキーを抜いて2位に戻る。
この時点でヤスとは22秒ほどの差があったが、互いにノーミスで
走行しているわけではなく、ここからいかにミスを減らしてタイムを削るかが
ポイントとなる。
ほぼ全車が5周、アウディR8のジャックとシリウスは引っ張って6周で
1度目の給油を行うが、順位に大きな変動は無く、次第にサーキットは闇夜に包まれる。
レース開始1時間、ここでコースに大雨が訪れ、コース環境が激変。
ほどなくスリックタイヤでは走行不能な状態に陥りタイヤ交換が必要となるが、
ここで有り得ない問題が発覚する。
一部のチームで手配していたはずのレインタイヤが消失しており、
替えようにもタイヤが無いという信じられない出来事が起こっていたのだ。
ヤスはピットに入ったもののタイヤは見つからず、仕方なくスリックで
コースインしたもののもはやコースにとどまるだけで精一杯。
2位のボボはレイン タイヤに履き替えこれを抜いてトップに立つ。
結局レイン タイヤを装着できたのはボボ、ジャック、ジョージ、MKTの4人のみ。
SCとハラキリはレーシング タイヤの購入契約にはレインタイヤも含まれていると
チーム側が勘違いしていたようで、元々タイヤが無かった。
SCはたまたまスポーツ ソフト タイヤをガレージにおいており、これを使って走行。
ヤス、ケント、ハラキリはとりあえず天候が回復するまで車を転がして距離を
少しでも稼ぐ方針。
マッキーは危険と判断して天候が回復するまでピット待機、シリウスは
一旦コースに戻ったものの、1周でピットへ戻り、こちらも待機を選んだ。
彼らの期待もむなしく雨は止む気配を見せず、オーダーは
ボボ、ジャック、ジョージ、MKT、SC、とここまでがなんとか走れている面々。
彼らも信じられない展開に、時折無線で走れていないドライバーを
気にかける場面が見られ、車間が互いに空いていることもあり、もはや
レースという雰囲気とはかけ離れてしまった。
レース残り約20分。ピットではシリウスが、誤って車両の消火器の
ボタンを押してしまいあえなくリタイア、笑いを誘う。
残り10分を切るころ、ようやく雨が止み路面が回復。マッキーはコースに戻り、
ヤスは鬱憤を晴らすようにファステストラップをマークした。SCは
疲労困憊といった様子で制限時間を見ながらスロー走行。最終コーナーの先で
ボボが戻ってくるのを待ち構えた。
結局レースは中盤のオーダーのまま、ボボが優勝。
ジャック、ジョージ、MKT、SCの順となった。ただ、この中でジョージは
最終周にガス欠を起こしてしまいコース上にストップ。
幸い彼はボボがコントロールラインを通過した時点でリード ラップの最後尾だったため
順位に影響しなかったが、表彰式にたどり着くのが大きく遅れるハプニングとなった。