SUPER GT第8戦、MOTEGI GT 250km RACE。
GT500クラスはMOTUL AUTECH GT-R(松田 次生/ロニー クインタレッリ)が
スタートからぶっちぎりで圧勝。
ポイントリーダーのPETRONAS TOM'S RC Fは10位に終わり、
MOTULの2人が逆転でドライバーズチャンピオンを獲得しました。
 チームタイトルの方も1ポイント差でNISMOが獲得しダブルタイトルとなりました。
 
 松田はGT初タイトルで、クインタレッリはGT500最多タイの3度目のチャンピオン。
ニスモにとっては2008年、R35型GT-Rがデビューした年以来のドライバーズタイトル。
記録によるとチームチャンピオンは2005年以来ですが、ほとんど
ドライバーチャンピオンの陰に隠れて話題にならないですね。
 
 ニスモはここ数年、つまらない作戦ミスや取りこぼしが多く、
ピット作業の圧倒的な早さから気づけば順位を上げている
「ニスモマジック」も、他チームの作業が早くなったことで最早無くなり、
エースチームだぞ、と威張りながら結果が伴わない裸の王様的な雰囲気が
漂っていたので、正直今日も勝つと見せかけてとりこぼすんじゃないかと
予想していました。ようやくエースチーム復活です。
 
◎1周で終戦・・・
 タイトル争いは結果的に1周で決着が付きました。
ほとんど直線のような右コーナー、ターン6でPETRONAS・ロシターのインに
カルソニックIMPUL GT-R・ジョアオ パオロ デ オリベリラがわずかにノーズを
突っ込みますが、ロシターは普通にターンインしたため接触。
 ハーフスピンして必死にカウンターを当てたロシターの右前がカルソニックの
左ドア付近に当たり、これで今度はパーツを飛び散らせながらオリベイラが
スピンし、逆にロシターは当たった勢いでスピンムーブが打ち消されて
普通にレコードラインに戻る、なんだか珍妙なアクシデント。
オリベイラはターン7のイン側の芝に飛ばされます。
 
 カルソニックは破損・タイムロス・さらにドライブスルーペナルティーで
脱落、一方のPETRONASも右前のカナードを大きく破損して全くペースが上がらず
全く戦えませんでした。
 しかしこの接触、映像は当たる少し前からしかないので事実関係は分かりませんが、
アウト イン アウトで走ろうと外を走る車に対して、立ち上がりで勝っている車が
インを伺うことは間違いではないと思いますし、しかもここはおそらく
アウトキープのラインで併走できるコーナー。
来ないと思ったのでしょうが、オリベイラが逆にインを閉められて縁石まで
追い詰められ、跳ねてロシターに当たったようにも見えました。
 しかも結果タイム上大損したのはオリベイラ側でしたし、ペナルティーの
判断は妥当ではないと私は映像を見る限り思いました。
 
◎振り返ればトムス
 ポイント3位のKeePer TOM'S RC Fは予選でスピンして13位スタート。
最初から圏外かと思われましたが、破損したチームメイトが4位以下の
集団の蓋をしたこともありどんどん順位を上げていきます。
 せっかくPETRONASを抜いて集団を脱出したKEIHIN NSX CONCEPT-GTは
直後にトラブルでスローダウン。その間にも順位を上げてきたKeePerは13周目に
PETRONASを抜いて4位となります。結構争っていたのでチームオーダーは
出さなかったようです(規則上は禁止ですが自主的に道を開ける分にはグレーです)
 さらに2位走行のS Road MOLA GT-Rは黄旗追越で10秒ストップペナルティー、
3位のウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTはピットでエンスト。
ピットサイクルを終えると2位になっており、もしMOTULに何かあれば、
というところでした。
 MOTULからすれば、PETRONASが真っ先に後退してくれていて助かったことでしょう。
普通に予選順位にこの状況を当てはめると、PETRONASが2位でチャンピオンでした。
 予選でこけたKeePer、決勝でこけたPETRONAS、チームとしては非常に
悔しい結果でしょう。
 
 タイトル争いの興味が早々に「MOTULが壊れるか」だけになってしまったので
少々残念な内容となりましたが、新規則1年目の上位にニスモ、トムスが
並んだのは納得の結果と言えるでしょう。