繰り返しになりますが、F1は次戦アブ ダビが最終戦。
ポイントリーダーのルイス ハミルトンを僚友のニコ ロズベルグが10点差で
追っています。チャンピオン獲得への道筋を考えておきましょう。
20日・30日5%オフ♪ではありませんが、最終戦はポイント2倍という
規則ができたため優勝で50点、2位36点、3位30点、となります。
ハミルトンは2位に入るとチャンピオン決定ですが、3位だと自力では
足りないことになってしまいます。問題はこれをどう見るか、です。
普通に走れば間違いなく1・2位はメルセデスです。今季18戦で11度
1・2位でフィニッシュしたメルセデス。残る7戦の内容はというと、
ハミルトンがリタイアしたのが3回、ロズベルグは2回。
2台が完走した上でそうならなかったのはドイツ、ハンガリーの2戦ですが、
この2戦も予選でハミルトンがトラブルに遭い20位とピットレーンスタート。
このうちドイツはロズベルグが勝っており、結果が出ていないのはハンガリーのみです。
また今季メルセデスが勝っていない3レースのうち、カナダはロズベルグにトラブル
ベルギーはメルセデスが同士討ちで自爆しましたので、
この観点からもやはりまともに勝負するメルセデスがいて勝てなかったのは
ハンガリーのみと言えます。そのハンガリーすらセーフティーカーの要素が
入らなければこうはならなかったでしょう。
ということはトラブルが無ければ2位以内が確定ですから、あくまで
ここだけを見るとハミルトンにとって「2位以内」というのはそれほど
高いハードルではありません。しかもメルセデスに土をつけている
レッドブルのリカルドは、ルノーパワーユニットの非力さゆえ、長い直線が
2本あるアブ ダビで速く走れるとは思えません。
もう少し戦力差が均衡している、例えばSUPER GTのGT300クラスで
「2位なら自力です」とか言われても実際にはほとんど役に立たないことが
多いですが、今年のF1だと2位と3位には別カテゴリーかと思うぐらい差があります。
ということで怖いのはトラブル・接触だけです。
ヤス マリーナ サーキットはスタートから高速コーナーが続き、そこから
狭くなってタイトコーナー、その後直線、シケイン、直線、シケインと
序盤かなり右に左に車が入り乱れやすいので、一度車に入られてラインが乱れると
結構切り抜けるのに苦戦します。
1周目のアクシデントで2010年はミハエル シューマッハーのスピンから
多重クラッシュ。2011年はポールスタートのセバスチャン ベッテルが
タイヤを切って1周で消え、昨年は最後列スタートのキミ ライコネンが
接触で足回りを壊してこれまた1周で消えました。なぜかチャンピオンキラーです(^ ^;)
確実に1・2位ということは逆を言えば自分に何か起きる=相手は1位=逆転負け、
を意味しますので、ハミルトンは無事にレースができることだけを考えているでしょう。
今季のメルセデスの完走率を考えればそれほど大きな問題ではないと思う一方、
ハミルトン個人は予選、決勝を含めると18戦で5回、約28%の確率で
トラブルが発生しており、ここ6戦は完走しているわけですから、確率論だと・・・
と、どうしても人間悪いことが頭をよぎりがち。ハミルトンはここから
2週間の間に、トラブルでリタイアする夢を見るんじゃないでしょうか。
その点ダメ元で相手の故障頼みのロズベルグはいくぶん気が楽と言えそうです。
最も争いが熾烈になるのは、また予選でハミルトンに問題が起きて
後方から追い上げるケースになりそうです。ハミルトンはこのケースで
2度とも3位、しかも自分でウイングを壊してしまいペースダウンしましたから、
同じ条件に置かれたとき今度は冷静に戦えるか、そのとき標的となるであろう
ウィリアムズの戦闘力はいかばかりか、が注目されることになります。
さて、最後に歴史を見ていきますと、
過去20年で、最終戦で逆転してチャンピオンになったケースは
2010年 セバスチャン ベッテル
2007年 キミ ライコネン
1999年 ミカ ハッキネン
1997年 ジャック ビルヌーブ
の4回。最終戦で既にチャンピオンが決定していた年が9回あるので
4/11というと結構起きていると考えることもできます。
そしてハッキネン以外の3人はこれが初のチャンピオンでした。
それ以前はもう1つ1つ調べるのが面倒な上に有効ポイントの年とか
計算がややこしそうなのできちんと裏づけを取っていませんが、
1964年 ジョン サーティース
1976年 ジェームス ハント
1981年 ネルソン ピケ
1983年 ネルソン ピケ
1986年 アラン プロスト
が最終戦で逆転した人たちのようです。
ただ、チームメイト同士で、というのは例がありません。
最も有名なセナ・プロ対決はいつも最終前の日本で決着が付いていました。
あれこれ並べてもいかんせん同じ車で、ほとんどトラブル以外に決定要素が無いので
「だからこっちがチャンピオンだ!」とか言えることが何一つ無い
駄文でしたが、こんなことを頭の片隅に入れながら最終戦を待ちたいところです。