ひとまずニコ ロズベルグとルイス ハミルトンの接触事故後の問題は収束し、
ヨーロッパラウンド最後のレース、イタリアGPです。
今年はパラボリカの外側がとうとう舗装されて、ミスして砂場にはまることがなくなりましたが、
最高速の速さは相変わらず、そしてメルセデスユーザー有利も当然相変わらず。
予選ではハミルトンがスペイン以来久々のポールポジションで隣にロズベルグ。
2列目にバルテッリ ボッタスとフェリペ マッサのウィリアムズ2台と予想通りの並びで
スタートを迎えます。1コーナーまでが長いのでまたぶつかりやしないか心配です。
ところがスタートはぶつかりようも無い展開。ハミルトン車に問題があったらしく
スタートに失敗、ロズベルグがあっさり前に出て、ケビン マグヌッセン、マッサのオーダーに。
ハミルトンの後ろでボッタスも大失敗して画面から消えてしまい、せっかくの
メルセデスの隙を突きに行くことができません。
この後マッサ、ハミルトンがマグヌッセンを抜き、ロズベルグはこの間に逃げる、はずでしたが
9周目のターン1でブレーキングミスを犯しシケインをショートカット、リードが半減。
続く10周目にハミルトンはマッサを抜き、ロズベルグは余裕無くポールシッターを
迎え撃つことになってしまいます。じわじわ追い上げるハミルトン。
このレースは1ピットが得策で作戦の幅が無く、24周目にロズベルグ、25周目にハミルトンが
ミディアム→ハードに交換。
28周を迎えた頃、ハミルトンに対して「勝負は終盤だからスリップを使いつつ間隔をあけて
タイヤを守って付いていけ」というような無線がテレビで流れますが、それとは対照的に
画面に映るハミルトンはいきなりロズベルグの1秒以内に入りDRSを使う構え。
すると29周目のターン1で再びロズベルグがミス。これでハミルトンが前に出て勝負あり。
レース後ロズベルグは
「ルイスが速いペースで後ろから迫ってきた。そのためペースを上げなければならず、
それがミスにつながった。最悪のミスだ。それによってリードを手放すことになった」とコメント。
ベルギーとは真逆で、無言の重圧がレースを決めました。
後はペースなりに走った二人、面白くないためこの後ほとんどテレビに映りませんでしたw
では気になった部分をいくつか拾います。
◎自分を信じたハミルトン
無線と実際の動きが逆だったのが気になりましたが、レース後ハミルトンは
「終盤チームから(タイヤを持たせるためニコ・ロズベルグにあまり)接近しないよう
言われたけれど、経験からそれはいいやり方じゃないと分かっていたので別の方法を選んだ」
「スティント序盤にしかチャンスはないのは分かっており、そのチャンスをつかんだ」
と、自ら指示と逆の方法を選択したと話しました。
もしロズベルグがミスせず接近戦になっていれば全く違ったでしょうが、結果的にこの
判断が1発でロズベルグを引きずり下ろす結果をもたらしました。
本来トップから逃げて終わらせるはずだったレース、スタートの出遅れを自らの手で
挽回したハミルトン、見事な嗅覚だったといえそうです。
◎ロズベルグはどう消化すべきか
一方ロズベルグ、レース後の無線では「ワンツーフィニッシュできて良かった。
でもミスしてしまって申し訳ない」とここは優等生コメントを発しましたが、
「ミスしなければ勝てたのに!」という思いは当然あるでしょう。
ただ、ロズベルグは車を詰めにかかるフリー走行3回目をトラブルでほぼ失い、
予選からハミルトンと差がありました。元々2位の車だったと言えますし、自身はポイントを
リードする立場。
「あ~儲け損ねた」ぐらいに考えて、あまり神経質にならないことが重要ではないでしょうか。
◎マッサもやっと乗りました
ほとんど単独3位でこれまたテレビに映りませんでしたが、マッサが今季やっとこさ
初表彰台、昨年のスペイン以来です。
「ボッタスが失敗したおかげでしょ?」いやいや、それも含めてレースですから
祝ってあげましょう。表彰台前の控え室でびみょーな空気のメルセデス2人組を
相手にやたら楽しそうに一人だけべらべらしゃべって和ませて?ましたし。
◎バトルがうまい人
その失敗したボッタスですが、11まで落ちたところからオーバーテイクショー。
ピットでまた集団にはまりますが、そこからまた抜くわ抜くわ。
マグヌッセンとのバトルではターン1で道を残してもらえませんでしたが、
きちんと見切ってショートカットし回避。4位でレースを終えました。
そしてもう1人うまかったのがレッドブルのダニエル リカルド。
こちらは9位スタートから、前半のスティントを26周まで引っ張り、後半フレッシュな
ハードタイヤで猛スパート。
この2人を見ていて感じるのは、相手がうまいドライバーの時は大胆な動きで
豪快に勝負に出るのに対して、ちょっと危うい相手の時にはきちんとそれを
認識しながらレースしている、と感じさせる点。特にリカルドの見切りの良さ、
勝負どころでのトリッキーで、それでいて危険とまでは行かない動物的な反応を
思わせる動き、見事でした。
◎バトルが下手な人
そういう点では同じ若手でもマグヌッセン、セルジオ ペレス、エステバン グティエレスは
ちょっとお勉強が必要な感じでした。
マグヌッセンはボッタスを押し出して5秒ペナルティー。
ペレスはジェンソン バトンと激しくやり合い、シケインをショートカットしながら
ブロックしていました。この件はショートカットが接触回避のための正当なものと
認められたのかペナルティーがなかったようですが、ちょっとずるく私には見えました。
そしてグティエレスはロマン グロージャンをストレートで既に抜き去っておきながら
ブレーキで車が暴れて自らグロージャンに接触して自分のタイヤがパンク。
ブレーキに不具合もあったようですが、さすがに今回ばかりは
「何がおきたのか良く分からない」というグロージャンに同情します。
ブレーキが不安定だったというなら、そもそもグティエレスはそんなに接近して
バトルをしてはいけないでしょう。
◎最後に日本人のお話を
錦織 圭、すごいですね。最初にツアーで勝ったころは
「またまた~1回ぐらいですぐ騒いで~」とか思っていましたが、まさにテニスの王子様を
具現化したようなことになってしまいました。本当にすごいです。
まだ現役でがんばるクルム伊達公子もすごいですが。いや、でも山本 昌もいるし
まだまだできるのかな(^ ^;)
と、間違えました。2レースぶりの小林 可夢偉。やはり速いドライバーが持ち合わせる
「この車でこのタイムを出すのか!?」というような走りを見せていたと思います。
オートスポーツwebの覆面座談会によると、チームの製造能力が低すぎて、チームメイトの
車の方が重いらしい、とかいう話なので、マーカス エリクソンはひょっとしたら車が重いわ、
人間も重いわでウエイトハンデ満載なのかもしれませんが。
しかしレース後にチーム代表が解任。自身の都合が理由というありきたりな話で
首を飛ばされたらしく、弱小チームにはお金は無いけどニュースの種はたくさんあるようです。
それとも自分でニュースを作っといて、それを知りあいにわざとリークさせて
メディアから情報量をもらい、それを資金源にでもしているんでしょうかw
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