2度目のリスタートで戦略ゲームとなったハンガリー。
後半も頭フル回転になり、今こうして録画を見ながら書きつつ
もう1度頭の整理をしています。
 
◎一気に崩壊、ベルニュー渋滞
 上位2台がタイヤを換えアロンソをリーダーにして27周目にレースリスタート。
トップのアロンソはするすると逃げ、ベルニューの後の人たちは相変わらず
だれも前を抜くことができません。
 32周目、「もう嫌じゃ!」とばかりにロズベルグがピットイン。
さらにコース上では1台減った集団から最終コーナーでベッテルがスピン。
ペレスと同じ過ちを犯し、クラッシュは免れたものの争いから脱落します。
 これでDRSトレイン状態が解消されたハミルトンは34周目、ラインを変えて変えて
揺さぶりまくり、ロズベルグがあれだけ苦労したベルニューを一発オーバーテイク。
獰猛な走りで暫定3位となり、猛スパートをかけていきます。
 この周終わりにベルニューもピットに入り集団は完全に解散。リカルドはただ後ろから
様子をうかがっていたらみんな離れていって前がクリアーになりました。
 
◎実質のトップは誰?
 38周を終えてアロンソがピットインしソフトタイヤを選択。残り32周、もう1回入るような
入らないような微妙なタイミングです。
 続く39周終わり、ハミルトンはミディアムに交換。これは明らかに最後まで走りきる狙い。
ここで普通なら先に動いていたロズベルグが前に出るはずが、ロズベルグは
パストール マルドナードやボッタスに詰まって速いペースでの周回を続けることができず、
ハミルトンが前でコースに復帰。とうとうピットレーンスタートからポールポジションの
チームメイトを逆転してしまいます。
これでまた暫定オーダーはリカルド、マッサ、アロンソ、そしてハミルトン、ロズベルグ。
さあ誰が有利なんでしょう?
 この時私は「アロンソはどうせもたない。リカルド、マッサ、ロズベルグももう1回。
ハミルトンの勝ちだな」と思っていました。
 
◎チームオーダー騒動再燃!?
 マッサが46周目にピットに入り、ペース的にもう脱落っぽい雰囲気。3・4位に
メルセデス。するとハミルトンに対して指示が出ます.。
「いいかルイス。ニコとのタイム差は1秒だ。彼はオプションタイヤでもう1回ピットに入るから
抑えるなよ」
 ところが待てど暮らせど譲る気配がありません。
この後も指示が続きますが状況は変わらず。この指示はレース後も是非が議論となったので
また別に思うところを記します。
 
◎4者4様、ラストバトル!
 54周を終えてリカルドが最後のタイヤ交換。
これでアロンソ、ハミルトン、ロズベルグ、リカルド、となり、2・4位はもうピットに入らない、
という状況に。
そして56周目、とうとう道を譲られること無くロズベルグピットイン。
7位まで落ちてコースに戻ります。
 レースが残り10周を切ってくるとアロンソ、ハミルトン、リカルドが接近。
ソフトタイヤでロングランの賭けに出たアロンソ。
タイムで劣るミディアムでロングラン、忘れてたけどウイングも小破しているハミルトン。
新しいソフトタイヤで攻める直線が死んでる車、リカルド。
それぞれに弱みを持ちつつの争いに、後ろからは2秒も速いペースで
ロズベルグがコノヤロウとばかりに追いかけてきます。
 67周目、1度は失敗したターン2でのアウトサイドパスに再挑戦しハミルトンを
見事に抜き去ると、続く68周目のターン1で一発でアロンソを仕留めてトップに。
もう彼を捕まえる人はいません。
 後ろからロズベルグが来るので何とかアロンソを抜いてしまいたいハミルトンですが
アロンソは巧みにブロック。
最終ラップ、とうとうロズベルグが追いつくとハミルトンはもう後ろを見るより他は無く、
アロンソが賭けに勝って2位、ハミルトンが3位、ロズベルグ4位となりました。
 
◎ロズベルグはなぜ勝ち損ねたのか
 結果的に私のNASCAR的発想が「当たり」だったわけですが、いろんなパターンを
想像してみると、ちょっとした状況1つで話ががらりと変化し、どの作戦が
正しかった、と安易に言えなかったんじゃないかな、という結論に行き当たりました。
 ロズベルグを主語にして考えると、まず最初のSC時の場所が悪く、何もしていないのに
順位が落ちたのが不運でした。さらに天候を読み間違えたマグヌッセンが
思わぬバトルとポジションダウンに繋がり、トロロッソの車をどうやっても抜けなかったのが
大きなダメージになります。
 ベルニューをアンダーカットしたもののリスタート後で空いたスペースが少なく
ベルニューを抜く代わりにハミルトンを前に出してしまいます。
そのハミルトン、もしベッテルが自爆していなければ引き続きベルニューの後で
DRSトレインにはまり込んでいた可能性もあり、そうなればロズベルグを逆転は
できなかったかもしれません。
 もちろんチームオーダーの件もあります。結果から考えればすんなり
前に出ていればじゅうぶんトップを狙うことができました。
 同じベルニューを避けるなら2度目のSCでタイヤを替えてしまう方がよかったかもしれませんが、
そこまで話を広げるとちょっと収集がつかないですね^ ^;
 
 ロズベルグ、このハンガリーでは表彰台なし、一方ハミルトンは昨年まで2連勝で
通算4勝と相性がよい一方、2007年には当時のチームメイトだったアロンソとの
確執が露骨に表面化しチーム分裂を決定的にしました。
 そのアロンソ、F1初勝利がこのハンガリー、当時の最年少記録でした。
 リカルドの母国の先輩、マーク ウェバーも2010年にここで勝ちましたが、その時も
2位はアロンソでした。そしてこの時ロズベルグはタイヤが外れてリタイアだったそうで。
全然覚えてないorz
 
 さて次回のF1は夏休みを挟んでベルギー。
スゴウエザーに続いて本家スパウエザーは出るでしょうか?
フェラーリあたりはここらでシーズンに特例で1度だけ認められているギア比変更を
やらないと全然勝負できない気がするんですが。。。