異様に暑かったり、3ヶ月予報で「遅れる」と言われていたはずの梅雨に
いきなり入ったりしていますがいかがお過ごしでしょうか?
SGT第3戦は九州オートポリス。従来秋口の開催だったためこの時期の
開催は初、さらに恐らく事前の想定よりも暑い気候。さらにGT500では急遽
ローダウンフォース仕様の使用を命じられ、不確定要素満載となった1戦。
結果、MOTUL AUTECH GT-Rがポール トゥ ウイン。ニスモは日産のエースチームと
言われながらここ数年は不振で、2011年最終戦以来の勝利です。
2位には同じくGT-R/ミシュランのS Road MOLA GT-R、3位にカルソニックIMPUL GT-Rと
日産が表彰台を独占しました。
表彰台を1メーカーが独占するのは昨年の第2戦富士以来でレクサスSC430が
達成して以来で、これまでにトヨタ・レクサスが6度、ホンダが3度達成していますが、
日産としては1995年第4戦富士以来。この時の車両はR33型スカイラインGT-R.。
まだスープラは4台のみ、NSXは参戦しておらず、GT1クラスのトップ10のうち4台は
ポルシェ911でした。
GT1クラスにはフェラーリF40がおり、GT2クラスには前輪駆動車の三菱ミラージュが
エントリーしていたJGTCの黎明期です。
明確な区別はありませんが、いわゆる3メーカー体制になって以降では日産史上初めての出来事です。
予選前のでたらめな自己予想で「なんとなく暑いしGT-R/ミシュランの23号車が勝つんじゃね?」
と思っていたので珍しく予想が当たって個人的にも満足のレースでした。
途中S Roadが背後に迫り、第2ヘアピンで追突してしまいましたが、
むしろS Roadの左フロントフェンダーのダメージが大きく、MOTULはそれほどでも
なかったあたりに流れのよさを感じました。
このあたり、MOTULのブレーキのカーボンダストがひどく、ブレーキがオーバーヒートして
制動距離が伸びたところに追突したと推測しましたが、双方ともレース後
ブレーキについては触れていませんでした。関係ないのか、大事なことだから
安易にブレーキの調子がどうこう言うことを止められているのか。
3位のカルソニックはトップハンデでした。と言っても今年のウエイトハンデは少々変則。
DTMと共通のモノコックはあまり剛性がよろしくないらしく(昨年までのGT500より
かなり弱いと皆口々に言っています)、使用するに当たって50kg以上のウエイトを
乗せて使ってはいけないことになっているそうです。
そのため、ハンデが50kgを超えた場合、50kgを燃料流量リストリクターの縮小=
エンジンパワーダウンに変換することになりました。ハンデ62kgのカルソニックは
1ランクダウン+12kgウエイト、となります。
この制度、富士なら露骨に効きそうですが、テクニカルサーキットだと車が
軽くなってくれてるからかえってマシではないか?とも思われており、効き目が
1つの見所でした。
この他ENEOS SUSTINAとKeePer Tom'sの2台のRC Fが52kgハンデでこの対象となり、
彼らが積んだ重りはたったの2kg。
一方中途半端にポイントを持っているZENT CERUMO RC Fは30kgです。
レースを見ていると、確かにパワーを絞られると明らかに加速からして鈍く、
前がミスしても並びにいけない感じでした。一方で重りが少ないのはやはり
プラス要素と見られコーナーでは戦闘力がある模様。
KeePerもカルソニックに次ぐ4位でフィニッシュ。一方ZENTはタイヤの磨耗に苦しみ12位でした。
パワーが落ちると燃費がわずかに改善して給油時間が短くなる
(あるいはスタート時搭載燃料を減らせる)のと、リアタイヤの磨耗がわずかに
抑えられるので、タイヤに厳しいオートポリスでは、勝てる車には仕上げられなくても
上位を争える車には十分仕上がってしまうな、という印象でした。
もちろんハンデだけが要因ではないでしょうが、どうもうま~くハンデを50の倍数+ちょっと、の
ところに持っていくとこの手のコースではお得で、ハンデが少ないはずの車が
損をしているようにも見えました。次戦のSUGOも似た特性のコースですが、
ハンデと戦闘力の関係に要注目です。
車種別では、GT-Rは富士で速かったから、富士仕様でよそを走らされると
ダウンフォース不足で苦しむのではないかとも思われましたが、空力の効率そのものが
高い次元で成立している雰囲気です。1台だけコーナーで火花を散らしまくる車高の
低いセットアップが明らかに鍵になっています。マスダンパーでもこっそり
取り付けてるんでしょうか?w
RC Fは全体的に登りコーナーでアンダーステアが出ていました。
当たり前っちゃあ当たり前なんですが、彼らだけミスする確率が高く見えたので
突発的にフロントが逃げるんでしょうか?
SUGOは最終コーナーが延々と回りこむ登り高速なのでどうなるでしょうか?
空力パーツ要因だと開発不能なので足でカバーするセットを考えないといけません。
NSXは、RAYBRIGの6位を最上位に3台入賞しましたが、相変わらず上位を争える
雰囲気ではありませんでした。フロントのピッチングが多くGT-Rと対照的。
スーパーフォーミュラーの様子を見てもまだエンジンで遅れています。
救いは次戦まで1ヶ月以上空くこと。ホンダは1ヶ月あると結構大改造できたりするので
SUGOに別人のようなNSXが出てくることを期待しています。