フォーミュラー1、中文だと「一级方程式赛车」。
 世界最大の自動車市場の割にモータースポーツ熱はまだまだだなあと言いながら
11回目を迎えた中国グランプリ。
ルイス ハミルトンの3連勝にチェッカーを誤って1周早く掲示しレースが
短縮されるという珍事のオマケがついたレースを振り返ります。
 
◎雨、雨、F1、雨、F1
 かつて中日ドラゴンズの投手だった権藤 博は連戦連投に
「権藤、権藤、雨、権藤」と言われましたが、今年のF1の予選は4戦で3度目の雨。
そのいずれもポールはハミルトン。彼の充実振りが感じられます。
 
◎ただでさえ忙しいのに・・・
 一方チームメイトのニコ ロズベルグは予選でレッドブル2台に前を取られると、
決勝では最初からテレメトリーが故障。その影響かスタートが決まらず後退し、
レース中は壊れたテレメトリーを補うため、前を追いながらモニターに表示された
燃料残量を無線で報告する仕事まで背負い大忙し。
それでも2位には戻ってこれるんですからどれだけ速いんでしょうかw
しかしこれでハミルトンとのポイント差は4。序盤とはいえライバルの姿が気になります。
なおメルセデスは今年のレース中すべての周回でラップリードを記録し続けているそうです。
 
◎ドメニカリに捧ぐ
 成績不振で代表の首がすげかえられたフェラーリはフェルナンド アロンソが3位で
今季初表彰台。これまでレース中のいかなる場面でもトップ3を走れませんでしたが
今回結果を出しました。単に成績だけが交代の原因ではなさそうですが、
とりあえず新代表はいきなり結果が出てご満悦?
 しかしここまで「メルセデス以外のトップ枠」は、マクラーレン、レッドブル、フォースインディアと
日替わり状態。コース特性と車の相性で入れ替わる状況なことを考えると、
フェラーリ復活、というのは時期尚早かもしれません。
 
◎王者に忍び寄る危機
 一方のレッドブルでは相変わらずセバスチャン ベッテルが不調。
今回もチームメイトのダニエル リカルドに道を譲るよう指示され困惑模様。
断片的に放送された無線からは、自分と基本的に同じタイヤ選択・ピットストップ回数で
リカルドが自分より速く走る現実をすぐには認識できていない様子がうかがえました。
 ベッテルの不調を見て考えられるのはドライビングスタイルと車の不一致。
昨年まで超速コーナリングマシンを類まれな荷重移動で使いこなしていたベッテルにとって
今年の重い車と、ターボとモーターアシストを複雑に制御し、断続的に出力特性が変化する
パワーユニットがもたらすクセのあるエンジン特性が合っていないのではないか、
と感じました。
 彼は開幕からドライバビリティーに不満を漏らすケースが多いようですが、
アクセル量に対して自分が思った動きをしてくれないため、結局立ち上がりでも
コーナーでもうまく走れない、そんな状況を推察します。
 全然レベルは違いますが、私はGT5でR35にばかり乗り続けてタイムを出していたら
のれていたはずのFR車が一切乗れなくなった時期がありました。
特徴的な車にドライビングが知らず知らず特化すると、他の条件を与えられたとき
頭では理解できてもそれに合わせたドライビングが行えず、極端におかしな車に
感じてしまいます。
 ひょっとするとベッテルも「四駆病」的な「超速ニューエイ病」にでもかかっているのかも
しれません。そしてもしそうなら、車の開発が進んでも基本的な特性が変化しない限り、
自分から車に合わせていかないと状況は改善しません。
それができなければ、彼でさえ並のドライバーになる可能性がないとも言い切れません。
それは前のオーストラリア人チームメイトが散々味わった立場です。
 
◎そしてなぜか小林がとばっちり
 そんなレースの話題を最後に持ち去ったのがチェッカー誤爆事件。
最終ラップに入るはずの55周終了時にスタッフが誤ってチェッカーを振ってしまったのです。
間違いであっても振った以上レースはそこで終了というのが規則。
 ハミルトンが驚いてチームに確認すると「まだ終わっていない」といわれたことから
現場ではチェッカーが振られた認識がなかった模様で、実際もう1周した
ハミルトンにはまたチェッカーが振られていました。
(通常であれば2度チェッカーを受けると『ダブルチェッカー』という違反行為になり
失格になることもあります)
 数年前のドイツGPで川井ちゃんが「昔あったみたいに誤ってチェッカーを振って早く
終わる場合もある」という話をしていたので過去にもこういう事件があったようですが
検索の仕方が難しく見つけられませんでした。
 ちなみにこの時の話では、使いたくないプライムタイヤを最後に1周だけ使って
義務を消化する作戦を行うドライバーがいたため、
「誤って1周早くチェッカーが振られたらタイヤ義務違反で失格になるから
2周前の方が無難」という話題でした。それも怖い(^ ^;)
 もちろん今回そんなドライバーはいませんでしたが、唯一最終ラップに
ジュール ビアンキを抜いた小林 可夢偉だけはこの事件の影響を受け、
せっかくずばっと抜いたのが無に帰って18位となりました。
まあコンストラクターズ争いに影響する13位前後で起きたことじゃなかっただけ
ましだと思って前向きにいきましょう。
 
◎過去の中国と言えば
 別に開催地がどこだろうと事件はありますが、中国GPといえば
初開催の頃はスタートで後方からグリーンフラッグを振ったマーシャルが
その後どうするか良くわかっておらずスタート後もしばらくコース上に残っていた
記憶がありますw
 フジの福永アナウンサーのF1デビュー戦は2007年の中国でしたが、コバライネンを
「コバラバライネン」ととっちらかるなど、見ていて「この人大丈夫かな・・・」とレースより
アナウンスが気になりました。
 そしてこのレース、ルーキーのハミルトンは着実にポイントを取れば
王者に大きく前進するはずでしたが、乾いた路面でインターミディエイトタイヤが
ボロボロに。しかしチームは作戦ミスで彼を戻しそこね、やっとピットインの指示を出したものの、
酷使された彼のタイヤは全くグリップせずなんとピットロードエントリーを曲がり損ねて
グラベルにスタックしリタイア。チャンピオンを逃す大きな事件となりました。
 
 さあ、フライアウェイを終えてF1はヨーロッパへ。
このタイミングで驚きの新パーツが登場することも多いですが今年は果たしていかに。