開幕から今年のF1を席巻するメルセデスユーザー。ワークスは開幕から
圧倒的速さで3連勝。マクラーレンとフォースインディアに久々の表彰台をもたらし、
ウイリアムズを復活させました。
その速さの源であるメルセデスのパワーユニットの
秘密が明らかになったと先日情報が流れました。
 
 完全に他サイトの受け売りになりますが、メルセデスのパワーユニットには
革新的なレイアウトのターボエンジンが搭載され、これが好調の原動力に
なっているというのです。
 普通に考えればタービンとコンプレッサーは連続して設置されるもの、
ところがメルセデスはこれをエンジンをはさむ形で両側に設置しているとのこと。
まさにコロンブスの卵、というやつでしょう。
 これによるメリットは大きいらしく
 まず、コンプレッサーが高温の排気から離れるために吸気温度を下げるインタークーラーの
サイズを小さくでき、結果冷却のための車のサイドポッドも小さくて済むために
空力性能も向上。
 ターボラグが減る(理由が私にはわからないw)ので、MGU-Hを使ってアクセルオフ中に
タービンを回しておくためのエネルギーが少なくてすむため、ライバルと比べて
MGU-H→MGU-Kに多くのエネルギーを使えるため熱効率も改善され、これが
馬力の違いとなって現れているようです。
 
 供給を受けるチームはパワーユニットの恩恵を十分に受けていますが、
後からこれをもらう彼らと比べてメルセデスワークスチームはもちろん最初からこれを
理解しているため、さらにこのエンジンレイアウトを利用した車両の最適化が
施されており、特別速い車に仕上がっているそうです。
 
 そしてもう1つ大きいのが、ライバルメーカーはこれを既に知ってはいるものの、
パワーユニットの根本的な構造であるために、エンジン開発凍結条約によって
今シーズンは今さら手をつけることができない、という点。
 もしこれが現状考えうる理想的レイアウトであるなら、今年フェラーリとルノーは
いくらソフト面で改善を施しても根本的にはメルセデスに歯が立たない、ということになります。
 
 この話を聞いたとき、私は「これこそまさにF1だ!」と思いました。
近年のF1はエンジンはほとんど横並びで、主役は完全に空力デザイン。
規則書を穴が開くまで読み込んで、いかにその抜け穴を付いてダウンフォースを稼ぐか、
そればかりでした。エンジンの話題と言えば、アクセルオフ中も燃料を燃やして排気ガスを出し
ダウンフォースに利用する、いわゆるオフスロットルブローの話。
レッドブルが何連覇しようとルノーエンジンが全くといっていいほど脚光を浴びないことから
見てもそれははっきりとわかります。
 それがこうして再びパワーユニットという「以前エンジンと呼んでいたもの」
が主役に帰ってきました。そして、開発の中で、今まで当たり前だと思っていたことを
覆す革新的な発想が生まれたのです。まさに「走る実験室」です。
 
 そうすると早くも気になるのが来年に向けての動向、つまりホンダです。
恐らくホンダも色々と情報収集していたでしょうし、少なくともマクラーレン経由では
得ていたでしょう。もしその前から自分たちで閃いていたら大したものですが、
そうでなければ今一生懸命レイアウトの組み換えをしているのかもしれません。
ただ言うのは簡単でもきっと作って動かすのはかなり大変なことでしょう。
 一方フェラーリとルノーは、さすがに今から今シーズンを捨てて来期のパワーユニットに
全力をかけるほどに大胆な決断をするわけにもいかないでしょうから、今期の
改善をしながら来期のものを開発する必要に迫られるはずです。
その中で果たしてどのぐらい仕上げることができるのか、あるいはメルセデスの
さらに上を行く閃きを生み出してくるのか、ここにも面白みがあります。
 
 果たしてメルセデス式ターボが市販車に転用できるものなのか、
あくまでレースで役に立つものなのかは私には分かりませんが、こうした
しのぎあいの中から、また我々が恩恵を受けることができる新たな技術が
できるのではないか、そう思いながら見るF1は非常にワクワクさせられます。
「ホンダがライバルとは全く異なるすごいものを作って戻ってきた!」
そんな夢物語を思い描きつつ・・・