2014年F1開幕戦オーストラリアGPは下馬評通りメルセデスが
速さを見せつけ、ニコ ロズベルグが優勝しました。
◎メルセデスハヤイデス
パワーユニットのメーカーがそのまま勢力図となりうる2014年の新規則。
まずはメルセデスが信頼性・性能とも良好な模様。昨年のメルセデスと言えば
DRSを使っても抜けないトップスピードを持つ一方燃費が悪く、特にメルセデスGPは
そのせいで序盤はタイヤがすぐ駄目になっていました。しかし今年は開発でライバルの
一歩先を行き、パワーがある上に燃費も上々。ロズベルグは2位に26秒もの差をつけて
圧勝でした。トップ10のうち6人がメルセデスユーザーというところが優位性を表しています。
だからこそ、ポールスタートなのに最初からエンジンが壊れていてリタイアした
ルイス ハミルトンは無念でならないでしょうが・・・
◎新鋭現る!
2位に入ったのは個人的今年のイチオシドライバー、ルーキーのケビン マグヌッセン。
予選のQ1では暴れていたので力が入っているかと思ったら雨が降ってきたら急に
大人の走りに豹変しましたw
決勝でも非常に落ち着いた走り。中盤だったと思いますが、ホームストレートに
捨てバイザーが漂流しているのに気づいた彼は素早い動作でこれを回避していました。
前との差を詰める展開で非常によく周りが見えているな、と感心しました。
ちなみに父のヤン マグヌッセンはセブリング12時間にコルベットC7-Rで参戦し
クラス8位だったようです。
先輩のジェンソン バトンも3位。10番手スタートからさすがレースをまとめるのがうまい人です。
セーフティーカーと嫁さんに感謝でしょうか?
マクラーレンは来年からホンダに移行するためメルセデスからのサポートがやや
薄くなりそうですが、非常に良いスタートでした。
もう1つのメルセデスユーザー、ウイリアムズのヴァルテッリ ボッタスも5位。
一旦は自滅し、タイヤが外れてセーフティーカーが出たから結局周回遅れを逃れ、
そこからまた抜きまくって5位、という自作自演レースでしたが、こちらも今期面白い
存在となるでしょうか。そういえば中嶋一貴もウイリアムズで2009年にいい位置を
走ってて自爆しましたが大破でしたな・・・
◎フェラーリの憂鬱
うまくまとめるといえばフェラーリのフェルナンド アロンソは4位。フェラーリユニットは
あまり燃費が良くないようで制約の多いレースを強いられているようです。
どこをとってもそこそこな車でそこそこより上の結果で帰ってきた、と考えると
やはりさすがといえそうです。
一方キミ ライコネンはフリー走行からブレーキで飛び出すこと多数。予選では
見事なスピン。そして決勝でもタイヤが苦しいのか制裁を欠いたまま7位フィニッシュ。
新しいブレーキシステムがうまくいかないのか、それともドライビングと合わないのか。
これがマッサならかなり非難されるところですが、機嫌を損ねると困るので黙っておきましょう。
しかしライコネンは車が気に入らないとモチベーションが下がりやすいタイプに見えるので
速く改善しないと飽きてまたラリーカーに乗り出すかもしれません。
いずれにしても課題が山積みのフェラーリです。
◎「10連勝」以前の問題
最悪な週末だったのはルノーユーザー。テストからの信頼性のなさはそのままでした。
王者セバスチャン ベッテルは土曜のフリー走行からどうもソフトウェアの不具合か
エンジンが不調。結局リタイアに終わります。
チームメイトのダニエル リカルドはそれとは対照的に絶好調。予選でメルセデスの間に
割って入る2位。決勝もマグヌッセンの攻撃をしのいで2位。オーストラリア人として
初の母国表彰台に場内興奮!!!!だったのに、規定違反でレース除外の裁定。
燃料流量規定の違反とされチームは即控訴、「FIAの流量計は正しくない!」と
徹底抗戦の構えですが、とりあえず今のところ失格です。
レッドブルの先輩にしてオーストラリア人の先輩、マーク ウェバーもなぜか母国では
表彰台無しのままF1を去りました。そういえばレッドブルで電気系トラブルが起きるのは
なぜかだいたいウェバーでした。ひょっとしてこれってウェバーの呪い?
◎ルノーはよう壊れるのー
結局ルノーユーザーではトロロッソだけがなぜかずっと普通に走って2台とも入賞。
ダニール クヴィアトはベッテルが持つ最年少ポイント獲得記録を更新しました。
リカルドがリザルトから消えたのでルノーユーザーで完走扱いは彼らだけです。
ロータス?そんなチームいた?ああ、コース脇に展示してあった黒い車ね。
◎10位争いもう決着?
ケータハムの小林可夢偉は雨が味方し14位スタートでしたが、個人的には
危険な予感しかしませんでした。あまり仕上がっていない車で中途半端に
集団からスタートして無事に1コーナーをクリアできるのか。ゆっくり後ろから
見ることもできないし・・・そう思っていたらものすごい勢いでマッサを巻き添えにして
1コーナー先にぐしゃぐしゃの小林が止まっていました。
どうやらブレーキトラブルで、フォーメーションラップがやり直しになったのも
響いた模様。その原因になったのはマルシアのジュール ビアンキの
エンジンストール。で、そのチームメイト、マックス チルトンは最初のフォーメーションに
出る前に止まってしまいこちらもピットスタート。
ビアンキは復帰に時間を要したものの、ピットから無事にスタートしたチルトンは
なんとノートラブルで完走し13位。通常19位以下の力の車がこの位置を取るには
周りが相当脱落してくれる必要があり、コンストラクターズ10位を争うライバルの
ケータハムにとってはいきなり高い壁が出来上がりました。
小林のチームメイト、マーカス エリクソンは一時12位付近まで浮上していましたが、
結局トラブルでリタイア。ルノーの信頼性問題ももろに食らったようです。
少なくともブレーキを踏むまではいい位置だったのにコーナー1つで消えた
ケータハムと、グリッドからスタートできなかったのに思わぬお土産を手にしたマルシア。
テレビに映らないポイントゼロ同士の争いですが、日本人がいるというだけで
妙に気になる人は増えたんじゃないでしょうか?