TCS第4戦サルトは、かなり広い範囲が「コース」として扱われる。
コーナー出口を広く使えることに多くのドライバーは歓迎ムードだが、
SCはそれほど単純ではないだろうと見ている。
 
「テストしたら無意識に白線を守っていたよ(笑)」とSC。
「なれていないから意識しないと白線の外まで使えないし、アウトにはらむ前提の
ラインもまだつかみきれていない段階さ」
 
 サルトのレーススチュワードは、ショートカット検知システムを予選のみに採用。
決勝では、コーナーイン側は少なくとも2輪をアスファルト上に
残すよう指示する一方、アウト側については無制限とした。これはレースに
どう影響してくるだろうか?
「タイム的に見れば4分オーバーのコースでせいぜい2秒程度のゲインのようだ。割合からすれば
それほど大きな向上ではないね」とSC。
「ただ、アウトいっぱいを使うとガードレールが文字通り大きな壁になってくる。
このコースは一部公道だけど、普通に走っていればガードレールの世話になることはない。
でも、例えばテルトルルージュのアウトを目いっぱい使うと、すごい勢いでガードレールが
迫ってくる。序盤はそこに集団で飛び込んでいくわけだから、かなりのリスクを伴うだろう」
 
「しかもあそこの一番外側は、外からは見にくいけどすごいバンプがあって完全に車が
飛び上がる。自分も知らなかったから驚いたよ。」
 
「レースはすごくアグレッシブになるだろうね。ここはただでさえスリップの奪い合いだ。
それこそタラデガやデイトナみたいにね。集団から外されればもうそこへは戻れないかもしれない。
そこに加えて、壁いっぱいまでコースを使わないといけないとなると、当然ミスも起こりうる。
恐らくダウンフォースも削っている中での集団走行だしね」
 
「危ないと分かっていて走ったローマと比べるとみんなそこまで警戒もしていないだろう。
そこに落とし穴があると思う。速度域が高いからちょっとしたミスでも大きなアクシデントに
つながるしね」
 では自身のレースプランはどう見ているのか。
「恐らく後方スタートだろうし、自分としては序盤の周りの様子を見て攻めるか眺めるかを
判断していくよ。ローマでは見すぎて何も起こらなかったからね(苦笑)」
 
 自らをミスター中団と笑うSC。「だから後方ではゴールしたくないね」と控えめな
目標を口にしてくれた。