ヒマ、王者を退けローマを翔ける
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 その差わずか0.625秒。チャンピオンRBを従え、最初にチェッカーを受けたのはヒマの風籟だった。
 
 予選ではヒマが1分9秒996と唯一の9秒台を叩き出し初ポールを獲得。
0.181秒差でRBが2番手。以下、ネコ、マッキー、SCと続き、後方9位のスノーまでが
トップから1秒以内という今シーズン最も僅差の予選となった。
 
 そして決勝。トップ4は互いに隙をうかがうも、ここはアクシデントの怖い市街地コース。
無理をして動くものはおらずポジションをキープする。
 4周目、ヒマがヘアピンの立ち上がりでわずかにロスしたのを見逃さずRBがトップに。
しかし、今回圧倒的なレースペースを誇るヒマは全く離れることなくRBに続く。
その後方も接近した状態が続き、レースはトップから8位までが一段となる緊迫した
展開が続く。
 
 ヒマとRBはその後もポジションを入れ替えながら激しいバトルを展開。
その後方ではネコとマッキーも激しい争いを見せる。ネコは前2台がタイムを落とすと
2台に接近し、逆にマッキーに攻められると水をあけられる難しい状況に陥るが、
ストレートスピードの伸びを欠くマッキーも攻めあぐねる状況が続き、レースは中盤戦へ。
 
 そして迎えた19周目の2コーナー、ネコの真後ろに着いたマッキーはブレーキングで
ネコの左リアに接触。大きなクラッシュには至らなかったものの、両者はタイヤに
ダメージを負ってしまう。ネコはすぐさまこの周を終えてピットに入るも、マッキーは
接触の際の衝撃でペダルに突っ張る形となり足を負傷。そのせいかセクター2で
さらにウォールに接触した上ピットにも入れず争いから脱落。
 結局後半も2度にわたってウォールにヒットし、シーズンワーストの10位に終わる。
 
 一方延々とテールトゥーノーズの争いを続けるトップ2は、21周を終えてまずRBが、
それを見て22周目にヒマがピットイン。ヒマはRBの前でピットアウトすると、
アウトラップをしのぎきり、後半も引き続きテールトゥーノーズの争いが続く。
さらに、両者が争う間に一旦は後退したネコもこの2台に追いつき、3台による
トップ争いとなっていく。
 30周目、ヒマのわずかなミスをついてRBが再びトップに。
しかし36周目、ヒマは2~3コーナーで、ブロックラインを取るRBをあざ笑うかのように
大外のライン取りでオーバーテイクを見せまたしてもトップに返り咲く。
 
 レースはこのポジションでファイナルラップへ。2コーナーの進入でブロックされ水をあけられた
RBだったが、ヘアピンの立ち上がりから再び背後に着くと狭い終盤セクターで
最後までインをうかがう鬼気迫る走り。しかしヒマはこの動きに動じることなく
最後まで自分のラインを守り、そのままチェッカー。
わずか0.625秒差で自身初優勝を果たした。3位のネコもわずか1.171秒差という
大激戦だった。
 
 4位にはズラージャン。前戦の接触が原因で5グリッド降格・8番手スタートとなり、
途中シリウスに追突されてポジションを失うシーンもあったが、大きなミスを犯さず
LFAの終盤は特長を生かした守りの走りに徹してダメージを最小限に抑えた。
シリウスは5位フィニッシュだったが、上記の接触によりレース後審議となった。