モータースポーツジャーナリスト、赤星真樹夫氏の寄稿によるコラムの3回目。
今回はデータロガーのお話。
 
macコラム第三回
「活用できるの?データロガー。そんなん見んでも速けりゃええねん!」
 
 モータースポーツにおいて、今や欠かせないアイテムとなったデータロガー。
車両の状態、運転の質をデータ化して見せてくれる、素晴らしいアイテムです。
もちろん、GTにおいても実装されており、しかも実物と遜色ない出来です。
 しかし、現実にGTでロガーを使っている人は意外と少ないようです。
おそらく見方がわからない、活用の方法がわからない、といったところが理由となっているのでしょう。
それではあまりにもったいない!
 今回は、簡単なロガーの使い方、活用の場面、方法をご紹介したいと思います。
何分、ワタシの個人的見解も多分に含まれることをご容赦ください。
 
 まず、ロガーの中身です。
 基本的には3つのグラフからデータを読み取るものです。
それぞれが何を指しているのかわかれば、わけのわからないグラフが宝の山であることに気づくでしょう。
 一番上のグラフはスピードと回転数です。
今回のコラムではあまり詳しく解説しません。リプレイ画面で代用できるからです。
 真ん中は横G(緑)と縦G(紫)。
横は上が左、下が右。縦は上が後ろで下が前を表します。
一番下のグラフは、アクセルとブレーキの開度です。
白がアクセル、赤がブレーキ。素直に山が高いほうが強く踏んでいる状態。

 それぞれのグラフ、どういった場面で活用するのか、グラフの見方を交えてご説明します。
まず、アクセルとブレーキ。
ここで注意すべきは2点のみ。
 ブレーキは、強く踏んでから抜く方向に操作しているか?アクセルは急激に開けていないか?
これだけです。
特に不調の時に陥りがちなのはアクセル操作が雑であること。
これをロガーで確認するだけで、かなりスランプ期間を短くできます。
 
 次に横Gと縦G。
 横Gはコーナーごとに緩やかな山と谷を描いているか?
縦Gはブレーキの利き初めが最も下に行っているか、急激にリアに荷重が移っていないかをチェックします。
 当たり前ですが、急激な操作はミスに直結しますし、タイヤのグリップをフルに生かすことができなくなります。
横Gを見るときは、縁石やカント変化で乱れている場合もありますので注意。リプレイとよく見比べましょう。
 そして最も注意して見るべきなのは、タイヤのグリップは限界まで使えているか、ということです。
タイヤのグリップは有限で、それを縦、横で分け合って使う必要があります。
縦Gと横Gの合成ベクトルがグリップ限界を超えた時に、タイヤは滑り始めるのです。
摩擦円の考え方を忘れずに。これを超えた時には、ハンドルを回しても曲がりませんし、
アクセルを踏んでも加速しません。
 グラフをよく見れば、緑の線と紫の線、その高さの合計は一定値以上にならないことに気付くと思います。
つまり、横Gがいっぱいいっぱいの時に加速、減速をしようとしていないか、
逆に加速、減速しながら無理やり曲げようとしていないか。
 又、コーナー入口や出口でグラフがほぼ真ん中になっていないか、
つまりグリップが余っているところはないのか。この2点を重点的にチェックします。
これを数か所改善するだけで、タイムは飛躍的に伸びる場合があります。
コーナーでもっと突っ込める所がないのか、もっと早くアクセルを開けられないのか、
これを探すことができるわけです。
 しかも、何度も同じコーナーを試すことなく、数値で確実に現れます。
さらに応用すると、違うセッティングでログを取ることで、セッティングの良し悪しもわかるのです。
なんて便利なんでしょうw
 
 つまり、データロガーの活用法はたった一つ。
「自分の操作が適しているのか、いないのかの確認」
不調時の操作の見直し、もっと攻められるところの確認。どちらも自分の操作の見直しです。
客観的に、冷たく走りを分析してくれるフレンドのようなものですw
わけのわからないグラフの見方を、なるべくわかりやすく解説したつもりです。
せっかく実装されているんですから、使わないともったいない。
まぁ、タイトル通り、使わなくても速い人は見なくてもいいんでしょうがwワタシには大事なことなんですww
稚拙な文章で、わかりにくいところもあるかと思います。
質問はいつでも受け付けておりますのでご容赦ください。

それでは今回はこのあたりで。
皆様、よきGTライフを!