シリウス、乱戦のモンツァを勝ち残る!

厚い雲が垂れ込める薄暗いモンツァの森を切り裂く白いS2000。
激動のレースを制したのはシリウスだった。
予選では開幕戦の雪辱を誓うキノコネンと、このレース大本命のズラージャンが
フロントロウからのスタート。ワイルドカード枠のハラキリと王者RBが2列目に並んだ。
最初の波乱はスタート直後に訪れる。1コーナーへ向けてけん制しあうフロントロウの
2台がなんとともにブレーキングポイントを誤りオーバーラン。そのままウォールまで
到達してしまいいきなり優勝戦線を脱落。
さらに2周目、クルヴァグランデを走行中ハラキリのHSCが突如急減速、RBは避けきれずに
ハーフスピンを喫し、さらに後続のボボ、ネコを巻き込んでコースオフ。
ハラキリも追突の影響でダメージを受けてスローダウンしてしまう。
なおもアクシデントは続く。コースへ復帰したボボはタイヤを痛め不安定な動きだったが
ピットを目指しハイペースに走行。それが仇となりレズモ手前の距離表示に激突、
後続のネコがこれに追突して激しくクラッシュしさらにダメージを負ってしまう。
結果最初の2周で優勝候補が軒並み脱落し、リーダーはシリウス、2位にヒマ。
3位SC、4位マッキーと予想外のオーダーとなる。
シリウスとヒマ、SCとマッキーはそれぞれ要所要所で順位を入れ替えるバトルを演じながら
レースは進行。そんな中12周を終える頃コース上に雨粒が落ち始めレースはさらに
分からなくなる。
ヒマは14周目を終えるとピットインしニュータイヤに交換。すでに後方のSC以下とは
大きな差があり、これでシリウスは独走体制となる。
時間とともにコース上の水量は徐々に増加し、レース終盤にはドライタイムの115%近くまで
タイムが落ちる悪コンディション。シリウスはリードを生かして冷静にペースを
コントロール。タイヤ無交換のままチェッカーを目指す。
一方ヒマはニュータイヤでシリウスを追うが、途中マッキーとの接触で
アライメントが狂ったこともあり、レース終盤はコースのとどまるのが精一杯の状況。
結局シリウスが15秒の大差を付けてトップチェッカーを受け、シリーズ初優勝。
ヒマも2位で初の表彰台を獲得した。
序盤のアクシデント組は明暗が分かれた。RBは21周目にズラージャンに
接触されるも3位まで挽回。そのズラージャンは終盤にもロッジアで1周目を思わせる
クラッシュを喫しまさかの8位、おまけに次戦ではグリッドペナルティーとなってしまった。
序盤最も表彰台の可能性が高かったキノコネンは2度にわたってアスカリでスピン。
特に2回目は復帰に時間を要し、レースをあきらめざるを得なかった。
一方のネコは終始単独走行だったが荒れたレースではかえって奏功したか、最終ラップの
最終コーナーからコントロールラインにかけてキノコネンをかわし6位、キノコネンは7位となった。