私は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
治療法選択上、患者側の体験談ブログ注1、注2が大変役立ったので、私もここに記録します。
痛みを解決しないと治療できません。
オクノクリニック関連資料については、奥野先生のご厚意により引用させていただきました。
注は最後にあります
目次
治療結果 ←お急ぎの方はここを
治療前
五十代での右肩の五十肩(凍結肩、肩関節周囲炎)は、私に合わなかった近くのペインクリニックから、東京慈恵会医科大学附属病院整形外科・加藤壮紀先生に救われ、保存療法(時期に応じた運動療法(ストレッチ)と抗炎症薬)で治りました。
しかし六十代での左肩の五十肩の痛みでは、特に夜間痛が酷く、各種湿布はかぶれて私には合わなかったため、鎮痛薬を1日5回飲んでいました:同病院の別の科で出していただいた鎮痛漢方薬(麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)注3 使用の場合は必ず医師にご相談ください)は1日に2回までで、使用間隔は5時間以上空けるようにしました。ロキソプロフェン同士も基本8時間以上空けるようにしていた(典型的には、主に夕食前に漢方薬、2時間半後ロキソプロフェン、5時間後に漢方薬、10と18時間半後にロキソプロフェンでした)ので、どちらも飲めない時間帯で痛い場合は(特に夜間、1時間毎)本草健康茶を飲んで気を紛らわしていました。
最初に激痛を感じてから2カ月半たっても痛みが酷いため、ステロイド注射(デカドロン注射液6.6mg・2mLを0.25瓶)を2週間以上間隔を開けて部位を変えて計3回受けましたが、痛みが抑えられたのは1日か2日のみで、麻酔明けの痛みが酷く、私の痛みは加藤先生の下でも解決しませんでした。
治療法の検討
2021年12月の特集 肩関節拘縮(凍結肩)の診断・治療|整形・災害外科 (64巻13号) | 医書.jp (isho.jp)
には五十肩・凍結肩に対する5つの治療法が書かれていますが、その内
エコーガイド下注射療法は、既に部位を変えて3回ステロイド注射を受けた身としては、腱の断裂を危惧し、これ以上のステロイド注射は避けたく注4、私の対象外としました。
ステロイド内服療法も、ステロイドの副作用注5が気になり、私の対象外としました。
複数の利点を持つサイレント・マニピュレーション(非観血的授動術)と、
鏡視下授動術とを検討しましたが
凍結肩に対する鏡視下授動術の短期臨床成績に見られた
腱板断裂リスクのため、回避しました。
サイレント・マニピュレーションについては、
実践! サイレント・マニピュレーション─五十肩症候群の新しい治療法|Web医事新報にも、骨折や腱板断裂のリスクの記載があります(腱板断裂14)などの合併症 の前後参照。なお同特集はダウンロード版もありました)。
しかし五十肩に対する鏡視下授動術については、ブログ注1の影響で、
腱板断裂のリスクを私は過剰に見ているのではないかと思います。
オクノクリニックの湿布や注射で全く改善しなかった五十肩で、
運動器カテーテル治療(微小血管塞栓術、TAE*)を知りました。オクノクリニックのモヤモヤ血管(新生血管)とは?に動画で奥野祐次先生自身による説明があります。
*微小のmicroを含むTAMEという略称を当初希望されたようですが、
論文検索に有効なのはTAEの方で、
奥野先生自身も2017年の論文でTAEと略されているので、
以下TAEまたは血管塞栓術と呼びます。
TAEを私が採用した理由は、次のリスクが私の受け入れられるもののみだったからです:
凍結肩に対する微小血管塞栓術(の安全性・合併症 参照)には、
『TAEの合併症は、
①造影剤アレルギー 2例/4,000例,
②血管穿刺に伴うトラブル 院内規定で対処,
③標的外塞栓 0例/4,000例』
という内容(圧縮のため表現は改変、以下同様)がありました。
「1.骨の変形が強い場合
2.非常に激しい運動をしたときだけ痛く、普段は痛くないという場合
3.なにかの組織が挟まって痛みが出ている場合
4.脳で痛みが作り上げられている場合」オクノクリニックのカテーテル治療では上手に取れない痛み
TAEは3年後の追跡論文でも問題なく、動物実験でも検証され、スペインや韓国や、肩ではありませんが米国にも実績論文があります。注6
TAEは久留米大学病院や奈良県立医科大学附属病院などでも実施されています。
オクノクリニックも今や全国に10院あります。Googleの口コミも評価が高い:
問合せ~初診
オクノクリニックのドクターによるメール事前相談・お問い合わせサイトから、状況を説明し、「初診で診ていただいた上でのご判断と思いますが、運動器カテーテル治療で改善する希望がありますでしょうか?」と問い合わせたところ、
翌日、当日判断ですが、役に立てる可能性がある、とコールセンターからお電話いただき、問合せ6日後、MRIとX線の結果とおくすり手帳を持って、奥野先生の初診を受け、さらに3日後のカテーテル治療が決定しました(初診翌日も説明あり)。
カテーテル治療当日(問合せ9日後)
五十肩で、横になると左腕の下に毛布を少し入れておかないと痛くなることを、看護師さんに予め伝えました。術中痛みで動いてしまわないかと心配になり、先生の許可を得た上で直前~30分前に飲みなれた鎮痛薬(私の場合カテーテル治療の時刻に合わせて鎮痛漢方薬)を飲みました。手術室へ歩きました。
先生が肩に触れ、痛い部位(トリガーポイント)を探していき、私には7部位に注射しました(炎症・痛みを抑えるため極少量のステロイドも含有、7部位全部でケナコルト2mg)。
7部位中最後の背中が痛い①。
下の写真は、術前注射部位。順に 私に肝心な後面、側面、前面。
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手のひら側を真上にして左腕を留めおくことができないため、(患部の左肩とは反対側の)右の鼠径部(下図。足の付け根のくぼんだ線より上にある三角状の部分)から、背骨の近くの大動脈を通って、左肩までカテーテルが通されます(X線で見ながら)。最初心配でしたが、何も感じませんでした。その後、塞栓剤を通している時も何も感じませんでした。
図.カテーテルを動脈に入れる場所は鼠径部の動脈
最初の部位への塞栓剤の注入時、肩が痛い②。先生の指示を待った上で、肩を少し動かすと楽になりました。痛かったのは①と②の2回のみで、他は軽微でした。
上記は私の場合ですが、オクノクリニックの術前の配布資料の、
重度の五十肩でカテーテル治療を検討されている方へには、
『麻酔時チクっとした痛み、カテーテルを動脈内で進めている時には痛みなし(カテーテルは柔らかく血管を傷つけるリスクなし)、塞栓剤を流す際、「熱い」「何か圧迫されているような」「チクチク痛む」などの違和感を数十秒~数分間感じます。カテーテル抜去、挿入部位を約10分術者が手で圧迫止血。片側→30分、長くても45分から1時間で終了』という内容がありました。
術中用いたX線造影剤はヨード造影剤です。
術後寝たまま、看護師さんがストレッチャーでベッドへ。
1時間休憩後、先生から下記データの説明がありました。
観察された私のもやもや血管例
私のもやもや血管の塞栓前後
もしカテーテル部位が大きく腫れたり、異常を感じた際のために、
LINEの連絡先を教えていただいたので、安心できました。
問題なく歩いて電車に乗り帰れました。
メモ
術後の【注意点2つ】カテーテル治療後に内出血と蕁麻疹がでたときの注意点を解説。動画をみて安心してください。 - YouTubeには、
『内出血:前腕広範囲に紫色が出ることがある。内出血部分が痛くなる方もたまにいる。
紫色も痛みも1~2週間で取れていくので、そのまま様子を見る。
ただし、動脈にコブができた場合は要注意!カテーテル入れたところがしこりみたいになり、どんどん大きくなる。
しかし、5000人治療して一人もいない。多分、使用しているカテーテルが細いから。
造影剤アレルギー:4%、蕁麻疹のような反応が皮膚に出る。治療部位とは関係ない顔や上半身や下半身に出ることがある。約2~3日間のピークがあり治療後3日目ぐらいまで続くのがほとんどなので、そのまま様子を見る。
何かあれば、近医かオクノクリニックへ連絡し、抗アレルギー薬を飲むか点滴。38℃位の発熱が一晩出る人もいる。
アナフィラキシー:2人/5000人 適切に対処している。』という内容がありました。
この他、オクノクリニックの術前の配布資料の、
保存療法に抵抗する運動器慢性疼痛に対する
運動器カテーテル治療についての説明文書には
「カテーテルを入れた血管の通りが狭くなる」(標的外塞栓):「3%程度」
「この閉塞が起きても他からの血流がカバーし問題を生じることは、一般的にはありません。」
「極稀に、手がやや冷たい、動かしにくい、皮膚の色が白い、等を経験する人がいます」→「必要な処置をいたします。」
とありました。
治療結果
鎮痛効果は素晴らしく、術後8日後から痛みが顕著になくなってきて、術後12日後には薬なしで済むようになりました:
上記は私の場合ですが、オクノクリニックの術前の配布資料の、
重度の五十肩でカテーテル治療を検討されている方へには、
「8割が1週間以内に夜間痛減少。残り2割その後に夜間痛改善。夜間痛が改善し、その後動かした時の痛みが改善:動かしたときの痛みが改善するのは治療後1週間から1か月前後が多い。その後さらに改善し、治療後約2か月後日常生活の痛みはあったとしてもほぼ気にならないレベルまで改善するのが大部分」とありました。
その後の経緯
術後18日後:奥野先生の診察。肩を固めたくないため当面のストレッチ法を打診し、指示していただきました。
ストレッチ開始、毎日。しかしストレッチ強度に応じて特に夜痛み、
術後21日後以降はストレッチをほんの少しに抑えても鎮痛薬が必要。対策をLINEで打診したところ、祝日にもかかわらず
●術後26日後:奥野先生の診察、「炎症で刺激して進行(何か起こるの)を増やしたくないから、ストレッチ今月はしない(約1か月)」とのご指示。その後、痛みもなくなっていきました。
●術後54日後:オクノクリニックのコンディショナーの椎葉さんにストレッチを受けました。就寝後上腕が痛くて寝られず、鎮痛漢方薬。ただし痛かったのはこの日だけなので、治るために同じように遠慮なくストレッチをしてもらいたいと思いました。
教わったストレッチのセットの回数を日に日に増やしていきました。
椎葉さんの次のストレッチまで1か月間があったので、少しでも早く良くなりたいと思い、
術後66日後、別の外部のストレッチを受け、良かったので、
術後73日後にも受けたところ、その夜中から酷い痛さが再発しました。
*下記のようにして痛みを克服してから、術後220日後に同じストレッチを受けても問題なかったので、73日後頃の私には、1週間間隔で受けたのが良くなかったと考えています。
●術後76日後、前から予約してあった歯石除去の際、仰向けに寝た姿勢で想定外の激痛状態のまま10分以上2回で、術前以上の激痛状態になり、以後、横になって寝られなくなり、布団を高く積んで背もたれにして、座って寝るようになりました。
●術後81日後、海外出張中だった奥野先生が帰国早々に診察時間を作ってくださり、ステロイド注射(ケナコルト、注射量は一般的な整形外科の量の十分の一とのこと)を背中の痛い部分にしていただきました。痛いうちは横に寝ない方がいい、コンディショニングは軽く続ける旨、ご指示いただきました。
術後82日後、痛み抜け切れず、家事後も痛み、これ以上のステロイド注射も回避したかったため注4、
遠き名医に打診したところ、退任されていて、代わりに自宅でできる治療法として、
●セイリンのパイオネックスのイエロー(鍼長0.6mm)を、『背中の痛い場所に張り、5日間貼りっぱなしにする(痒みがでたら剥がす、一回に10箇所くらい貼ってもよい)』という内容のご返事をいただきました。
(使用の場合は必ず医師にご相談ください。私の場合、背中の痛みで昔診察を受けていて、この先生は私の体をよくご存じなので。)
術後94日後、セイリンのパイオネックスを入手し、箱の説明注7に従い、近くの整形外科医で、アルコール消毒してから、膏肓と注射位置近くの、触って痛い部位に貼っていただきました。以後約5日間隔で(術後207日後まで)約4カ月続けて痛みから脱しました。
その間の経緯の概要:
術後103日後、水平に寝られるようになったものの、食器や洗濯物を持っても、その後少し痛むという状態が続きました。しばらくデスクワークするか座ると痛みは治まりました。洗濯物を持っても痛みがなくなったのは術後120日後。
術後110日後、夜間痛、安静時痛も抑えられました。オクノクリニックのアンケートに答える際、状況を添えて奥野先生に今後の方針を打診したところ、「動かし始めてOKです。」とご返事いただきました。
この間、月に1度、その時の状態に応じたストレッチを椎葉さんから指導されていましたが、この日から本格的に、ストレッチを再開し、現在もストレッチを続けています。
術後1年後でも痛みはありません。
費用
血管塞栓術による(もやもや血管のカテーテル)治療は保険対象外なので、
費用がかかるのがデメリットです。
費用は、オクノクリニックのモヤモヤ血管(新生血管)への診察や運動器カテーテル治療の内容と料金をご確認ください。カテーテル治療ではさらに、当時の金額で、日帰り入院費¥5,000(税抜)+消費税がかかりました。
痛くて寝られない日々から解放されたので、早くすれば良かったと思っています。
●自費診療でも医療費控除対象です。
●私の保険では、対象にならず、日帰り入院給付金のみでした。
注 (以下、英語サイトについては、原則「Google和訳題 原題」で表記しました)
注1. 鏡視下授動術体験談については、
やっと見つけたじょにーのブログ (ameblo.jp)の
今日で左肩の手術後3年(右肩は4年)! (肩腱板断裂闘病記 -128-)まで。
最初が腱板断裂であって五十肩ではないと認識しつつも、きつく長いリハビリをしたのに左肩手術後3年で再断裂!→鏡視下授動術を私は採用できないと思いました。
しかし、このブログアップの約1か月前に、肩関節の手術─関節鏡視下授動術─という新ブログが出たので、五十肩には、こちらが参考になると思います。
注2. サイレント・マニピュレーション体験談については、例えば、
肯定的な五十肩・凍結肩・拘縮肩が長引く方のための「サイレント・マニュピュレーション」とは? | 主婦起業の専門家 山口朋子オフィシャルブログ
否定的な回もあるのは五十肩(凍結肩)顛末記3-非観血的関節授動術(サイレント・マニピュレーション)後 - 司法書士とくの日記(ブログ) (hatenablog.com)
注3. 麻黄附子細辛湯 使用の場合は必ず医師にご相談ください
医師に相談したところ、四肢に疼痛冷感、全身倦怠に使える麻黄附子細辛湯を紹介されました。自身の疼痛に対して使用したところ、効果を実感しました。調べると下記のような文献もありました。
3.1. 麻黄附子細辛湯の応用日本東洋醫學會誌1974 年 25 巻 4 号 p. 218-221
3.2. 麻黄附子細辛湯は神経傷害性疼痛に有効か?後頭神経痛に対する麻黄附子細辛湯の効果 | J-GLOBAL
要旨を13. 筋骨格・結合組織の疾患 - 日本東洋医学会で見ることができ、ロキソプロフェンと比較できるほどの鎮痛効果が報告されています。
3.3. 頻用処方解説 二朮湯 中永 士師明 鎮痛作用が強い生薬 参照
3.4. ツムラ漢方麻黄附子細辛湯エキス顆粒 _ 製品情報 _ ツムラ
注4. ステロイド注射の許容回数
4.1. ステロイド注射は何回まで打てますか? - エコーガイド下注射 How many steroid injections can I have_ - Ultrasound Guided Injectionsの太字の文:年間の回数上限と間隔について、three injectionsとat least 6 weeksの文をご覧ください。
4.2. ばね指の注射は何回まで出来る? | まえだ整形外科・手のクリニック (maeda-seikei.jp)
「注射は3回までと説明されることが多いようですが、回数に関しての明確な決まりや制限はありません。 ステロイド注射の効果持続期間は3-4ヶ月程度なので、注射を繰り返す場合、回数よりも、一定の間隔をあけることが重要です。短期間に注射を繰り返すと、ステロイドが腱のまわりに蓄積し、腱がもろくなります。」
4.3. テニス肘のステロイド注射 繰り返して大丈夫? | まえだ整形外科・手のクリニック (maeda-seikei.jp)
「ステロイド注射によって発生した靭帯断裂について研究した論文によると、靭帯断裂までの注射回数は平均5.5回であると報告されています1」→
表1参照
注5. ステロイドの副作用については例えば、
注6. TAE論文
6.1. 奥野先生の2017年の、3年後の追跡論文:保存的治療に抵抗性の癒着性関節包炎に対する経カテーテル動脈塞栓術の臨床転帰 Clinical Outcomes of Transcatheter Arterial Embolization for Adhesive Capsulitis Resistant to Conservative Treatment
注7. セイリンのパイオネックスの箱の使用方法と使用上の注意を参照。セイリンのパイオネックスの確認の際によく指摘される項目_Amazonも有用




