【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】エレガンスの事典 | シナリオ・センター大阪校 鳩子の日記

【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】エレガンスの事典

 むかしデザイナー時代に読んだ「エレガンスの事典」という本を読みかえしてみました。ニナ・リッチのオートクチュールサロン支配人であった、G・A・ダリオーという女性が書かれた本で、エレガンスのルールがひもとかれています。読みごたえがあるのは、ルールだけではなくて、パリの大人文化を漂わせる、ウィットとエスプリをまじえた人生観がさりげなく表現されているところです。

 若いころはあまり関心のなかった、「夫(愛人)」という項目をみますと、夫に三種類あるらしく、まずは目のあいていない男性。つまり妻のファッションにまったく無関心な男性。次に理想的な男性。妻のファッションを認めつつ、なにがもっと似合うか関心をもってくれる、妻にぞっこん惚れている人生のパートナー。しかし残念ながらこのタイプはめったにいないとのこと。次に妻を強制的に自分の好みにしたいタイプ。彼の好みの裏づけは自分の母からきているので、実はかなり古い。なのに高圧的。著者の助言としては、真にエレガンスな女性はだれの意見も必要としないということです。そして、もしなんとなく決心がつきかねるようなら、男性の意見――偏らないものでなくて、偏ったものでも――を求めるのがよろしいとのこと。結局この世とは、なんだかんだいっても、クリスマスパーティで毎年、「シナリオは男と女――!!」と叫んでくださっていた、100歳のО先輩が正しいというところに落ちつきそうです。

 「赤い靴」という課題のことを調べるために読みかえしてみたのですが、「靴」の項目の「あまりに高いヒール」では、身長とヒールのバランスに触れたあと、「それに極めて下品です!」と、ダリオーさま、高いヒールの女となんかあったのかしらと穿つふしもあるような、ないような、怒りまじりが面白く、型とくずすこととは、なにごとも普遍的な問題とつくづく。レディ・ガガがこの本をみたら、蹴っ飛ばすかもしれませんが… 


新・エレガンスの事典 [単行本]

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