【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】サウンドトラック盤

お天気のつづいたゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしたでしょうか？

真冬のような寒い日がつづいたかと思うと、真夏日が突然やってきて、体調がついてゆけない不思議な天候です。どうぞお体を大切に。

例えば友だちに、「わたしの人生ってすごくドラマティックなのよ、ねぇ、聴いて」と言われたとしたら、多くの人が数奇な運命を想像するでしょうね。もしかすると、めったに聴けない禁断の愛のお話が聴けるかも！　ネタに使えそう！　…とばかりに身をのりだして聴いたところが、別にどうということもないお話なら、時間を返してもらいたいような気持ちになるでしょうね。でもテレビの前にいる人は興味本位なので、ドラマでは山あり谷ありが求められて然るべきでしょう。

それにしてもなんにも起こらない毎日です。気分だけでもドラマを…と、わたしはこのごろ朝に映画のサウンドトラック盤を聴いています。

ちょっと怖いおばさんの趣味ですが、イマジネーションがふくらんで、案外お勧めです。起の部分は、これからなにかが起こりそうな予感の音楽。そして珍しい風景や文化の異国へ旅に行ったような気分になる承のメロディ。悩ましい恋を連想させるラブソング。そして事件の予感の音楽。安心できる音楽が続いたと思うと、不安になる音楽。

シナリオと同じで、不安になる音楽がずっと続くと、やはり飽きてきます。そんな風にして聴いていると、音楽の構成もかなり心理作戦で練られていることに気づきます。

それからもうひとつのお勧めは、ラブストーリーを描くときに、ムードのあるラブソングを聴くことです。

つい今しがたまで仕事の伝票を書いていた脳で、ラブストーリーは描けませんね。音楽は脳内チェンジの友です。＜鳩子＞