シドニー・ポラック賛歌 | シナリオ・センター大阪校 鳩子の日記

シドニー・ポラック賛歌

5月26日(月)、都会風なセンスと洒脱な会話で男女の愛を美しく描き、また印象的なシーンで女優の魅力を見事に引き出してきたアメリカの映画監督兼俳優のシドニー・ポラック氏が亡くなられました。


監督作品としては、センター所長の後藤先生も大好きな映画の一つにあげておられるバーブラ・ストライサンドとロバート・レッドフォードの「追憶」、メリル・ストリープとロバート・レッドフォードの「愛と哀しみの果て」、プロデュース作品としてはミシェル・ファイファーとブリッジス兄弟の「恋のゆくえ/フォビュラス・ベイカー・ボーイズ」、そしてスーザン・サランドンとジェームス・スペイダーの「ぼくの美しい人だから」…。


「追憶」では、苦学生で学生時代に政治運動に積極的に関わり、やがて政治家となるケイティ(バーバラ・ストレイザンド)の解けた靴紐を、ノンポリのスポーツマンでキャンパスのヒーロー、そして後に映画脚本家となるハベル(ロバート・レッドフォード)が自分の膝に足を載せて結びなおすシーン、「愛と哀しみの果て」では奔放な主人に振り回されながらケニアで農場を経営するデンマーク人のカレン(メリル・ストリープ)が冒険家のデニス(ロバート・レッドフォード)と出会い、お互い惹かれあう中、ケニアの大地でデニスに髪を洗ってもらうシーン。いずれも映画の正確なストーリーを忘れてしまってもいつもでも心に深く残るものです。


映画でも音楽でも小説でも、そして料理でも、一部の人にしかわからないような難解な表現にしてしまうことは簡単です。


当事者しかわからないような専門語や共通語、テクニックを多用しさえすれば良いわけですから。


でも難しいことをあえてわかりやすく、そして心に染み入るように表現できることこそ、真のプロにしかできない芸当なのではないでしょうか。


そういう意味で、日本では作品以上にもっともっと評価されるべき監督だったと思います。


彼の作品を観たことがない方はぜひこの機会に!


追悼の意を込め、バーブラ・ストライサンドがシドニー・ポラックの訃報に接し、応えた言葉を記しておきます。


"He knew how to tell a love story - he was a great actor's director because he was a great actor." singer Barbra Streisand said.


※BBC News May 28, 2008  



 

追記:「トッツィー」のダスティン・ホフマンも彼に女性としての魅力を最大限に引き出してもらった一人なのでしょうね(笑)


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