大阪風男と女の愛し方…
とはどんなことでしょう?
「夫婦善哉」に象徴されるような、しっかりモンの女と頼りない男のペア。近松作品にみられるような色香に惑う男と、社会的には薄幸であるが心の汚れていない女とのペア。そして21世紀、どんな男と女の物語が大阪から生まれるのでしょう?
恋愛感情のなかに人情が大きなシェアを占めるのが、大阪風男と女の愛し方の特徴ではないでしょうか。相手が落ち込んでいるときにこそ相手にしかと寄り添う…。親の人情を子が見て育っているからかもしれません。
江戸ッ子には、大阪風の人情が同情と取り違えられて、東西間の人間感情の誤差が生じることもあるようです。得てして気風がよくて粋を尊ぶ江戸ッ子は、同情されては自分らしくリアクションができないから拒むのでしょう か。東京大阪間に限らずこの誤差は、悲しい人間関係の結果を生んでしまいがちです。
「可哀想ったぁ惚れたってことよ」と云うコトバもあり、同情もさほど低い感情ではないと思うのですが、日ごろ触れるシナリオから推察して非常に乱暴に区分けすると、一番古いのは人情、受ける側があまり喜ばしくないのは同情、新しい都会的感覚は共感性へと、人への感情移入の糸口は移り変わっていると思えます。
人がこぞって新しいと思いそうな都会風に流されては、それはもうその時点で新しいことではありません。また古いことばかりいくら巧く飾りたてて並べても、それはオタクにすぎず、後世へのメッセージ性に欠けます。
わたしたちは大阪に住んでいます。
大阪に住むあなたはどの糸口から愛し方を描きますか?