イタリアの大部分の交通機関が全国規模のストライキによって麻痺している。
イタリアの三大組合が起こしている抗議運動によって銀行や郵便局、そして政府系の建物も営業を停止させられている。
全部で1200万人にも達するこうした組合が活動をしているのは、政府が支出の削減を提示した2006年度の予算案に反対する目的がある。
朝の通勤ラッシュが過ぎたころ、ローマのナヴォーナ広場を含めイタリア中の広場でデモが起こった。
この4年で6回目にもなる全国規模のストライキは最大級のもので、組合がいうところによれば公共サービスにおける支出削減が頓挫されようとしていることに反対するものだという。組合がいうには、予算案はイタリアの停滞した経済を助けはしないという。
組合はシルヴィオ・ベルルスコーニ首相の中央集権型の政府にプレッシャーを与えたいと考えている。彼は来年、総選挙を迎える。
ほとんどの地域で公共交通機関は午前9時から4時間ストップした。これは、バスやトラム、電車といった交通機関のほとんどがギシギシと音を立てながら動きを止めたことを意味する。もっとも、最小限度の交通機関は動いていたが。
空のカオス
イタリア人はこの事態をうまく切り抜けている。仕事に行かないものもいれば、ストが始まる前にちゃっかり旅行に出かけたものもいる。
しかし観光客は完全にストに捕まってしまった。多くのものは、いつになく低い気温のローマの中心のテルミニ駅、見捨てられたプラットフォームで立ち往生している。
アメリカ人のダニエル・ターナーがいうには、「私たちはちょうど今日やってきたんだ。凍えるような寒さのなか、もうここに二時間も立っているよ」
航空機関の操業停止は、アリタリア航空が200本以上の便をキャンセルするなど、最大級の混乱をもたらした。もっとも、夕方にはそのほとんどがスケジュールどおりに運行を再開した。
交通機関の障害に加えて、政府系機関も活動を停止している。病院は緊急時のみ対応しているという。銀行や郵便局もドアを閉めている。
ある都市では交通機関の麻痺はその日の終わりまで延びた。
ミラノの交通ストは夜のラッシュアワーのさなかに行なわれた。
「何の影響もない」
イタリア全土が活動停止に陥ったわけではないが、左翼のCGIL、カトリックのCISL、それに穏健派のUILといった組合がいうには、彼らの叫びが届いたことを確信しているという。
抗議に参加しているミュージシャンはイタリアのいたるところでヴェルディのレクイエムを即興演奏をしてまわったという。
「このストは、ベルルスコーニの政権下で人々がどれだけうんざりしているかを示すデモだと思っているわ」ローマのナヴォーナ広場の抗議集会に参加した女性はいう。
CGILのトップ、グリエルモ・エピファニ氏は何百万という人々が仕事をしなかったと主張する。
「サラリーマン、年金生活者、それに若者が、予算案と政府の体制という両方への我々の非難を共有してくれた」と彼はいう。
しかし、シチリア島のメッシーナを訪れているベルルスコーニ首相は「まったくもって無用の活動で、何の影響をも持たない、古き悪しき伝統だ」として、否定的な見解を示した。
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from BBC
